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令和6年度の助成金の話(#6)
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右手に持っているのは何だと思いますか?
今回は#5のつづきです。
#5を投稿したところ、スキ♡をいただきました。
とても嬉しいです! ありがとうございます!!
#5では、、、
65歳超雇用推進助成金は
次の3つのコースがあるとお話ししました。
① 65歳超継続雇用促進コース (定年関連のコース)
▼ 助成額
定年の廃止 ==================== 40万円~
65歳以上の定年引上げ ============== = 15万円~
希望者全員を対象とした66歳以上の年齢までの継続雇用== 15万円~
70歳以上の継続雇用の導入 =================== 30万円~
▼ 支給対象者の要件(支給申請の手引きP23参照)
支給申請日の前日において、
雇用保険被保険者かつ就業規則の適用者
(以下のいずれにも該当する者)
🔲60歳以上の者
🔲1年以上継続して雇用)ている者
🔲雇用保険被保険者
🔲定年前の無期雇用者* または 無期雇用契約の定年後に希望者全員
継続雇用制度もしくは会社選別継続雇用制度により引き続き雇用さ
れている者
*定年前の無期雇用者とは?
改正前就業規則に規定する定年に達しておらず、かつ、改正後就業
規則施行日前日時点で無期雇用契約により雇用されている労働者。
例えば、改正前就業規則において、定年年齢を満65歳と規定して
いる場合、定年前の60歳から64歳までの無期雇用者をいいます。
🔲改正前、改正後の就業規則の適用者
🔲定年の引上げ等の制度を規定した就業規則等の対象職種の者
〈対象被保険者となる者の例〉
🔲短時間就労者であって定年前の無期雇用者
🔲個人事業の事業主と同居の親族
支給申請日前日までに公共職業安定所に同居親族雇用実態証明書を
提出している者。
🔲法人の取締役及び合名会社等の社員、監査役、協同組合等の社員又
は財団の役員等
支給申請日までに公共職業安定所に兼務委役員雇用実態証明書を
提出している者。
② 高年齢者評価制度等雇用管理改善コース
(55歳以上の高年齢者を対象として措置(法定外の健康診断など)を
実行するコース
▼ 助成額
みなし経費50万円✕60% ====== 30万円
このコースを初めて申請する事業主の場合は、
みなし経費(50万円)が適用されるよ
▼ 支給対象者
次の答えが全部「はい」になるかチェックしてみてね?
🔲支給申請日および支給決定日の時点で雇用保険被保険者が存在する
🔲上記被保険者は、支給申請日の前日時点で、その事業主が1年以上
継続して雇用している60歳以上の雇用保険被保険者(短期雇用特例
被保険者及び日雇労働被保険を除く)で1人以上いる。
③ 高年齢者無期雇用転換コース
(有期から無期に転換するコース)
助成額:対象労働者* 一人につき ====== 30万円
▼ 対象労働者の要件
次の答えがすべて Yes か確認してみてね!
↓
1⃣ 支給対象事業主に雇用されている期間が転換日において
通算6カ月以上で5年以内の有期雇用労働者が在籍している。
↓
2⃣ 1⃣の有期雇用労働者は、50歳以上かつ定年年齢未満であり
無期転換後、65歳以上まで雇用する見込みがある
↓
3⃣ 1⃣2⃣該当する有期雇用労働者は、転換日において64歳以上ではない
↓
4⃣ 1⃣2⃣3⃣に該当する有期雇用労働者は、派遣労働者ではない
↓
5⃣ 1⃣2⃣3⃣4⃣に該当する有期雇用労働者は、
無期雇用労働者として雇用することを約して雇い入れていない
↓
6⃣ 1⃣2⃣3⃣4⃣5⃣に該当する有期雇用労働者を、
転換日の前日から過去3年以内に、1⃣の支給対象事業主において
無期雇用労働者として雇用したことがない
↓
7⃣ 1⃣2⃣3⃣4⃣5⃣6⃣に該当する有期雇用労働者は、
無期雇用労働者に転換した日から、支給申請日の前日において
1⃣の支給対象事業所の雇用保険被保険者である。
ここもチェック!
🔲 雇用している 50歳以上~定年年齢未満 の有期契約労働者を
無期転換計画期間内に無期雇用労働者に転換し、
↓
その転換後6カ月以上の期間継続して雇用し、
↓
その6カ月分の賃金(勤務した日数が11日未満の月は除く、
時間外労働分を含む)を その転換日以後12カ月の賃金支払日
までに支払うこと。
転換日前6カ月に離職者がいる場合や
転換日後6カ月を経過する日までに離職者がいる場合は
以下の要件もご覧ください!
