憧憬(136期 伊藤)
はじめまして。136期漕手の伊藤遼太です。
僕は、もうすぐ3年目に突入するボート生活において、常々感じていることについて書きたいと思います。少し長くなりますが、お付き合いください。
“周りから信頼される人とはどのような人なのか”
クルーボートにおいて信頼関係は非常に重要です。クルー選考の時期になると、選考で勝つには、技術やフィジカルはもちろん勝敗を大きく分けますが、一緒に艇に乗って漕ぎたいと思わせられるかどうかも大事な要素の1つだというのをよく耳にします。そしてこれは、2年間のボート生活で身をもって感じてきました。では、周囲からの信頼、人望が厚い人とはどのような人なのでしょうか。僕の中でこれには、2つの条件があります。
まず1つ目が、「自分に強く人に優しく」あれる人です。この言葉の真意を、僕は次のように理解しています。
“まず、自分の弱さや足りない部分を受け入れ、自分自身と向き合い続け、導き出した答えを自分の確固たる信念として持っている。その結果広い視野を持つことができ、他人の痛みや悲しみに気づくことができるようになる。そしてその痛みや悲しみに寄り添い一緒に頑張れる人”です。
ボートをやっていれば、非常に繊細なチームスポーツであるがゆえ、思い通りにいかないとき、他の誰かに責任を押し付け、卑下したくなることもあるかと思います。また寮で生活していると、自分の中で当たり前だと思うことを、なぜできない人がいるんだと感じることがしばしあるでしょう。ただ人間、相手を動かしたければ、まず自分を変えないとどうにもなりません。完璧でない自分と向き合い、まず自分がやるべきことを探す。これでやっと物事の細かいところが見えてくると僕は思っています。そして広い視野を持てるようになると他人の物の感じ方に気を遣えるようになり、悩みや不満に気づくことができるようになります。その悩みや不満に親身になって寄り添い、一緒に乗り越えようとしてくれる人こそ、本当の意味で“相手を想って行動できる人”なのです。こんな人には自ずと、周りが信頼してついてくるものだと僕は思います。
そして2つ目が「勇気」と「好奇心」を持ち続けている人です。正直なところボートというスポーツは、番狂わせが起きることは滅多にありません。日々積み重ねてきた努力に対して、それ相応の結果が返ってきます。ただ、日々のつらい努力に徐々に結果がついてくるようになると、人間誰しも限界を決めて現状維持に走りたくなることだってあります。そこで今の自分を越えるために、新たな領域に飛び込み、どんなに厳しい道のりが伴おうとも前に進み続ける勇気を持った人は、限界を決めてしまった人たちが諦めたその先、日本一の景色を見ることができるのです。
NBAのスーパースター、コービー・ブライアント選手の生き様から生まれた“マンバメンタリティ”をみなさんご存知でしょうか。彼は“マンバメンタリティ”をこう表現しています。
”マンバメンタリティとは、答えを見つけ出すための終わりなき冒険。もっと上達したい、もっと知りたいという無限の好奇心。マンバメンタリティとは、結末にこだわらずにとにかく進み、戦う事。人から何と言われるか、誰かに失望されるのではないか、そんなことは一切気にせず、その瞬間だけに神経を注ぐ。それがマンバメンタリティだ。”
このような強くなりたいという無限の好奇心、さらなる成長に挑戦する勇気を持った大きな背中を見せてくれる人を信じてついていきたい、一緒に戦いたいと僕は思います。
僕は今この2つを信条にして、目指す自分になれるよう日々精進しています。そしてこのような“なりたい自分”、“新しい自分”を見つけるきっかけを与えたくれた端艇部は、僕にとってかけがえのない存在だとつくづく感じさせられます。
暑苦しい文章になってしまいましたが、憧れる先輩、尊敬する同期を思い浮かべながら書いてみました笑。改めて言葉にしてみると、とてもいい刺激になるものですね。
最後まで読んでくださりありがとうございました!
136期
伊藤遼太
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?