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【AISC紹介】AISCを構成する三つのチーム
はじめに
こんにちは。株式会社GA technologiesのAdvanced Innovation Strategy Center(AISC)に所属している嶺井です。
こちらの記事は【AISC紹介】シリーズの第3弾として、AISCを構成する三つのチームについてご紹介いたします。
すでにご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、【AISC紹介】シリーズは、AISCの部署紹介だけでなく、外からは見えにくい部署の雰囲気や、メンバーのスキルアップ育成事例などを、メンバー自身の言葉でお伝えする企画です。
これまでの【AISC紹介】では、シリーズを始めたきっかけや、部署で行っている開発研修についてお話ししてきました。以下に今までのシリーズの目次を共有いたしますので、未読の方は、ぜひ併せてご覧ください!
AISCの位置付けと三つのチーム
まず初めに、AISCは「先進技術により事業に貢献する組織」をミッションに掲げ、データと技術を駆使して、不動産領域やM&A領域における研究開発を担っています。
簡単に言えば、様々なメンバーの業務を極限までに自動化・効率化するための技術開発を行っている組織です。研究領域は多岐に渡り、画像認識、音声認識、自然言語処理、マッチング、データ解析などがあります。それらの研究開発を軸とし、様々な業務を通して事業貢献を目指し、日々活動しております。
実際に、メンバーが関わったプロジェクトや社外公開中のプロトタイプの紹介記事もございますので、ぜひ参考にご覧ください。
2024年10月現在、AISCは以下の三つのチームで構成されており、それぞれ違った機能を持ち合わせています。
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続いて、それぞれのチームメンバーがチームについて深掘りした内容をお届けします。
DXチーム紹介
紹介メンバー:山内 翔大(Shota Yamauchi)
![](https://assets.st-note.com/img/1727311144-EBFkaLV2p6cymNvlgu9fQDSM.png?width=1200)
京都大学大学院社会情報学卒。大学院では潜在的重篤患者の受診促進システムの研究に従事。GA technologiesに新卒で入社。入社以降、営業支援のための顧客分析業務に従事。
ー DXチームの説明と役割を教えてください
DXチームは、ROI(Return On Investment)がある程度明確に算出可能な業務を遂行するチームになっています。
ROIはかけた工数とリターンとのバランスのことです。例えば、10時間かけて構築した仕組みが20時間/月の削減効果を生み出すならば、AISCとしてはROIが見合っているという判断をします。
上記のような業務の性質上、様々な部署の業務効率化を行うことが多いです。
現在はRAMやスピカ、Renters Warehouseやパートナーズなど様々な部署の業務を効率化する仕組みを作っています。
ー DXチームの主な業務と仕事の進め方を教えてください
私たちの業務は、まず現場の皆様へのヒアリングから始まります。具体的には、業務フローや抱えている課題について詳しくお伺いします。その後、現場の方々とディスカッションを重ねながら、最適な改善方法を模索していきます。
改善案が現場の方々に納得していただけたら、次に実際の改善システムの構築に取り掛かります。この段階では、できるだけ早くMVP(Minimum Viable Product)を開発することを目指します。MVPとは、必要最低限の機能を備えたプロダクトのことで、我々はプロトタイプと呼んでいます。これを迅速に作り上げ、現場で実際に使用してもらいながら改善を重ねていくというサイクルを高速で回していくことが、私たちの開発フローの特徴です。
ー DXチームのユニークな点を教えてください
私たちのチームが他のチームと異なる点について、課題解決と開発の二つの観点からご説明します。
課題解決のアプローチ
課題解決のプロセスでは、まず課題を洗い出し、ROI(投資対効果)を計算して優先順位をつけ、高い優先度のものから解決していくのが一般的です。それ自体は正しいのですが、課題の洗い出しを厳密にやってしまうと、多大な工数がかかることが多いので、AISCではまず洗い出しの期間を事業の改善度合いに応じて短く設定するように工夫しています。極端に効率化が進んでいない事業ならば、30分から1時間のヒアリングで洗い出しと優先付けを行います。もちろん、完璧な洗い出し、優先付けができているわけではないので、当初定めた優先付けに基づいて教務改善を行いながら、継続的にヒアリングと優先付けを見直し続けて軌道修正します。このアプローチは、一般的な課題解決の手法とは異なり、我々は極めて迅速に動くことができるのです。開発のアプローチ
要件定義を厳密に行い、それに基づいて粛々と実装していくというウォーターフォール型の開発では、定めた要件と実際に機能する要件とのギャップが発生するという問題に直面するので、我々はアジャイルな開発プロセスを採用しています。具体的には、MVP(Minimum Viable Product)を迅速に開発し、それを現場で使用してもらいながらフィードバックを受け取り、必要に応じて仕様を柔軟に変更していきます。この柔軟性こそが、最良の結果に素早く到達するために非常に効果的だと考えています。