離職者がいないい場合は、
以下に写真があるからそこまで飛んで、読み進めてみてね。
↓
🔲 転換日前日の6カ月前の日から1年を経過する日までの間に、
雇用保険被保険者(短期特例被保険者および日雇労働被保険者を除く)
を解雇等事業主の都合で離職させていない。
🔲 転換日前日の6カ月前の日から1年を経過する日までの間に、
その転換を行った適用事業所において、雇用保険法第23条第2項に規定
する 特定受給資格者*¹ となる 離職区分*² のうち離職区分1Aまたは3A
に区分される離職理由により離職した者として同法第13条に規定する受
給資格者(失業給付の受給資格者)の決定が行われたものの数をその事
業所におけるその転換を行った日における雇用保険被保険者数で除した
割合が6%を超えている事業主ではない。
↓
(離職区分1Aまたは3Aに区分される離職理由により離職した者で
6% < 失業給付の受給資格者の人数)÷(その転換を行った日における
雇用保険被保険者数)
*特定受給資格者とは?
離職理由が倒産・解雇等により再就職の準備をする余裕がなく離職を余儀なくされた雇用保険受給資格者をいいます。(事業主都合の解雇、勧奨退職のほか、事業縮小や賃金大幅低下等による正当理由自己都合離職等を含む)。
離職区分1A
→ 解雇(離職区分1B および5E を除く)
離職区分3A
→ 事業主からの働きかけによる正当な理由のある自己都合退職
離職区分の一覧表は こちら ↓
https://www.hwiroha.com/qa/qa008.html
高年齢者無期雇用転換コース は
その転換を行った日の雇用保険被保険者数が16人以下の会社の場合
無期転換の前日から6カ月間前から1年を経過する日までの間に
一人でも雇用保険被保険者を解雇し、その者がハローワークで
離職区分1Aまたは3Aに区分され基本手当の受給資格を得た場合
指定された算式による割合が6%を超えるため申請は不可。
1人÷16人(=0.0625)>6%
6% >1人÷17人(≒0.059)
ただし、解雇のうち離職区分1B および5Eに区分された者は
上記算式に含める必要はない。
もっと法律のことを知りたい人は、こちら👇
雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)
第二十三条
(第1項省略)
2前項の特定受給資格者とは、次の各号のいずれかに該当する受給資格者(前条第二項に規定する受給資格者* を除く。)をいう。
一 当該基本手当の受給資格に係る離職が、その者を雇用していた事業主の事業について発生した倒産(破産手続開始、再生手続開始、更生手続開始又は特別清算開始の申立てその他厚生労働省令で定める事由に該当する事態をいう。第五十七条第二項第一号において同じ。)又は当該事業主の適用事業の縮小若しくは廃止に伴うものである者として厚生労働省令で定めるもの
二 前号に定めるもののほか、解雇(自己の責めに帰すべき重大な理由によるものを除く。第五十七条第二項第二号において同じ。)その他の厚生労働省令で定める理由により離職した者
* 前条第2項に規定する受給資格者とは?
↓↓↓
(法第二十二条第二項の厚生労働省令で定める理由により就職が困難な者)
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第三十二条 法第二十二条第二項の厚生労働省令で定める理由により就職が困難な者は、次のとおりとする。
一 障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和三十五年法律第百二十三号。以下「障害者雇用促進法」という。)第二条第二号に規定する身体障害者(以下「身体障害者」という。)
二 障害者雇用促進法第二条第四号に規定する知的障害者(以下「知的障害者」という。)
三 障害者雇用促進法第二条第六号に規定する精神障害者(以下「精神障害者」という。)
四 更生保護法(平成十九年法律第八十八号)第四十八条各号又は第八十五条第一項各号に掲げる者であつて、その者の職業のあつせんに関し保護観察所長から公共職業安定所長に連絡のあつたもの
五 社会的事情により就職が著しく阻害されている者
雇用保険法施行規則第二十二条第二項の
厚生労働省令で定める理由により就職が困難な者 を
もっと知りたい方はこちら👇
(P81~P83参照)
https://www.mhlw.go.jp/content/001239115.pdf
特定受給資格者をもっと知りたい方も こちら👆
(P83~P95参照)
高年齢者無期雇用転換コース の 対象労働者に関しては
こちら👇
支給申請の手引き(デジタルブック P11、P13参照)
https://www.jeed.go.jp/elderly/subsidy/book_mukiR6/#page=13
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今回は
この3つのコースの「措置」に関して深堀していくよ。
3つのコースの支給申請の手引きには
「措置」を1つ以上実施することが必要と書かれている。
▼「措置」とは?
(a) 職業能力の開発及び向上のための教育訓練の実施等
(b) 作業施設・方法の改善
(c) 健康管理、安全衛生の配慮
(d) 職域の拡大
(e) 知識、経験等を活用できる配置、処遇の推進
(f) 賃金体系の見直し
(g) 勤務時間制度の弾力化
では Thinking Time
🕛
例えば、
ある事業所が、次の2つのコースを申請する場合
(a)~(g)の措置は、
・65歳超継続雇用促進コース
・高年齢者評価制度等雇用管理改善コース
上記それぞれのコースで、
必ず1つ以上措置を就業規則に定める必要があると思いますか?
