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ケモノ界隈に勧めたいTRPGシステム
ケモノ界隈だとイマイチTRPGが流行っているイメージが無いのですが実はケモノ系キャラを使えるTRPGと言うのは沢山あったりします。
現在、少なくとも日本国内においては「クトゥルフ神話TRPG」の影響が強く、「TRPG=クトゥルフ神話TRPG」みたいな認識をされてしまいがちで
「TRPGでケモノキャラを使う」と言うイメージが沸きにくいのかもしれません。
私自身ここ最近TRPGにハマったので、わかる事もあるだろう、と言うことで。
ケモノ界隈にも勧められそうな種族を使えるシステムを知っている限り紹介します。
ケモノと言っても所謂「ケモ度」の好みはそれぞれあると思うので、その辺に関しても触れて行きます。
ちなみにケモ度の基準はその手の界隈の人間なら大抵見た事があるであろう「ケモ度の階段」のあの画像です。
検索すればすぐに出るでしょう。
(所謂タウル系みたいなのもあったりして、実際にはあれだけでキッチリ分け切れる物ではないんですが、他に共通認識が取れそうな基準がないので…)
ちなみに「クトゥルフ神話TRPG」等、進行役が認めればフレーバー上獣人種族としても良い、と言うのは無しにします。
それを認めてしまうともう何のシステムでも良い、と言う話になってしまうので…
あくまで公式のルールブック上での世界観を基準として解説します。
サプリメントの追加データに関しては知っている範囲で軽く触れます。
ちなみに、所謂竜人タイプの種族も含みます。
サメなどもケモノ界隈では一定の人気はあるのでここで紹介する範囲に含めます。
基本的に哺乳類系の種族以外も幅広く含める方針です。
ただし、獣耳と尻尾だけ(ケモ度の階段で言う所のケモ度1相当)は含みません。
情報を頂いたシステムやサプリも順次紹介を追記しています。
ただ、筆者が全てのルールブックを確認出来る訳ではないので、あくまで調べた範囲での物になります。
「そこは違うよ!」と言う突っ込みがあればXでこっそり教えてください…
ソードワールド2.5
グループSNEによる古参の国産TRPGシステム。
所謂剣と魔法のファンタジーを扱ったシステムの中では筆者自身の観測圏内では一番メジャーです。
ルールブックも文庫本故に安価で、文房具屋でも売られているような6面サイコロで遊べるのでオフラインでも準備は手軽な部類。
ルールブックはIだけでも遊ぶ事は可能ですが、オンラインでの募集ではIIIまで揃える事を要求される卓も多いです。
ルールブックはIだけで990円程、IIIまで揃えると3000円程度。
以下にこのシステムで選択出来るケモノ系種族を解説。
タビット
ケモ度:3(解釈によっては2?)
ルールブックIに収録されている、二足歩行型の兎型の種族です。兎と言いつつ肉球はあるらしい。
ゲーム的な種族の特徴としては知力が高く、魔法職向け。種族特徴として冒険者レベルと知力を基準とした危険感知判定を行えるので、罠にも引っ掛かりにくい。
その代わり知力と精神力以外からっきしなので出来ないこともないが前衛は厳しくなりがち。
ちなみに、サプリメントのアーケインレリックを導入するとタビットの希少種を選択可能になります。
リカント
ケモ度:1~2、若しくは3?
