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ほやって一体なんなのさ⁉︎
『ほや』を食べた息子が放った一言。
息子の口には合わなかったらしい。
そうねぇ、個性的な味だよねぇ。
でも、なんなのさ⁉︎って言われると私もわからないわ。
そこで調べてみると
ホヤは、尾索動物亜門ホヤ綱に属する海産動物の総称。2000種以上が知られる。「海のパイナップル」とも呼ばれている。 ウィキペディア
と出てきた。
えっ!ほやって動物なのね⁉︎貝じゃないんだ!
見た目もグロいし、世の中『食べた事ない』って人の方が多いんだろうなって勝手に思っているんだけど、どうなんだろう?
『あつまれ、どうぶつの森』でも海の幸として登場するくらいだし、案外メジャーな食べ物だったりするのかな?
私が初めてほやを食べたのは小学生の頃だった。
親戚の集まりでおじさんたちがお酒を飲み、盛り上がっているところで、
『ゆっち、食べてみろ』
そう言われて食べた。
ウニも、ホタテも殻付きのまま食べてきたから、ほやの見た目に関してもそんなに抵抗は無かった。
パクッと食べ『なんじゃこれ』とばかりに顔を歪めた私に、大人達は大いに盛り上がった。
味に関してはいまだになんと説明したらいいかわからない。
口いっぱいに広がる不思議な不味さ、ぐにょんとした食感、噛んでも噛んでも噛みきれなくて、小学生の私は泣きそうになりながらそれを飲み込んだ。
おばちゃんが笑いながら
『ほれ、お水。飲んでみな』
コップいっぱいの水を差し出してくれた。
そのお水の美味しさは、先ほど食べたホヤよりも衝撃的な美味しさだった。
お水なのに甘くて、美味しいのだ。
驚く私におばちゃんは
『お水、美味しいでしょ』
と笑った。
それからは、おとなのお酒の席に水を持参してお邪魔しては、まっずいホヤをちょろっと頂いて、お水をぐいっと飲み、お水の甘さを楽しんだ。
あくまでも美味しいお水を飲むためのホヤだった。
今年のゴールデンウィークに数年ぶりに実家へと帰った。
夕飯の席にはホヤも並んでいて、私は久しぶりにホヤを口にした。
久しぶりのホヤは自分が記憶していたよりも不味くは無くて…決して美味しかったわけではないんだけど、あれ?こんなもんだっけ?
ちょっと拍子抜けした。
私がホヤを食べているのを見て驚いたのは母だった。
『あれ?あんた、ホヤ食べられるの?』
そうか、母は親戚が集まる様なお酒の席では常に嫁として台所にいたから、私がお酒の席でちょこちょことホヤを食べては美味しい水を楽しんでいた事を知らなかったのか。
そして帰りに持たされたたくさんの食材達の中に冷凍のホヤが入っていた。
冷凍庫がいっぱいだったため、そのまま解凍したが、そのまま食べるには多すぎる量だった。
うーん、火を通せば何日か保つし、子供達も食べてくれるかもしれない…
実家で夕飯に出されたあの日、子供達も初ホヤに挑戦していたが、うへ〜となっていた。
水が美味しいんだよ、と水を飲ませてみたが
『水は確かに甘いけど…』それ以上に不味い、と不評だった。
料理サイトで検索すると
『アヒージョ』と出てくる。
アヒージョね、ちょうどシーフードミックスもあるし、良いかもしれない。
そして出来上がった『ホヤのアヒージョ』は、ホヤの独特のクセを見事に抑えてくれていて、これなら子供達も旦那も食べてくれるかも!
…と思っていたが…結果は惨敗。
シーフードミックスはキレイに食べられていたが、ホヤだけは大量に残されていた。
まぁ、いいの。
翌日、フランスパンに乗っけて、私が美味しく食べたしね。
そして本日、9月2日は息子の誕生日。
私の両親は刺身が大好きな孫のために、冷凍のサーモンとマグロの刺身を贈ってくれるのだが、今年はホヤも入っていた。
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『蒸しホヤだから、食べやすいわよ』
母はそう言っていたが、半信半疑で食べた息子は
『ほやって一体なんなのさ!』とキレていた。
やはり美味しいと感じなかったらしい。
でも食べやすい大きさに切られたこの蒸しホヤは、身が殻からするりと取れて、生のぐにゃりとした食感や弾力が無く、柔らかかった。
味も独特なあのクセも抑えられ、すごく美味しかった。
美味しかったんだけどなぁ。
それとも、歳をとってからわかる美味しさってもんなのかしら?
そういうのってあるよね。