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「こころ」夏目漱石 テスト問題(前半)

現役国語教師である〝国語村長〟が、定期テストの予想問題を作成いたしました。学習の参考にしてください。(※あくまで参考でお願いします。みなさんに直接教えている先生の授業内容を優先してください。)

教科:文学国語
教科書:明治書院(他)
ジャンル:小説
テキスト:『こころ』
著者:夏目漱石

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【語句の問題】 
問一、傍線a「バクゼン」、e「ヨユウ」、i「ショウコ」、j「ショウド  
   ウ」をそれぞれ漢字に改めなさい。
問二、傍線b「平生」、c「はばかる」、d「悄然」、f「侮蔑」、g「刹
   那」、h「居直り強盗」の本文中での意味として最も適当なものを、
   あとの選択肢からそれぞれ選び、記号で答えなさい。
b「平生」 
 ア いつも  イ これから  ウ かつて  エ ときどき
c「はばかる」
 ア 邪魔をする  イ 批判する  ウ 受け入れる  エ 遠慮する
d「悄然」 
 ア 焦る様子  イ 困っている様子  ウ 元気がない様子  
 エ 腹を立てる様子
f「侮蔑」
 ア 見下すこと  イ 憎むこと  ウ 嫌うこと  エ 遠ざけること
g「刹那」 
 ア 静かな時間  イ わずかな時間  ウ 大切な時間  
 エ 不安な時間
h「居直り強盗」 
 ア 盗みに入った者が家人に見つかり、急に態度を変えて強盗になること。
 イ 盗みに入った者が家人に見つかり、何事もないかのようにそのまま居  座ること。
 ウ 盗みに入った者が家人に見つかり、自分の行為を振り返り、反省すること。
 エ 盗みに入った者が家人に見つかり、自分は強盗ほど悪くないと開き直ること。
 
問三、傍線①「Kの胸に一物があって」とありますが、このときKが抱いて
  いた感情の具体的な内容を文中から十九字で探し、最初の五字を抜き出
  して答えなさい。

問四、傍線②「実際的の方面」とありますが、この説明として最も適当なも
  のを次から選び、記号で答えなさい。
 ア 恋愛の感情を、「お嬢さん」に対して具体的な言動として示そうとすること。
 イ 「お嬢さん」に恋をしてしまったことを、裏切りとして謝罪しようとすること。
 ウ 恋愛問題に悩む自分に対して、学問や求道の立場から解決を求めること。
 エ 恋愛問題も学問・求道の問題もすべて清算して新しい道を選ぼうとすること。

問五、傍線③「平生と異なる点」とありますが、どのような点が平生のKと
  異なるのか。「普段のKは~だが、今回は~という点。」という形式で
  述べなさい。

問六、傍線④「進んでいいか退いていいか、それに迷うのだ」とあります
  が、このときの「K」の気持ちの説明として最も適当なものを次から選
  び、記号で答えなさい。
 ア お嬢さんが自分の求愛に応じてくれるかわからない不安。
 イ お嬢さんが自分以外の者を愛していることへの疑い。
 ウ お嬢さんへの恋を一時的な心の迷いだと思う自信のなさ。
 エ 自己の理想をいつも曲げずにいたことへの誇り。
 オ お嬢さんへの恋心を抑えたくても抑えきれない苦しさ。

問七、傍線⑤「彼はただ苦しいと言っただけでした」とありますが、このと
  きの「K」は、自己をどのような人間だと認識していましたか。それを  
  示す語句を文中から十七字で探し、最初の五字を抜き出して答えなさ
  い。

問八、傍線⑥「そのときの私は違っていました」とありますが、
(1) 「私」は本来の自分をどのような人間だと認識していましたか。そ
  れを示す語句を文中から十七字で探し、最初の五字を抜き出して答えな
  さい。
(2) (1)で答えた認識とは対照的な「私」の心理を表す言葉を文中か
  ら三字で抜き出して答えなさい。

問九、傍線⑦「彼の保管している要塞の地図を受け取って、彼の目の前でゆ
  っくりそれを眺めることができたも同じでした」とありますが、この表
  現の説明として最も適当なものを次から選び、記号で答えなさい。
 ア これまで平行線だった互いの主張を詳細に検討し、Kを論破する方法を思いついたということ。
 イ 相談してきたKの心情を観察し、彼の悩みの原因を詳細に把握することができたということ。
 ウ Kが守ろうとしている脆弱な自尊心をさらけ出し、彼を打ち負かすことができたということ。
 エ 攻略すべきKの心情をじっくりと観察し、彼を打ち負かす方法を考えることができたということ。
 オ 珍しく口数の多いKを相手にし、知るよしもなかった秘密を聞き出すことができたということ。

