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令和6年度の助成金の話(#5)


どうも助成金おたくです。
年中半袖です。こんな小学生いませんでしたか?
今回は「65歳超雇用推進助成金」のお話です。


💎65歳超雇用推進助成金

この65歳超雇用推進助成金は、2016(平成28)年10月19日に新設されました。まず、65歳超助成金が新設された背景をシェアします。


▼ 65歳超雇用推進助成金が新設された背景

高齢者の雇用促進に向けて
日本には「アクティブシニア」と言われるように、元気で就労の意欲 にあふれ、豊かな経験と知識を持った高齢者がたくさんいます。少子高 齢社会に対応した企業の成長力確保のためには、働きたいと願っている 高齢者の就業率を高めることが、重要です。

○ 日本の人口は近年横ばいであり、人口減少の局面を迎えて います。
2060年には総人口が9,000万人を割り込み、
 65歳以上 人口の割合「高齢化率」は、全人口の40%に近い水準になる
 と推計されています。
それに伴い、生産年齢人口割合も約50%まで下がると予想 され、
 労働力 人口の減少は避けられないと考えられます。

(出所) 総務省「国勢調査」及び「人口推計」、 国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成24年1月推計):出生中位・死亡中位推計」(各年10月1日現在人口) 厚生労働省「人口動態統計」
※1 出典:平成26年度 総務省「人口推計」 (平成22年国勢調査においては、人口12,806万人、生産年齢人口割合63.8%、高齢化率23.0%)

2017(平成29)年1月5日付の「65歳超雇用推進助成金」パンフレットより引用


2017(平成29)年1月5日付の「65歳超雇用推進助成金」パンフレットより引用

年齢にかかわりなく高齢者を 雇用することが重要?

○ 2014年の就業者数(実数)と比較して、経済成長と労働参加が 適切に進まないケースで推計すると、2030年までに就業者数が 約790万人減少する見込みです。 (60歳以上の就業者についても、約105万人減少。)
👉 少子高齢化が急速に進展する中、新卒者など若年就業者の採用が 難しく
 なり、人材の確保および成長力の確保が課題に。

そのため
👉豊富な経験や知識を有する高齢者が、意欲のある限り年齢に かかわりな
 く働くことができる社会の実現
が重要です。

2017(平成29)年1月5日付の「65歳超雇用推進助成金」パンフレットより引用


文字を追いかけていると目が疲れませんか?
ここで一休み


65歳超雇用推進助成金は、、、

65歳を超えても生き生きと働ける活躍できる環境づくりに取り組む事業主向けの助成金です。

 

ここからは、
2024(令和6)年度の「65歳超雇用推進助成金」のお話しです。
興味のある方は、続きを読んでみて。

▼ 背景
少子・高齢化社会の急速な進行により、働き手の減少が見込まれています。
この状況の中、高年齢者が社会の支え手として活躍していくことは重要。
また、 多くの高年齢者が65歳以上まで働き続けたいと考えており、意欲と
能力があれば65歳を超えても生き生きと働ける「生涯現役社会」の構築
向けて環境を整えていくことがより一層必要となっています。
年齢にかかわりなく働ける制度の導入が事業主に求められています。


3つのコース

65歳超雇用推進助成金には、 3つのコースがあります。

① 65歳超継続雇用促進コース

② 高年齢者評価制度等雇用管理改善コース

③ 高年齢者無期雇用転換コース


ちなみに、
この3つのコースは令和7年度の予算案に含まれています。
ただし、
令和6年度の手引きに記載されている条件と同じとは限りません。

令和7年度に申請しよう! と計画する場合は
必ず、令和7年度版の「支給申請の手引き」をご確認ください🙇


では、3つのコースの中から、
「65歳超継続雇用促進コース」のお話しをしていきます。

① 65歳超継続雇用促進コース

このコースは、「生涯現役社会」の構築に向けて、高年齢者の就労機会の
確保及び雇用の安定を図ることを目的としています。

▼ 取り組み&助成額
・定年の廃止              40万円~
・65歳以上の定年引上げ           15万円~
・希望者全員を対象とする66歳以上までの
 継続雇用制度の導入            15万円~
・他社による継続雇用制度の引き上げ     パンフレット参照※

上記いずれかの取り組み、かつ、高年齢者雇用管理に関する措置
1つ以上 実施する必要があります。

※他社による継続雇用制度の引き上げのパンフレットは
こちら👉https://www.jeed.go.jp/elderly/subsidy/q2k4vk0000054hg2-att/q2k4vk0000054jhq.pdf


ここまでで、意味がわからない言葉はありましたか?

例えば、、、

・ 高年齢者
・ 他社による継続雇用制度
・ 高年齢者雇用管理に関する措置

ここで質問です。

▼ 3つの質問
(答えは、3つ目の質問のあとに解説します)

質問1 「高年齢者」は何歳以上の人?
① 50歳以上
② 55歳以上
③ 60歳以上

質問2 「他社による継続雇用制度」
  これは、どんな制度?

