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貸方は目に見えない

簿記の世界では借方と貸方という概念が出てきます。

簿記の勉強を長くして、会計の世界に身を置いている私ですが、たまに下の図の貸借対照表や損益計算書で気づきがあります。

弥生会計さんから引用
https://www.yayoi-kk.co.jp/kaikei/oyakudachi/accounting-settlement-05/

借方が資産、貸方が負債と純資産(資本)です。
簿記3級を勉強した方なら見た事ある人も多いと思います。

貸借対照表上だと資産も負債も純資産も科目名と金額が記載されているので、あたかもそこにあるかのように感じます。

資産だと現金や建物や車両などの目に見える物多数あり、目に見えないものは権利として記載されていたりします。

では負債だとどうでしょうか?借入金や、引当金など義務を負っているものがありますが、目に見えるものはないかなと思います。

会計の世界を学んでいくと取引は借方と貸方が同時に記載されるためにこれを貸借一致の原則とか貸借平均の原理ていったりします。

ですが、一般社会において私たちの目に映っているものは資産ばかりで目に見えない権利や義務はぱっと見わかりません。

その目に入ってくる情報に、人は惑わされたりします。
それが値段の高いものです。

例えば、大きなミニバンを買った人がいたとします。
ミニバンは高いものだと500万円以上したりします。
周りの人はそのミニバンを見て凄いなと感じます。
それはそうですよね?500万円以上するミニバンなのですから。しかもカッコイイですし。
ではこれを会計に落とし込んでいくとどうなるでしょうか?

車両 500万円 / ××× 500万円
といった形で目に見えているものでは仕訳の貸方がわかりません。
それは買った本人かもしくは売った本人かしかわかりません。

では思い切って推測で貸方を埋めてみることにします。

車両 500万円 / 現金  500万円
車両 500万円 / 借入金 500万円
車両 500万円 / リース 500万円
車両 500万円 / 受贈益 500万円

どうでしょうか?貸方の科目を入れると資金の流れが分かってきて取引前後の全体増が見えてきます。
借入だった銀行から借りたのかな?リースかな?親からもらったのかな?
といった形で貸方は見えないですよね。

自宅を購入する時だとこんな感じ。
土地建物 3,000万円 / 借入金 3,000万円

土地建物 3,000万円 / 借入金 2,500万円
            現金  250万円
同じマンションを購入したとしても、頭金があるかフルローンかが貸方の違いで見え方が大きく変わります。

仕訳においては取引が二面性があるために、どういう取引かということがよく分かるように出来ています。
会計を学んでいると、日常生活においても何か腑に落ちない事が引っかかったりします。その時によく反対側や相手側の事を考えてみると案外よく分かったりします。

あらためて簿記や会計の世界て奥が深いなぁと実感しました。



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