ー DXチームが大切にしていることを教えてください
私たちのチームが大切にしているのは、自分たちの意見と現場の皆さんの意見、どちらにも偏りすぎないということです。現場の業務を最も理解しているのはもちろん現場の方々です。そのため、私たちだけで解決策を考えると、不十分なものになる可能性が高いです。
しかし、現場の方々の意見をすべてそのまま受け入れて実現するのも良くありません。なぜなら、テクノロジーの活用方法については、私たちの方が専門的な知識を持っているからです。
私たちは、現場の皆さんとディスカッションを重ね、一緒に最適な解決策を見つけ出していくことが最良の方法だと信じています。
ー DXチームとしてのこれからしたい挑戦ことを教えてください
DXチームが目指している挑戦は、人間とプログラムが調和する世界観を構築することです。具体的には、プログラムでできる仕事はプログラムに任せ、人間が行うべき仕事に集中できるような世界観を作りたいと考えています。
このような世界観を実現することで、メンバーは煩雑な単純作業から解放され、より専門性を活かした仕事に専念できるようになります。
ー どんな人が向いていると思いますか?
いくつかの重要な考え方があります。
技術に偏りすぎない人
私たちの最も重要な目標は、業務上の課題を解決することであり、最新の技術を使うことではありません。そのため、新旧さまざまな技術をあくまで「道具」として捉え、解決すべき課題に最適な道具を選び、活用する力が求められます。完璧を求めすぎない人
90点のシステムを100点にするのは、0から90点のシステムを構築するよりも多くの労力を要することが多いです。すべてのシステムで100点を目指すのではなく、時には90点を目指す柔軟性が極めて重要です。迅速なコミュニケーションを取れる人
自分だけで完結するタスクは、努力次第で早く進めることが可能です。しかし、他のメンバーの協力が必要な場合は、早めにコミュニケーションを取らないと、仕事がどんどん遅れてしまいます。特にDXチームでは、現場の方々へのヒアリングが頻繁に行われます。とはいえ現場の業務を阻害しては本末転倒なので、現場に合わせてスケジューリングを行うことが非常に重要です。
DSチーム紹介
紹介メンバー:白圡 義泰(Yoshiyasu Shirado)
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東北大学経済学部卒業。2017年にGAtechnologiesに入社し、WEBアプリケーション開発に従事。エンジニアの経験を活かし、PdMとして複数のプロダクトの立ち上げや、データアナリストとして事業KPI作成も行う。2022年よりAdvanced Innovation Strategy Centerにジョイン。
ー DSチームの役割を教えてください
DSチームは「暗黙知の形式知化」を主な役割としています。
不動産業界に限らず、アナログな業界では暗黙知(個人の経験やノウハウによって判断される言語化の難しい知識)によって業務の質が担保されている領域が少なくありません。
GAグループは創業以来、率先してテクノロジーの活用を進めてきたことで、不動産の仕入れ、販売、管理、売却に関わる一貫したデータの蓄積が行われてきました。そのデータを活用して、現場のプロフェッショナルの判断の再現性を高めることで、顧客満足・顧客体験の向上をすると共に、データサイエンスの観点から他社の参入障壁となるような研究・データ活用を進めています。
また解決すべき課題については、短期・中長期の両方を対象としています。
ー メンバーの業務スタイルについて教えてください
DSチームでは各メンバーがそれぞれ2〜5個程度のテーマを担当しています。
各テーマは個人で進めているもの、チームで検討しているもの、大学の先生と共同研究しているものなど様々です。またテーマの内容もデータ取得から分析、活用・開発など、データ活用に関わる全てのフェイズを対象としています。
ー DSチームのユニークな点を教えてください
前述のように、DSチームは短期・中長期の両方をテーマとして扱い、データ活用に関わる全てのフェイズを対象としています。
そのため、AISC全体でもそうですが、その中でも特に各メンバーの強みが異なるチームのように感じます。データサイエンスの中でも異なる専門性を持った方々や、開発力が高い方、また私のように事業側の理解に強みを持つ者などが集まって、それぞれのテーマを推進しています。
ー DSチームが大切にしてることを教えてください
現場のプロフェッショナルな方々に敬意を払うことを意識しています。
DSチームのアプローチとして、データだけを眺めて精度を高めていくのではなく、早い段階から現場に投入してフィードバックをもらうことで改善をしていく方法を採用することがほとんどです。そのため「どう提供すれば使いやすいか?」「どのような説明であれば認識の齟齬が生まれないか」にも気を配っています。
また、時にはデータと現場の方の肌感覚が乖離していることも少なくありません。そんな時はまずデータの方から疑い、それでも説明できない場合は、どうして乖離が生まれたのかを両面から深く掘り下げていきます。
ー DSチームとしてのこれからしたい挑戦を教えてください
データサイエンスによって事業に貢献し続けると共に、優秀なメンバーの育成やGAグループのプレゼンス向上に繋がるような研究活動にも、より力を入れていく予定です。
ー どんな方がDSチームに向いていると思いますか?
