強迫性障害になってよかったこと②
一つひとつ、ゆっくり、丁寧に、行動することができるようになった。
社会では生産性を効率よく求められる。
もたもたしてると、客からも、同僚からも、イライラ急かされる。
強迫性障害にとって、言ってはいけないword
「はやくして」
わかってます。こちらも早く済ませたいのです。
できないんです。
そうして社会からはじき出されます。
もちろん社会では一刻を争う場面もありますから、適度に素早く適切に速やかに…。
わかっています。おっしゃる通り。
しかし、ごめんなさい。私にはそれは無理でした。
適当なことが許される世界ではいいかもしれませんが、早く済ませたとしても、仕事が遂行されたのか理解に追いつかず、自分が納得できていない状況でミスを指摘された日には完全にパニック。塞ぎ込んでしまいます。
なので私は自分の出来る範囲を伝え、了承してもらい、時間をフルに使って、提供しています。
それでも仕事面では時間に追われ、毎日がやっと終わる。
心身ともに疲れていますが、ひとり完全にプライベートでは、とにかくゆっくり過ごすようにしています。
・朝に洗面で顔を洗うとき、掌で水を貯める様を見つめ、自分の丸み帯びた器を愛おしく見つめます。
・玄関の鍵をかける時、カ…チャ…。その音の余韻に浸ります。
・電気オフを確認する時、対象となるモノにお疲れ様と声をかけます。
全て、何回も確認しないようにやり始めた対策ですが、これがいいんです。
誰がみてるわけでもなく、この所作は私ひとりだけですが、大事にだいじにしています。
仕事以外の自分の自由な時間では、ゆったりと、一つひとつ、確実に実感しながら、行っています。
このような、はたからみたら、面倒で、時間のかかりすぎた、意味不明な行動は、とても理解しがたいものでしょうが、私にとっては、今生きている、この瞬間が何よりも、有難く、感じます。