JKにわかるように簿記2級の税効果会計解説してみる。③
1回目
2回目
3回目
今回は簿記2級で出てくる、その他有価証券の時価評価について、かみ砕いて書いていこうと思います。
はっきりいって難しいので参考とする例題はより具体的にイメージできるものをもってこようと思います。
例はこちら、JKを陰で支えてくれる携帯電話AUの会社KDDIです↓
左から 株数 取得単価 時価 評価益 です。
とまぁこんな難しい仕訳になります。
前回までで、会計上の利益と税務上の所得のズレが税効果になることは説明しました。
同じように考えると、法人税等調整額が出てくるはずなのに出てこないです。
ここをすこし優しく書いていきます。
まず、繰延税金資産(繰延税金負債)が税金が安くなる(高くなる)ことは理解できると思います。
346,900円で買ってきたKDDI株を今売却すれば、496,900円(+150,000円)の収入になるけど、まだ売却していません。
仮に、KDDI株を売却すれば、法人税では利益の30%が税金で取られるので45,000円になるというのは分かりやすいと思います。
そのため、将来税金が高くなる金額として繰延税金負債を使います。
なぜか会計では資産側の有価証券を時価で評価したがるのですが、時価と簿価の差額を損益計算書に入れずにいきなり純資産に入れちゃいます。
なぜこんなやり方をするかというと、売ってもいない株式の利益なんてぬか喜びだから収入にはしない、だけど資産としての価値は見ておきたいという考え方です。
そうなると会計上の利益は0で税務上の利益も0となります。
あれ?ズレてませんよね?
ここからが難しいのですが、
会計上の資産と、税務上の資産にズレがあるのがわかるでしょうか?
こんな感じでズレが生じます。
この会計上の資産と税務上の資産のズレの認識の仕方と資産負債法といいます。
貸倒引当金の例題では、貸倒引当金繰入額と貸倒引当金が税法上認められないとしてズレが出来ていました。
これは、
①会計上の利益と税務上の所得ズレ(貸倒引当金繰入額1,000円)
②会計上の資産と税務上の資産ズレ(貸倒引当金 1,000円)
この二つのズレの金額が一致しているものでしたが、
今回は
①会計上の利益と税務上の所得ズレ( 0円)
②会計上の資産と税務上の資産ズレ(投資有価証券 150,000円)
①がズレないと税引前から税金費用の割合が変わらないので法人税等調整額を使う必要がないのです。
結果として、将来の税金の支払額を入れてあげる必要があるために、このような仕訳になるのです↓
有価証券 150,000円 /有価証券評価差額金 105,000円
/繰延税金負債 45,000円
将来の税金の支払額を入れてあげる必要があるために、このような仕訳になるのです。
どうですかね?頭クラクラするくらい難しいですよね。
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