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大相撲、勝っても負けても

大相撲ファンの私。
激闘を制した力士がまったくその表情を変えずに勝ち名乗りを受け、懸賞金を手に、花道を静かに下がっていく姿を見るのが好きです。感情を表に出さず、スンとしたまま。

元横綱の貴乃花さんや最近引退した貴景勝湊川親方は、自分にそのように課していたと話していましたね。相手への敬意から。

大の里関が優勝したとき、前夜に師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)から「勝っても喜ぶな」と釘を刺された旨を話していました。(ただ、二所ノ関親方のこの言葉には弟子のメンタルケアの意図があったようにも思われます。優勝できると師匠は思っているんだ!と思わせることに成功しています)

個人的な思いとして、土俵上の「礼に始まり礼に終わる」立ち居振る舞いが、相撲を国技たらしめているように感じています。神事という側面もあります。取組中は強く熱く激しく。勝負あったら、気持ちを鎮め、制御する。勝負が決した後にこそ美しい所作をみせてくれる力士がとても好きです。アマとは違う、成熟したこれぞ大相撲の魅力だなぁと惚れ惚れします。

最後の礼についても…
首だけちょこんと前に倒す、まるで頷くような仕草の礼が好きではありません…。
また、それは頭を下げるようにしてサガリを取り外しているだけでは?と思う力士もいます。

ちなみに宇良関は負けた後の礼がとても清々しいです。表情も含めて。ファンが多いのも納得。健闘に自然と拍手を送りたくなります。

本場所では、勝っても負けても最後は息を整えつつ、美しい15度の目礼を見せてほしいです。