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被告・佐藤章氏の裁判を傍聴して

1月17日、フリージャーナリスト・烏賀陽弘道氏が五月書房取締役・佐藤章氏を訴えた裁判(一月万冊裁判)を傍聴しに東京地裁へ行きました。

どういった経緯で烏賀陽氏が訴えたのかについては、いままで氏がご自身の配信チャンネルで語られています。
近々のはこちら。


まず最初に、自分がこの裁判を傍聴しようと思った経緯を記します。

ワタクシは一月万冊の配信で初めて烏賀陽氏を見知るようになり、以来、氏の書籍を買ったりするようになった者です。
同時に、その頃からなんとなくでも、一月万冊配信の「変貌」を現在までに見聞きしていれば、自ずと今回の裁判に興味を持つことになるでしょう(まず、ここを見られる大概の方は理解されると思います)。

ということで、烏賀陽氏の起こされた裁判に興味を持ちはしましたが、実際に直接行ってみよう、といった感覚までには、いままで至らなかったです。
ただ今回の、佐藤氏側の聞き取りをおこなう、しかもその場に烏賀陽氏も同席というタームは、とても稀な機会と思い、半ば野次馬心(失礼)も手伝って、これは行ってみよう、と思った次第です。
同時に、個人的には裁判の傍聴自体が初めてのため、その日が迫るにおいては、けっこうワクワク感(笑)はあったのですが、当日、裁判所に到達、開廷の時間が迫る30分前ぐらいから、傍聴するだけのくせに、なぜかお腹が痛くなってしまいました(苦笑)。

そんなゲスでド素人のワタクシ、今回の裁判のファーストインパクト的印象を大まかに語りますと。
好印象に思った人物は、まず裁判官、それから被告側の弁護士、西脇亨輔氏。

西脇亨輔氏はいままで烏賀陽氏の配信でも述べられていましたが、実際拝見してみたら、有名人じゃないですか(元テレビのアナウンサーでしたから)。
それから実際の佐藤氏等の陳述における質問は、オールラウンドに多角的で、要するに素人目でも、ザ・弁護士、って感じで。
とても好印象だったので、烏賀陽氏の配信でも紹介されていた西脇氏の本『孤闘』を後日、ジュンク堂で購入しました。


裁判官も、あくまでもこちらの印象ですが、一々の発言、それからそもそもの存在感が、とてもフェアな印象を醸しておりました。
これは、原告・被告、双方とも、ある意味安心して裁判を任せられるのでは、といった心理に落ち着けるのではないかと。

コチラの持つ〝俗な裁判官〟の印象、かつて森友加計学園問題の国会召集無視という「憲法違反」の有無を濁すような、いわゆるまっとうな判決をしない裁判官、といった偏見をもって今回の裁判に臨んでしまいましたが……すいません(笑)。
まあ、そんなに大げさな権力が関わらない事件に関しては、割とフェアな精神で裁判が行われる、ということなんでしょうか(こんなこと書いちゃっていいのかな)。

ということでこの裁判、初心者が傍聴するには、実はとても不向きな内容ということを前提としてお話を進めます。

まず法廷の場所ですが、他はもちろん知らないけれど、とりあえず狭いです。傍聴席も10席2列で20席ほど。
よく法廷ドラマで観られるように、原告、被告の席は裁判官を中央に見て両側に分かれますが、陳述席が、その両側に分かれた席と、目と鼻の先です。

被告のもう一方、杉原氏の陳述最中に、烏賀陽氏が何か独り言を語られたみたいで、でも聞こえちゃうじゃないですか(笑)。
杉原氏、うるさい、とかなんとか言ったと思いますが、その流れで裁判官が烏賀陽氏に注意喚起をされる、また烏賀陽氏側の弁護士の、被告人双方(佐藤氏、杉原氏)との質疑応答は、なかなかアグレッシブ(笑)なもので。

こちら、かろうじて多少なりとも前段階の流れを知っているからいいものの、もし、佐藤氏側の傍聴人で、何の前知識もなく、この被告のみの陳述というタームだけを見たなら、おそらく被告(佐藤章氏)側に分がある、なんて思っちゃうかもしれない、はあ、裁判って、こういうモノなんだなあ、と思いました(とにかく初心者の感想です)。

まあ、ちゃんと事前情報を元に被告側の話を聞いてみれば、どの口でそんなこと言うんかな、と感じるところはいろいろありました。その辺の具体的な事柄は、烏賀陽氏の配信で述べられていることとほぼ同感なので、そちらをどうぞ。

とにかく個人的にあらためて実感したことは、そもそも烏賀陽氏と佐藤氏は、かつての朝日新聞社内における長年の同僚、しかもお互い退社をされたあとはフリージャーナリストとしてご活躍されているじゃないですか。
シロウト目からするなら、なにかトラブルめいたことが勃発したとしても、そこはそれ、互いの、いままで培われた経験と成熟度合いがぶつかり合って大人として解決するもの、という思い込みが、実は全く当てになっていないことに、割とこちらもショックを覚えるのです。

今後も烏賀陽氏の主張を信じていくなら、佐藤氏の不寛容な行為は筆舌に尽くしがたいですね。
烏賀陽氏の、そういった人間の信頼というものに対する絶望感を乗り越えて提訴されたことには、こちらのいままでの思い込みや価値観を今一度アップデートできる機会とも思えるので、とても感謝しております。

まだ長丁場ではありますが、こちら今後も、見守っていきたいと思います。


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田井仲博文
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