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「イッタラ展」透き通る美学と哲学

渋谷「Bunkamura ザ・ミュージアム」にて開催中の「イッタラ展 フィンランドグラスのきらめき」に行ってきました!

洗練されたデザインと使い勝手の良さが特徴の人気ブランド「iittala」の、企業の歴史や支えてきたデザイナー、美学など様々な視点からイッタラを捉えた今回の展示。ガラスや食器にはあまり詳しくない私ですが、フィンランド特有の文化やガラス細工を通じた哲学はとても興味深く、とても見ごたえのある展示でした。

柔軟なプラット・フォーム

イッタラのデザイナーたちの経歴は様々で、それぞれの特性を活かしながら北欧のガラス文化に新しい風を吹かせ続けました。
実用性を追求するだけでなく、「重ねたときの美しさ」や「使われる場面」などにこだわって自由なスタイルを切り開いていくデザイナーたちが伸び伸びと創作活動できたのは、イッタラの柔軟な社風と優秀なガラス職人たちによるサポートがあったからでしょう。

型でつくる

ガラス作品の鋳型は金属でできていると思っていたのですが、意外にも木材を使用しているものもあるらしく、木製の鋳型で作られたガラス製品は微細な木目を反映し緩やかに光を屈折させるため、淡い色合いとゆらめくような光彩がとても美しかったです。型の素材によって同じモデルでも印象が全く違うのが興味深いですよね。

スーパーナチュラルとの対話

フィンランドの自然は豊かで、広大で、美しい。張り詰めた冷たい空気や滔々と流れる河や滝、凍てつく雫は、柔らかな日差しをうけて幾何学的に屈折した光を放つガラスに通じるものがあります。
人々の文化的ルーツに眠るエスニックな精神を反映したアーキテクトは、見れば見るほどに雄大で飲み込まれそうなオーラを放っており、フィンランドの自然そのものとも言えます。

本質

伝統とモダン、ハレの日と日常の間を目指したこのシリーズには、「本質」というタイトルが。洗練されたフォルムは日常のどんな場面でもさりげなくハイセンスな佇まいを見せ、あえて主張しすぎないシンプルなデザインが、食卓に並ぶ食材たちを際立たせます。ベーシックなアイテムだからこそ、時と場所を選ぶことなく常に主役をより魅力的に見せる、これこそが食器の本質ということでしょうか。デザイナーの美学と哲学がガラスを通して見えて、感動しました。

開催は11/10まで。この機会に一度足を運んでみては。

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