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幕内遠藤が語る覚悟、震災1年

能登半島地震から1年となる令和7年の元日付の新聞朝刊に石川県穴水町出身の幕内遠藤関のインタビューが掲載されました。

共同通信によるインタビューとあったので、各地方紙に掲載されているものと思われます。聞き手の記者さんの腕も良いのでしょう、本当に良いインタビューだったのでぜひ入手してお読みいただきたいと思い、ネタバレのない範囲で紹介させていただきます。

遠藤の出身地、石川県鳳珠郡穴水町は能登半島の真ん中ほどに位置します。令和6年1月1日午後4時10分に発生した大地震で大きな被害を受けました。この地震では亡くなられた方が504人(令和7年1月1日時点)、230人もの方が今も避難所生活を送っていらっしゃるそうです。さらに能登の被災はこの一度だけでは終わりませんでした。地震から半年がたった9月に今度は猛烈な豪雨が襲い、地震を生き延びた方が命を落とすという、言葉にならない事態となりました。

遠藤はインタビューで、けがに苦しみながらも土俵に上がり続ける自身と、ふるさとの人々の境遇を重ね合わせ「明日がないかもしれない、でも…」と語ります。

「明日がないかもしれない」という気づきと覚悟。この部分だけでも読む価値がある記事だと思います。

相撲巧者の遠藤。その美しい容姿も相まって、若い頃は過熱する人気にご苦労されたことも多かったと思います(34歳の今も、ありえないレベルで美しいです)。取組後のインタビュールームでは言葉少なで、時にそっけないと感じる人もいるかもしれません。ですが、こうしてふるさとへの思いを真摯に語り、北陸巡業ではファンに優しい笑顔を見せていました。握手会では菩薩ような笑みで応えてくれます。プロです。こちらが礼をもって接すれば、そのように応じてくださる関取だと思っています。

花道を下がる遠藤関。令和6年北陸巡業で

新聞インタビューの最後には、遠藤少年が見ていた能登の海が描写されています。読んでいて流れる涙を止めることはできませんでした。