東京の大手新聞社に新卒で入社した話。
新卒で東京の大手新聞社に入社した私。
私みたいな人間が入社できるなんて到底思っていなかった。
地元の地方紙に入社することを目標にして大学2年生からインターンに参加するなどして顔を売り、就活をしてきたわけだけど、面接で力が入りすぎたのか、次々と送られてくるお祈りメール。
そしてなぜか、とりあえず受けておくかと軽い気持ちで受験した大手新聞社の1時面接を通過。2時面接もなんなく通過。最終面接も役員の笑いをとって見事通過。
4月。晴れて、某新聞社の一員として働き始めることとなりました。
今思えば、まわりは、関東出身者や大学進学と同時に関東圏に住んでいる人がほとんどで、生まれも育ちも生粋の東北人というのがもの珍しくて面接官の記憶に残った、ただそれだけの理由だったのだろう。
縮小産業とはいえ、ネームバリューはそれなりにある会社なので、受験者もそれなりにいて、面接官は何十人という学生を面接しているうちにみんなじゃがいもに見えてきていたのだろう。そのうち、私は里芋くらいに見えていて、頭の片隅に残った、そのぐらいのものだろう。
入社したのは、2020年4月。
不運なことに、コロナが蔓延し、新入社研修もオンラインでの実施となった。
大変苦痛だったのは、オンライン懇親会なるものだった。ある程度関係性ができている人とのオンライン飲み会はそれなりに楽しい。
しかし、入社前の内定者懇親会でなんとなく顔を見たことがあるレベルのの人たちとの懇親会。
誰が会話を回していくの?
この話に対して誰が応答するの?
沈黙が、気まづいかも…。
とそこにいる誰もが思っている、
さぐりさぐりの会話。気ばかり遣い、楽しいはずもなく、時計の針は人事部が目安に設定した時間よりも25分も早かったけれど、
次の日も研修が続くということで切り上げることになった。
これぞ、ありがた迷惑という感じだった。
入社して1週間。眠気と闘ったオンラインの研修が終了した。