問十、傍線⑧「理想と現実」とありますが、この内容の説明として最も適当
  なものを次から選び、記号で答えなさい。
 ア 厳重に向上心を持つべく努めることと、つい自分を甘やかしてしまうこと。
 イ 常に向上心を保ち続けていくことと、恋をあきらめなければならないこと。
 ウ 禁欲的で厳しい生活態度を維持することと、お嬢さんへの恋に陥っていること。
 エ 道のために恋ができないことと、一度生じてしまった恋と道を両立させること。
 オ 禁欲に努めて精進することと、人間的な欲望を隠さずあらわにすること。

問十一、傍線⑨「房州」は現代の何県か、次から最も適当なものを選び、記  
   号で答えなさい。
 ア 山梨県  イ 茨城県  ウ 千葉県  エ 栃木県  オ 群馬県

問十二、傍線⑩「精神的に向上心のない者はばかだという言葉」とあります
   が、「私」が「K」に対してこの言葉を言い放った理由を文中から二
   十字で探し、初めの五字を抜き出しなさい。

問十三、傍線⑪「Kにとって痛いに違いなかったのです」とありますが、こ
   の理由を説明した次の一文の空欄に入る最も適当な語句を本文中から
   二字で抜き出して答えなさい。
 「精神的に向上心のない者はばかだ」という言葉は、「K」にとって自分の(   )を非難されるものだったから。

問十四、傍線⑫「僕はばかだ」とありますが、「私」はこの「K」の言葉と
   そのときの態度をどのように受け取ったのか。その説明として最も適 
   当なものを次から選び、記号で答えなさい。
 ア 打ちのめされている「K」の姿に後悔を感じたが、自分の思いを遂げるためには仕方ないと割り切ることにした。
 イ 開き直ったような「K」の態度を一度は不審に思ったが、あまりの弱々しさにそれが取り越し苦労であったと気が付いた。
 ウ 動きを止めてただ一点を見つめる「K」の内心は想像がつかず、そのうえ視線を合わせてくれないことにいら立ちを感じた。
 エ 自分の主張を「K」が素直に受け入れたことに得意になり、これからどのようにして追い打ちを掛けようかと思案した。

問十五、傍線⑬「狼のごとき心」とありますが、それはどのようなものか。
   この説明として最も適当なものを次から選び、記号で答えなさい。
 ア 欲望で理性を失って、極めて危険なことをする心。
 イ ずる賢く立ち回り、自分の言動の責任をあいまいにする心。
 ウ 無遠慮に見えながら、実は相手の気持ちを思いやる心。
 エ どんな手を使ってでも、自分の目的を果たそうとする心。

問十六、傍線⑭「覚悟」とあるが、ここではどのような意味で使われている
  か。最も適切なものを、次から選び、記号で答えなさい。
 ア 信条を守り抜き、お嬢さんへの恋を断念する覚悟。
 イ 信条を捨て、お嬢さんへの恋に突き進む覚悟。
 ウ 信条に反した自分を、自分で断罪する覚悟。
 エ 信条に反した自分の罪と向き合い、一生背負う覚悟。

問十七、傍線⑮「平生の主張」とはどのような主張か。本文中から十八字で
   探し、最初の五字を抜き出して答えなさい。

問十八、傍線⑯「覚悟――覚悟ならないこともない」とありますが、「私」
   はこの後、Kのこの言葉がお嬢さんへの恋愛に発揮されるものと一方
   的に思ってしまいますが、それはKのどのような性格から生じた誤解
   だと考えられるか。そのKの性格が表現されている一続きの二文を文
   中から探し、最初の五字を抜き出して答えなさい。

問十九、傍線⑰「寒さが背中へかじりついたような心持ち」には、「私」の
   Kに対するどのような気持ちが含まれているか。その説明として最も
   適切なものを次から選び、記号で答えなさい。
 ア 自分の恋の利益を守るためにKをやり込めたことへの後ろめたさ。
 イ Kの覚悟を目の当たりにしたことで感じた、強敵と対峙する恐ろし さ。
 ウ お嬢さんを手に入れるためにKを追い込んだことへの高揚感。
 エ Kを自殺にまで追い込んでしまったことへの申し訳ない気持ち。

問二十、傍線⑱「双方の点」とありますが、これが指している二つの語句を
   それぞれ五字以内で抜き出して答えなさい。

問二十一、傍線⑲「私は何だか変に感じました」とありますが、このときの
   「私」の気持ちの説明として最も適当なものを次から選び、記号で答
   えなさい。
 ア 欺かれていながら「私」を気遣う「K」を愚かに思う気持ち。
 イ 何の脈絡もない会話をする「K」を心配する気持ち。
 ウ 意図がよくわからないことを問う「K」を怪しむ気持ち。
 エ 満足な返事をしてくれない「K」を憎む気持ち。

問二十二、この場面で「私」のエゴイズムはどのように現れているか。それ
    を説明した次の文の空欄にあてはまる言葉をAは四字、Bは一字で
    文中から抜き出して答えなさい。
( A )への自分の恋心を成就させるため、「K」の( B )につけ込み、「K」の恋の行く手を塞ごうとしたこと。


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