やさしさとは
たしか小2の個人懇談のときだった。
(息子は小4の3月まで、地域の小学校に通っていた)
担任の先生が、息子と同級生のAちゃんが口論していた、と教えてくれた。
そして
「とても素敵な関係だなーと思って、見守ってしまいました」
給食の時間のこと。
エプロンを着てマスクをつけるときに、息子が同級生に「マスクつけて」とマスクを耳にかけるのを手伝ってほしいとお願いしたそうだ。
するとそれを聞いていたAちゃんが
「Kくん(息子のこと)、自分でできることは自分でやって」
と言った。
息子は
「できないもん(マスクを自分でつけること)」
と反論し、
Aちゃんは
「できる!」
と言った。
その後、「できる」「できない」で、しばらく口論が続いたそうだ。
Aちゃんは、保育園時代5年間一緒に過ごした幼なじみ。
1歳児のあひる組から年長のぞう組まで、ずっと一緒に育ってきたから、息子のことはよくわかっている。
そして小学校で同級生になったとき、他の誰よりも息子のことを気にかけて手伝ってくれていた。
保育園のときから、息子はクラスの誰よりも発達が遅かった。
歩くことから始まってすべてが遅く、もしくはできなかった。
それでも、パジャマのボタンを自分で留めたり、はずしたりできるようになったのは、保育園のみんなに応援してもらったからだと思う。
保育園でのある日、保育士の先生が昼寝前に息子のパジャマの着替えを手伝おうとした友だちに言ったそうだ。
「みんなはKくんがずっと自分で着替えられなくても良いと思う?今日はKくんが自分でできるように、みんなで応援しようよ」
応援してもらった息子は自分で着替えを頑張ったそうだ。
そして、できることが一つ増えた。
Aちゃんはその見守るやさしさを覚えていて、それを実践していたんだろう。
大人でも難しい、信じて見守る「やさしさ」を。
だから本気で息子と口論してくれたんだと思う。
息子が自分で「できる」と信じてくれていたんだと思う。
Aちゃん、元気ですか?
きっと素敵な中学生になっているだろうね。
いつかまた会いたいです。
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