質問3 「高年齢者雇用管理に関する措置」
  「措置」て何? 
     

▼ 3つの質問の答えと解説

1. 「高年齢者」は何歳以上の人?

 👉 55歳以上
 支給申請の手引き(P26)には、以下のように記載されています。
※ 「高年齢者」とは・・・高年齢者雇用安定法及び同法施行規則により
             55歳以上と定義されています。

2.  「他社による継続雇用制度」
  これは、どんな制度?

 → 事業主Aの雇用する65歳以上の高年齢者で
   定年後または継続雇用の上限に達した後に引き続き雇用されることを
   希望する者を、事業主Bが引き続いて雇用すること を約する 契約を
   締結します。

  「他社による継続雇用制度」をもっと知りたい方は
  こちら 👇👇👇 をご覧ください。
  https://www.jeed.go.jp/elderly/subsidy/q2k4vk0000054hg2-att/q2k4vk0000054jhq.pdf



3.  「高年齢者雇用管理に関する措置」
 「措置」て何?  

👇
「高年齢雇用管理に関する措置」
こちらの措置は、
次の中から 1つ以上実施する必要があります。
(a)職業能力の開発及び向上のための教育訓練の実施等
(b)作業施設・方法の改善
(c)健康管理、安全衛生の配慮
(d)職域の拡大
(e)知識、経験等を活用できる配置、処遇の推進
(f)賃金体系の見直し
(g)勤務時間制度の弾力化

▼「措置」を実施する前に、意識しておきたい重要な2つのポイント

重要なポイント1
どの措置をどのような目的で実施するか、言語化(視覚化)する。

重要なポイント2
実施とは、何を意味するか知っておく


【重要なポイント1の解説】
(どの措置をどのような目的で実施するか、言語化(視覚化)する)
▼ 高年齢雇用管理に関する措置について
次の7つの措置が「支給申請の手引き」に記載されています。
(a) 職業能力の開発及び向上のための教育訓練の実施等
(b) 作業施設・方法の改善
(c) 健康管理、安全衛生の配慮
(d) 職域の拡大
(e) 知識、経験等を活用できる配置、処遇の推進
(f) 賃金体系の見直し
(g) 勤務時間制度の弾力化

で、具体的に
どの措置を どのような目的で どのように進めていくか
イメージできますか?

?????


▼ 取り組みの進め方【参考例】

(a)~(g)の中から、これは取り組めそうだなぁ 
と思う措置を選びます。
☆ 従業員の皆さんへアンケートにご協力いただいてもいいかもしれません。
ここでは仮に (c) 健康管理、安全衛生の配慮  
この措置を実施すると決めます。

重要!
実施するというのは?
支給申請日前日までに、
高年齢者雇用等推進者を選任し、55歳以上の従業員に対する
1⃣ 高年齢雇用管理に関する措置(以下、措置といいます。)を
  就業規則に定め施行する
または
2⃣ その措置を就業規則に定め施行する+その措置を継続的に実行する
あるい
3⃣ その措置は就業規則に定めず、1回限り実行する
ということ。

1⃣2⃣3⃣ 👈どの方法を選択したとしても
定年年齢の規程は、就業規則に定め施行させる必要がありますので
ご留意ください。
高年齢雇用管理に関する措置は、就業規則に定めず、1回限りの取組でも構わないとのこと。



またまたここでは仮に
定期健康診断以外(法定外)の「がん検診」を実施すると決め、
定期健康診断以外(法定外)の「がん検診」を実施する目的と期待する効果を言語化(視覚化)します。

目的の例1 ⇒ 55歳以上の従業員に、がん検診を任意で受診させる  ✕
目的の例2 ⇒ 55歳以上の従業員が生き生きと働き続けられるように
        定期健診とは別に、がん予防を目的として、がん検診
        を任意で受診させる。 〇  

ここで、クイズ😊

目的の例1は、なぜ ✕ ??? 
✕ の理由は、(   )させることが目的になっているから。


そしてさらに
法定外の検診(がん検診)を依頼できそうな医療機関をリサーチします。
リサーチの結果
法定外の(がん検診)をお任せできる医療機関と契約します。
※ ここでは、参考例として「がん検診」を選択しています。


👉措置の進め方を整理します
ステップ1
支給申請日前日までに、高年齢者雇用等推進者を選任し、
55歳以上の従業員に対する(a)~(g)の中から、
取り組めそうな措置を選ぶ

*ここでは、仮に健康管理措置を選択しています。
 もちろん他の措置でも大丈夫。
*どの措置を選択したいか、55歳以上の従業員の皆様へ
 アンケートにご協力いただくこともできます。