ルールブックIに収録されている種族。基本的にはケモ度は1に相当する外見ですが、種族特徴により頭部を肉食獣の物に変形させる事が可能。
ゲーム的には敏捷度が高くなりやすく、所謂「避けタンク」向け。
ただし種族特徴を使うと「リカント語」しか話せなくなるので、魔法職との相性はやや低めです。
基本ルールブックの範囲では肉食獣の種族のみですが、サプリメントのアーケインレリックを導入すると大型草食獣リカントや小型草食獣リカントも選択出来ます。
リルドラケン
ケモ度:2~3
ルールブックIIに収録されている種族。所謂竜人タイプの種族です。
(竜はケモに含まれるのか?…と言う問題はありますがこの記事では取り上げる対象にしておきます。)
フレーバー的には社交性が高く、商人をやったりするリルドラケンも多いらしい。
ゲーム的には硬い鱗でデフォルトで防護点を1点持っているうえ、生命力がかなり高いのでそうそう倒されません。パーティに一人いると非常に頼れるタンクになります。あと、時間制限付きながら飛べる。
サプリメントのアーケインレリックを導入すると所謂「ファードラ」系の希少種なんかも使えたりします。
ダンジョンズ&ドラゴンズ
1974年初出の「世界で最初のロールプレイングゲーム」
現在は5版が最新です。
自分で触れる機会が少ないので情報少なめです。わかる人が居たら寧ろ教えてください…
ドラゴンボーン
ケモ度:2~3
プレイヤー向けルールブックであるプレイヤーズハンドブック収録。
先述のソードワールド2.5でのリルドラケンに相当する竜人タイプの種族です。
ヘアレンゴン
ケモ度:3
サプリメントの「ウィッチライトの彼方へ」に収録されている種族。
二足歩行の兎の種族です。
これもイメージとしてはソードワールド2.5のタビットに近いです。
ダブルクロス
現代異能系アクション。所謂厨二プレイが捗るタイプのシステムです。
現在は3rdが主流。
基本的には人間種族ではあるものの、ルールブックIIに収録されている「レネゲイトビーイング」と言う体裁にすれば一応ケモ度自由でケモノ系の外見にすることは可能です。
此方も筆者が触れる機会が少ないのであまり多くの情報はありません…
夜のあしあと
ケモ度:5
夜の街を猫になって夜回りするシステムです。
使えるキャラクターは当然猫。
猫たちは気分屋で思い通りに動けなかったり、「人間なら当たり前に知っているが猫たちは知らない概念」を何とか伝え合ったり…
ちょっと不思議な夜の世界を猫の目線で見る、と言う趣旨で中々面白い要素が多いです。
歯車の塔の探空士
ケモ度:1~3
通称、スカイノーツ。元々同人システムでしたが、商業出版化されています。
大地を失った世界で飛空艇で空を旅するシステムです。
獣人タイプの種族として「ファーリィ」が収録されています。
ゲーム的には生命力が高めです。
尚、ゲーム上は「モダンタイムズ」が所謂普通の人間に相当する種族として設定されてはいますが、世界観の設定上は厳密に言えば「世代を表す言葉」とされているので「モダンタイムズのファーリィ」も世界観的には可能です。
マモノスクランブル
ケモ度:1~5
比較的新しめで軽めのルールで遊べるモダンな感じのシステム。マモノと人間が共存する架空の〈東京〉が舞台で、マモノキャラクターで遊びます。
シリアスなシナリオも可能ですが、公式のノリとしてはどちらかと言うとコミカル寄り。
なんと種族が「自己申告制」と言う珍しい方式で、マモノであればどんなキャラクターでも作成できます。
基本的には「人間と同等の意思疎通ができる人外キャラ」であればマモノと言える世界観なので何でも構いません。
ゆうやけこやけ
ケモ度:0~1、5
日本の田舎町を舞台に変化と呼ばれるちょっと不思議な力を使える動物になって遊ぶシステムです。
戦闘は事実上存在せず、困っている人に寄り添ったり、他の変化、土地神様と言った存在と交流したり…と言った感じで「優しい」システムです。
判定にダイスを使用しない、と言うのも特徴的。
ロールプレイを重視したシステムと言えるでしょう。
使える種族は基本ルールブックの範囲で狐、狸、猫、犬、兎、鳥、鼠で
サプリメントを導入することで蛇、蜘蛛、百足、狼、龍、獺…等々、様々な種族が増えます。
本来の姿がケモ度5に相当する姿ですが、ケモ度0~1に相当する姿に変身することが出来ます。
動物の姿でそのまま人間と話すと「びっくり」されてしまいます。
ですが、仲良くなって正体を知っている相手であればそのままの姿で話しても良いかもしれません。
マウ連合君主国
ケモ度:2~3
猫獣人が暮らすファンタジー世界のシステムでパグマイアの続編的なシステムです。
夜のあしあとと比べると獣人型。
(ちなみにパグマイアは犬獣人がメインです。ルールブック未所持なので内容は詳しく確認出来ず)
ダンジョンズ&ドラゴンズと基本ルールの多くが共通しているので経験者は馴染みやすそうです。
第六猟兵TRPG
ケモ度:1~5
トミーウォーカーが運営するプレイバイウェブと呼ばれるジャンルの同名ゲームを原作とするシステムです。
