良くも悪くも
良くも悪くも、言霊ってもんがあって。
病気で入院した親戚の見舞いに行き、したり顔で馬鹿にしながら
「上げ膳据え膳でいい御身分だよなぁ」
と言い放った父は、アルツハイマーや痴呆症やらで介護が必要になり、上げ膳据え膳になった。
「何もしないで、何も考えないでゴロゴロしてボーッとしていたいわ」
など常々言い続けて、ろくに動かず怠けることを最優先にしていた母も、脳梗塞や認知症で老人ホームで寝たきりになった。
「誰にも会わないで家にずっといて好きな事だけしていたいわー」
など言っていた姉は、難病で寝たきりに近い状態になり、部屋から出たくても出られない。
毎日介護の人には会うから「誰にも会わない」は未だ叶ってはいないが。
願いは叶ったのか。
そして、それは幸いだったのか。
こんなはずじゃなかった、と思っただろうか。
神様から見たら「言った通りにしてやっただろう?」と思うのだろうか。
なりたい未来を何処にするか、と
現実逃避の愚痴は違うのだろうけど。
それでも、良くも悪くも言霊はあるのだ。
うちの家族を見てると思う。