永住と帰化➀
行政書士の橋岡です。ブログも第二回となりました。毎週木曜日に更新すると公表してしまったので書かないわけにはいきません。どんなことにも言えることですが『まず決める。そしてやりとおす。』それだけなんですよね。シンプル!というわけで本題に入りたいと思います。
今回は当事務所に個人のお客様からは一番多い相談内容である『永住』そしてこの永住とよく比較される『帰化』の二つにフォーカスを当てていきたいと思います。この内容は長くなるのでシリーズ化しちゃいます。今回はタイトルにもあるように➀ということで、まずは永住と帰化の違いから。すごく簡単にまとめると『永住』は在留資格です。全部で29資格(令和5年6月現在)あるうちのひとつであり、永住を取得した外国人は自国の国籍のまま日本に住み続けることが出来ます。日本に『永住』できる在留資格なので就労の制限がありません。どんな仕事をして(犯罪行為以外)、どれだけ働いてもOK(労働基準法の範囲内でお願いします)です。しかし、あくまでも日本に在留するための『資格』なので、他の資格と同様に取り消し及び退去強制の事由に該当(在留資格の取り消し事由については別途)すると取り消し及び退去強制の対象になります。在留資格を取り消されると当然ですが日本には在留できないので自国に帰ることになります。選挙権はありません。対して『帰化』は日本国籍になる手続きです。つまり在留『資格』ではなく、後天的に『日本人』となる手続きです。ここに大きな違いがあります。『日本人』となる手続きなので取り消しの対象にはならず、『日本人』として日本国憲法で保障されている権利すべてが与えられます。選挙にも参加できます。戸籍も作れます。日本人なので外国人(もともとの自国の人も含む)と結婚したらその相手は『日本人の「配偶者等』という在留資格を申請することが出来ます。しかし、日本は二重国籍を認めていないので、自国の国籍を脱して手続きをします。そのため、自国に帰ると『外国人』として扱われてしまうので注意が必要です。当事務所は帰化申請も承っていますがその依頼者様の多くは生まれも育ちも日本であり、書類上外国人というだけで実態は日本人として生活をしている『特別永住者』の方が多いです。ともあれ『永住』は資格、『帰化』は日本人になること、という形で覚えてもらえば認識としては大丈夫です。何度も申し上げますが、永住は『資格』であり『権利』ではありません。したがって日本では『永住権』などという権利は存在しません。一部メディアでは『永住権』といった表記をしていたり、報道していたりしますがこの言葉を耳にしたり目にしたりするともやもやした気持ちになります(笑)。少し主観が入りましたが、次回は永住を帰化について、それぞれの要件を比較した記事を書いていきます。ではまた来週。
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