展開が特殊で、複数ある世界ごとにルールブックが出版されていますが、組み合わせて遊ぶことも出来ますし、1冊のみで遊ぶことも出来ます。
基本のルールはどの世界のルールブックも同じで、収録されている種族などが異なります。
それぞれすべてのルールブックが独立型サプリメントのような性質を持っていると言えばわかる人にはわかるかもしれません。
システムとしてはゲーム的な数値データはレベルのみで、キャラクターが使う技は文章のみで表されるという超文系なシステムです。
しかもこの文章は一定のルールで「フリーワードで」書き換えられるという他のシステムとは一味違った自由度を味わえます。
此処ではケモノ系の種族を使える世界のルールブックを全部ではありませんが軽く紹介します。(全部紹介すると多すぎるうえ、ケモノ系の外見に出来得る可能性のある種族も含めると書ききれないので)
ちなみにアマゾン専売です。
尚、以下に紹介するのはTRPG版が登場している世界です。
未TRPG化の世界だと「獣人戦線」と言う世界があります。
データ上の有利不利は無いシステムなのでGMの許可があれば使用可能ではありますが、くわしい紹介は省きます。
ダークセイヴァー
恐らく元ネタはダークソウルなどのダークファンタジー世界。ケモノ系の種族としては「人狼」が使えます。
アルダワ魔法学園
魔法学園、スチームパンクな要素もちょっとあり。雰囲気としてはハリーポッターよりはクイズマジックアカデミーとかその辺が近いかも。ケモノ系の種族としては竜人タイプの種族の「ドラゴニアン」
二足歩行の猫の姿をした「ケットシー」が使えます。
サムライエンパイア
江戸時代の日本をモデルにした世界。
狐の種族である「妖狐」が使えます。公式のイメージイラストでは獣耳に尻尾の姿をしていますが、実際のケモ度に関しては自由です。
キマイラフューチャー
人類滅亡後の近未来の世界、恐らく元ネタはスプラトゥーン。
様々な動物の特徴をかけ合わせた「キマイラ」の他、「バーチャルキャラクター」もケモノ型OKと公式に明言されています。
アリスラビリンス
不思議の国のアリスが元ネタの世界。無数の「不思議の国」が繋がってできた、奇妙な複合世界…らしいです。
ケモノ型が可能な種族としては「時計ウサギ」が居ます。
「愉快な仲間」もケモノ型の外見も可能でしょう。
アポカリプスヘル
ポストアポカリプス系な世界。
「賢い動物」が一応ケモノ型種族に相当すると言えるかもしれない。
公式想定のケモ度は5に相当します。
グリードオーシャン
海と海賊の世界。「ワンピース」よりはどちらかと言うと「パイレーツオブカリビアン」寄りな雰囲気です。
「深海人」がケモノ系種族に相当する…と思います。
アニマラス
ケモ度:3程度
K-monogramと言うサークルが制作しBOOTHで販売されている同人システムです。
PCは原則獣人で人類滅亡後の世界で遺跡に潜る「盗掘者」としてプレイします。
「肉食獣」「雑食獣」「草食獣」からの選択が可能です。
実質的に獣人であれば種族の縛りはほぼありません。
常夜国騎士譚RPG ドラクルージュ
ケモ度:3程度
Xにて情報を頂いたシステムです。
真祖・ドラクルによって悪しき太陽が滅ぼされ永遠の夜が続くこととなった世界を舞台に、みなで優雅で耽美な物語を作りあげて楽しむゲームです。(公式説明の引用)
吸血鬼の力を持つ騎士がPCらしい?
基本ルルブの範囲では人間型ですがサプリメントのヘルティカノワールを導入すると人狼型種族のヴルコラクと猫獣人型種族のグリマルキンを使用可能になるようです。
作者が上述のゆうやけこやけと同一の方なのでRP重視な印象、RPを支援するルールも用意されているようですね。
セリアンソロピートライブス
ケモ度:3程度
Xにて情報を頂いたシステム…と言うよりは上述のダブルクロス3rdの非公式サプリメントです。
Mon-Fiction Creatorsと言うサークルが出しています。
獣人キャラで遊べるステージらしい?
筆者自身がダブルクロスにあまり明るくないというのもありますが
基本ルルブ環境で利用可能なのか、EA導入必須なのか、など細かい情報は筆者自身が注文した後届き待ちの状態故に内容を確認していないので不明です。
BOOTHで購入出来ますがPDF版は今のところは無いようなので気になる方は早めに確保しておいた方が良いかもしれません。
追記
入手したので確認。基本ルルブ1と2、上級ルールブック、エフェクトアーカイブ、楽園のイヴの各種サプリメントの使用を前提としているようです。
小さな勇者のRPG ウタカゼ
ケモ度:3~4?
オンセンにて情報を頂いたシステム。
身長20センチ程度の小さなウタカゼとして冒険をするファンタジー系のシステムです。
基本ルールブックの範囲では「コビット族」しか使えませんが、サプリメントのレベルアップブックを導入することによりネズミ族、イタチ族、カエル族、リス族、モグラ族が
キャラバンを導入することによりハリネズミ族、トカゲ族が使えるようになるようです。
ゴブリンスレイヤーTRPG
ケモ度:1~3?