DSチームに限らずAISC全体に対して共通かもしれませんが
深く考えることができる方
手段だけにこだわらず、目的の達成のために動ける方
が向いているかと思います。
R&Dチーム紹介
紹介メンバー:Aaron Bramson
![](https://assets.st-note.com/img/1727310863-z3qjwaUXoK6kLHCRsPGJA80S.png?width=1200)
Graduated with a Ph.D. in Philosophy and Political Science from the University of Michigan in 2012 after completing a M.S. in Mathematics in 2004. Worked as an M.B.A. instructor at the Rotman School of Management at Toronto University from 2010 to 2011. Before joining GA worked at the RIKEN Brain Science Institute in Japan, Sandia Laboratories in the US, the Department of General Economics of Ghent University of Belgium, and multiple consulting projects worldwide under his own company, Complexity Research Corporation. Research focus is the multiple aspects of complexity science: theory, application, model construction, and analytical methodology. He is in charge of research and development of several projects within the Advanced Innovation Strategy Center that integrate transportation networks, geospatial data, simulated flows, scoring/matching, and estimation.
(*以下英語で回答いただいたものを日本語に意訳しています)
ー R&Dチームの説明と役割を教えてください
私たちのチームは、AISCの中でも中長期的な貢献にフォーカスを置いた組織です。データサイエンスやDX、AIといった枠に捉われずに研究プロジェクトを行うことを目指しており、現在は建物や地域のスコアリングに力を入れています。
ー R&Dチームの主な業務と仕事の進め方を教えてください
私は地域のスコアリングを担当しています。データを取得して、クレンジングし、地理空間データ、ネットワークデータを解析して研究計画を立て、実行した結果に基づいて論文を執筆します。時折、チームのメンバーや他の同僚からデータ収集や処理のサポートを受けることもありますが、基本的には一人で進めることが多いです。
ー R&Dチームが大切にしていることを教えてください
中長期のテーマを扱うので、事業貢献までの道筋は不明瞭である場面が多いです。そんななか研究の方向性を間違えないためには、現場の様々なメンバーとコミュニケーションを取り、彼らのニーズを掴む作業を怠らないことは大切だと思っています。また中長期の研究は明確なデッドラインがないことも多いですが、効率よく仕事を進めることにはこだわっていて、そのために、ルールではなく理由に基づいて行動することを重視しています。
ー R&Dチームとしてのこれからの挑戦したいことを教えてください
今後は、傾斜や歩道、道路幅などを測定し、モビリティの違いを反映させた歩きやすさのスコアを強化したいと考えています。また、東京地域の新しいバスネットワークを完成させ、バスや自転車の移動手段を追加したアクセシビリティスコアや需要推定に関する新しい分析を行いたいと思っています。
ー どんな人が向いていると思いますか?
地理学や地理空間データ、ネットワークデータの分析に興味がある人、既存の方法を理解し、それを超えてより良い指標やスコアを作り出せる人が理想です。自発的に自分の時間を管理し、個々のタスクが主目標にどう結びつくかを理解できる人が向いています。ただし、進捗を定期的に確認し、タスクの目的や方向性に不確実性がある場合は、すぐに質問できることも大切です。そうすることで、プロジェクトが円滑に進むようになります。他にPython、とくにPandas、NetworkX、GeoPandasに熟練している人が望ましいです。データベースの管理やSQLの経験も役立ちますが、必要なタスクは教えられます。
さいごに
今回の記事を最後までお読みいただき、ありがとうございました。メンバーによるチーム紹介を通して、AISCについて少しでも興味を持っていただけたら幸いです。
次回の【AISC紹介】シリーズでは、今回のチーム紹介でも登場した白圡さんが、AISCで行っている開発研修について紹介していただきます。ぜひご一読ください!
これからも、AISCでの働き方や活動の様子をnoteでお届けしていきますので、引き続きお楽しみに!