6時のジョッキー
げ! なまいき!!
27歳のわたしの発言に、60代ゾロ目のわたしは思わず吹き出してしまった。なんとまぁズーズーしかったことでしょう。まもなく共通一次(現在は共通テスト)というタイミングで、偉そうに試験のコツをお話ししましょうなどと宣っているワタクシ。若気の至りとはいえ人なかで聞いていたら赤面必至の物言いだ。
そうか、ほとんど40年前になるのよねぇと今更ながら時の長さに驚いている。40年前のわたしはいまよりずっと早口で、声も高い。40歳を過ぎて声がいきなり低くなったのは自覚していたけれども、20代はこんなに高かったかと最初聞いた時は思った。何本かテープを聞いているうちに、普通の感じがしてくるから不思議だけれども。
40年前の2年間、正確には1984年4月から1986年3月末まで、わたしはNHK長野FMの「6時のジョッキー」というラジオ番組でディスクジョッキーをしていた。いまでいうパーソナリティかな?
午後6時から6時50分までの50分番組だった。25歳から27歳の生意気盛りの戯言が公共の電波に乗って流れたと思うと身の縮む思いだが、個人的には懐かしく、愛おしくもあったりする。
その放送を録音したカセットテープをずっと保存していたのだけれど、いつしかカセットデッキが壊れ、世の中からもなくなってしまって聴けなくなっていた。
ところが昨今のレコード、カセットのリバイバルブームで、対応機器が出回り始め、Kが買ったというので借りている。CDもカセットも聴けて、デジタル化してメモリースティックにもSDカードにも保存できるという優れものだ。
最初は放送中、家族に頼んでエアチェックした音声をカセットテープデッキで録音したと思うけれど、後半は局で放送と同時に録音してもらっていたのかもしれない。エアチェックにしてはやけに綺麗に録れている。
聞いていると、え!こんなことあったっけ? こんな話したっけ? の連発だ。ものの見事に記憶にないので、自分の声で語られる知らない自分に出会っている感じ。
今、聞いている放送は最終盤の頃のものだからか、毎週いろんなコーナーを作って、ただ、葉書を読んで曲を流すだけじゃなく、ある程度のメリハリをつけていた。
この番組は、選曲はもちろん、何を話すか、どのハガキを採用するのかなどMCの企画から台本まで、全部1人で考えている。
なかなかやるじゃん、わたし! と、驚いてもいる。
共通一次の話題の週には「Let’s Hiro」などというコーナーがあったし、翌週はバレンタイン間近ということで恋愛に関するハガキを読んで「ラジオ テレビジョン」なるコーナーをやっていた。それぞれのコーナーに合わせたハガキもきていたようで、それを紹介したり読み上げたり、、、、
年間約50本、2年で約100本の放送を毎日1本ずつ聞いていこう。聴けたら、各コーナーのまとめや感想などをこのノートを使って書いてみようかな。テープは順不同に積んであるから、1本ずつ確認しながら順番通りに揃えてメモリースティックに保存しよう。まぁ、保存したところで、誰に聞いてもらうわけでもないけれども。
いろんなことをやってきたなぁと改めて思う。次々とさまざまなご縁をいただいた20代。わたしの人生の中で最も波瀾万丈で、突っ走った時代だった。
しみじみとしてしまう。歳をとるって、こういうことだったんだなぁ。