オンセンにて情報を頂いた同名のライトノベルを原作としたシステム。
基本ルールブックで蜥蜴人、サプリメント導入で獣人が使用可能。
獣人の種族は何でも良いらしく、フレーバー面での自由度は高い部類と言う印象です。
原作に関しては筆者が未履修であることもあり、原作再現度などは不明です。
ファンタズム・アドベンチャー
ケモ度:3程度?
こちらもオンセンにて情報を頂いたシステムです。
頂いた情報によると…
アヌビン(犬人間)、ホークマン(鳥人間)、バグベア―、サチュロス(ケンタウロス)、フェルゼンティ(猫人間)、ラビットマン(ウサギ人間)、ミノタウロス、リザードマン、スラス(カマキリ人間)、イムラ―(小熊人間)、クローカー(蛙人間)…と、ケモなんだかよくわからない種族も居ますが種類は豊富です。
惜しむらくは古いシステム故に絶版で入手困難な点…
図書館に在庫がある所もあるらしいですが、購入となると厳しいかもしれません。
JUSTIFIERS
ケモ度:3程度
こちらもオンセンにて情報を頂いたシステムになります。
宇宙開拓時代を舞台にしたSF系の世界観のようです。
海外のシステムで翻訳されていないので日本人が遊ぼうと思うと語学力が必要になりそう…そもそもルルブの入手が出来るかどうか?と言う問題もありますが。
調べた限りではドイツ語のようです。
AIによる翻訳の精度も上がった今なら何とかなる…のかな?
トーグ・エタニティ
ケモ度:3程度?
Xにて情報を頂いたシステムです。
異世界侵略者の同時多発侵略から地球を守るため各世界から集まった勇士が戦うマルチジャンルTRPG、らしいです。
少し見たところSF系?
基本ルルブの範囲では爬虫人のエディーノスが使用可能。
未訳のサプリメントも含めればバイオキメラ、地上ナマケモノ、サイキック猫…と、様々なケモノ系の外見が可能な種族が使えるようになるようです。
オマケ:TRPGの近接ジャンルであるPBW
TRPGの派生として、文章で行動を宣言して行動の結果が小説形式で返ってくるPBW(プレイバイウェブ)と言うゲームもあります。
上記で紹介している「第六猟兵TRPG」の原作もこのジャンルのゲームです。
キャラ設定の自由度はTRPGとあまり変わらず、ケモノ系種族も使えるゲームもあるので此方も軽く紹介します。
基本的にシナリオ参加は有料で、イラストも自分ではアップロード出来ず所属している絵師さんに依頼して描いて貰う形式となります。
結構お金がかかるのでプレイは計画的に…
尚、筆者はトミーウォーカーの作品しか触っていないので他社のゲームに関しては情報は殆どありません。
第六猟兵
「第六猟兵TRPG」の原作となるゲーム。当然ですが世界観もTRPG版と同じです。
元々世界が数多く存在するのでケモノ系種族もその分多いです。
TRPG版の説明でも軽く触れていましたが、「獣人戦線」の世界は当然ですがケモノ系種族が豊富です。
獣人、と言いつつケモ度は1~5、或いはタウル体形も可能です。
公式に獣人階梯と言う言わばケモ度の基準が用意されているので、絵師に依頼するときにもイメージのミスマッチが起きにくいのはありがたい所。
何気に「ケモ度の階段」の画像とは異なり数値が高い程ケモ度が下がる、と言う真逆の関係になっているのでイラスト依頼の時は間違えないように気を付ける必要があります。
ルートエデン
複数の世界・キャラクター・能力が入り乱れる【マルチバース現代伝奇】(公式説明の抜粋)
システムとしては第六猟兵と大差はありません。
獣人階梯の基準もそのまま第六猟兵の物を踏襲しています。
記事作成時点で新作として稼働し始めたばかりなので、第六猟兵から結構人が流れている印象です。
(ちなみにチェインパラドクスと言うゲームもこのゲームより前に稼働を開始していますがシステムや方向性の違いもありそれほど一気に第六猟兵から人が流れた感じはありません。何よりケモノ系種族がほぼ使えないので…)
ケモノ系の種族としては「狼獣人」が居ます。
「狼しか種族は居ないのか…」と思われるかもしれませんが、実はこのゲームの一部の種族名はフリーワードで変更できる部分があり
狼獣人の場合は狼の部分が20字以内でのフリーワード入力可能枠となっています。
その為、猫獣人でも兎獣人でも狐獣人でもどんな種族の獣人でも行けます。
後書
ケモノ系種族を使えるシステムは多くありますがケモノ界隈の中では今一つ存在感が薄めな印象を受けるTRPG。
「もっと流行っても良いんじゃないかな」と言う事で筆者自身が知っている範囲で情報を纏めました。
筆者自身が知らないシステムに関しては情報を頂ければ追記するかもしれません。