ステップ2
選択した措置を実施する目的と効果を言語化(視覚化)する

ステップ3
選択した措置を実施できる医療機関をリサーチし、
措置をお任せできる医療機関と契約する。

ステップ4
措置を実施する


【重要なポイント2の解説】
この65歳超継続雇用促進コースの実施とは
何を意味するか知っておく。

【重要なポイント1の解説】の中で、話したけれど
大切なことだから、もう一度話すよ。
👇
実施するというのは?
支給申請日前日までに、
高年齢者雇用等推進者を選任し、55歳以上の従業員に対する
1⃣ 高年齢雇用管理に関する措置(以下、措置といいます。)を
  1つ以上就業規則に定め施行する
または
2⃣ その措置を1つ以上就業規則に定め施行する+その措置を
  継続的に実行する
あるい
3⃣ その措置は就業規則に定めず、1回限り実行する
ということ。

1⃣2⃣3⃣ 👈どの方法を選択したとしても
定年年齢の規程は、就業規則に定め施行させる必要がありますので
ご留意ください。
措置は、就業規則に定めず、1回限りの取組でも大丈夫。
(手引きP26 参照)

「高年齢雇用管理に関する措置」のことを、もっと知りたい方は
下記リンク先(高年齢雇用管理に関する措置の事例)をご参照ください🙇

○ 支給申請の手引き【印刷用】(P28~P31)https://www.jeed.go.jp/elderly/subsidy/q2k4vk000001h38d-att/ledngs000000et8t.pdf
リンクをクリックやタップすると、
「支給申請の手引き」の表紙が開きます。
P28まで移動してね。

○ 支給申請の手引き【デジタルブック】(P31~P35)
https://www.jeed.go.jp/elderly/subsidy/book_keizokuR6/#page=31
リンクをクリックやタップすると、
「支給申請の手引き」の31ページが開きます。


ここもポイント!
↓↓↓
措置を就業規則に定める場合、
従業員の皆様と措置の内容を一緒に検討する。
この取り組みがきっかけで、従業員とコミュ二ケーションするいいきっかけになるかもしれません💛

ここで一旦、目を休めてね。(種子島の風景)


ここから先も重要!

65歳超継続雇用促進コース

このコースの支給申請の対象になり得るか等々チェック☑してみて。
YESの場合☑
🔲 雇用保険の適用事業所である
🔲 労働保険料の未納がない
🔲 暴力団とかかわりがない
🔲 支給申請の前日から起算して1年前までに、労働関係法令に違反がない
  (この違反の詳細は、支給申請の手引き39ページで確認できるよ)
🔲 支給申請書類を提出する前日に1年以上勤務している無期雇用の従業員
  が1名以上いる見込みだ。
🔲 定年を廃止してもいい
🔲 定年を66歳以上に延長してもいい
🔲 定年年齢は65歳で、希望者全員を1年更新で70歳まで継続雇用して
  もいい
🔲 従業員数10人未満の会社だが、就業規則を作成して労基署に届け
  出てもいい。
🔲 高年齢者が健康的に働けるよう職場環境を整えたい
🔲 就業規則は整備できている
🔲 雇用契約書(労働条件通知書)は整備できている
🔲 賃金台帳・出勤簿・労働者名簿は整備できている
🔲 年次有給休暇の管理ができている

理解した場合 ☑ してね。    
🔲 申請は支給申請のみ(計画申請はありません)
🔲 令和6年度の支給申請の手引きが適用するのは、2025年3月17日まで。
   ただし、令和7年2月中に、新・定年制度や措置を実施していること。
   支給申請は、新・定年制度や措置を実施した月はできないことに
   なっているよ。ご注意ください。
🔲 このコースの支給申請は、新・定年制度や措置を実施した月の翌月から
  起算して4ヵ月以内 
に行うことが出来る。
🔲 令和6年度のこのコースの支給申請の受付は、制度を実施した月の翌月
  から4ヵ月以内。毎月15日まで。
  (15日が閉庁日の場合は翌開庁日まで)
🔲 このコースを申請するには、定年に関する定め、かつ、55歳以上の従
  業員を対象とした措置の実施が必要。
🔲 このコースが求める取り組みに関して専門家に相談すること。
🔲 就業規則は、「旧」と「新」を提出する。
🔲 旧・就業規則は、支給申請の前日の時点で、従業員数が10人未満の
  場合、労基署に届け出なくても良い。
🔲 従業員数10人未満の会社で、旧・就業規則をお持ちでない場合は
  支給申請日の前日の状況を 申立書(※2)」に記載し、申請書類と
  併せて提出する。  (補助様式/記入例あり)
  ※2「申立書」は こちら 👉 q2k4vk000003oz37.xlsx (live.com)

🔲 新・就業規則(最新の就業規則)は、従業員10人未満の会社で
  あっても労基署へ届け出が必要。


  もっと65歳用継続雇用促進コースのことを知りたい方は、
  「支給申請の手引き」をご確認ください。または専門家に
  ご相談ください。

▽ 65歳超雇用推進助成金の 相談・申請窓口
厚生労働省の委任を受けて、独立行政法人高齢・障害・求職者支援機構が
運営しています。

☆支給申請前に「相談」できる窓口あるのは有難いですね!
 


令和6年度の助成金の話 (筆者:助成金おたく)
つづく


また、お会いしましょう😊

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