↓
↓
↓
↓
↓
↓
答え
それぞれのコースで
必ずしも措置を1つ以上就業規則に定める必要は
ない。(措置の実施方法やスケジュール次第ですね)
各コースの措置のページはこちら👇
① 65歳超継続雇用促進コース
(「高年齢者雇用管理に関する措置」を見てねっ)https://www.jeed.go.jp/elderly/subsidy/book_keizokuR6/#page=31
② 高年齢者評価制度等雇用管理改善コース
(「高年齢者雇用管理整備措置」を見てねっ)https://www.jeed.go.jp/elderly/subsidy/book_hyoukaR6/#page=17
③ 高年齢者無期雇用転換コース
(「高年齢者雇用管理に関する措置」を見てねっ)https://www.jeed.go.jp/elderly/subsidy/book_mukiR6/#page=15
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あ、まぶしいかなぁ( ;∀;)
▼ 対象となる主な経費
就業規則の作成または相談・指導を専門家* に委託した場合の委託費
・ 就業規則の作成
・ 各コースが求める制度に関する相談
・ 各コースが求める制度に関する指導
*専門家とは?
社会保険労務士、社会保険労務士法人、弁護士、弁護士法人、
昭和55年9月1日までに行政書士会に入会している行政書士に限ります。
順番は大切!!!
▼ 専門家との契約から履行までの流れ
(支給申請の手引きP21参照)
見積
↓
契約* → 注文 → 相談 → 納品 → 請求 → 支払完了
*必須ではないけれど、
契約時に秘密保持契約書(NDA)を交わしてもいいいかもしれないね!
▼ 就業規則の作成・変更・届出の流れ
(支給申請の手引きP46~P48参照)
見積
👉契約
👉発注
👉相談(議事録を残しておこう!)
👉(周知)取り組みを知らせる(従業員の希望に耳を傾ける)
👉就業規則作成
👉納品(制度の施行日は労基署に届け出る前または後に設定)
👉従業員への周知
👉労働者代表への意見聴取
👉労働基準監督署への届出(本則、届出書、意見書)
👉請求
👉支払完了
👉支給申請
(支給申請のタイミングはコースごとに異なるよ!)
👆支給申請
👆支払完了
👆請求
👆労働基準監督署への届出(本則、届出書、意見書)
👆労働者代表への意見聴取
👆従業員への周知
👆納品(制度の施行日は労基署に届け出る前または後に設定)
👆就業規則作成
👆 (周知)取り組みを知らせる(従業員の希望に耳を傾ける)
👆相談(議事録を残しておこう!)
👆発注
👆契約
見積
😊上から下へ(末広がり)、下から上へ(階段を上る)
どっちが好き?
末広がり? 階段を上る?
見やすいほうをご覧ください!
次も重要!!!
① 65歳超継続雇用促進コース
このコースは、65歳以上への定年の引き上げ、定年の定めの廃止、希望者全員を対象とする66歳以上までの継続雇用制度の導入、他社による継続雇用制度の導入を実施し、「生涯現役社会」の構築に向けて、高年齢者の就労の機会の確保および雇用の安を図ることを目的としている。
▼ 計画申請
計画申請はありません。
▼ 支給申請の時期(支給申請の手引き デジタルブックP57参照)
→ 新・就業規則を施行日が属する月の翌月から4カ月以内で、
各月の初日から15日まで。15日が閉庁日の場合は翌開庁日まで。
ちなみに、
令和6年度の手引きの要件で支給申請できるのは
2025年3月17日までだよ。
支給申請の手引き デジタルブックP57参照 ↓
https://www.jeed.go.jp/elderly/subsidy/book_keizokuR6/#page=57
② 高年齢者評価制度等雇用管理改善コース
このコースは、高年齢者の雇用管理制度の整備(賃金、人事処遇制度、労務管理制度、健康管理制度等)に係る措置をし、高年齢者の雇用推進を図ることが目的です。
▼ 計画申請
雇用管理整備計画の実施期間の開始日の6カ月前から3カ月前の日まで
▼ 支給申請の時期(支給申請の手引き デジタルブックP27参照)
雇用管理整備計画の実施期間(1年以内の期間)の終了日の翌日から
起算して6カ月後の翌月からその2か月後の日まで
↑ ↑ ↑
音読すると、「じゅげむ、じゅげむ」みたいだね😊
文字情報だけだったら伝わりにくいかもしれない。
手引きに図もあるよ。その図を見たい方は こちら👇
支給申請の手引き(デジタルブックP27参照)
27ページが開くよ。画像は回転しない ↓
https://www.jeed.go.jp/elderly/subsidy/book_hyoukaR6/#page=27
支給申請の手引き(印刷用P27参照)
27ページを選択してね。画像は回転するよ ↓
https://www.jeed.go.jp/elderly/subsidy/q2k4vk0000027j03- att/ledngs000000et9g.pdf
▼ 計画申請から支給申請までの流れ(スケジュール)
😊計画申請から支給申請まで、1年8カ月くらいかかるかなぁ
🔵計画申請期間(計画実施期間開始日の6カ月前から3カ月前まで)
⇒ 🔵計画申請の審査
⇒ 🔵計画の認定日
⇒ ※契約は可。ただし発注や制度導入に関する検討会は行わない。
⇒ 🔵計画開始日(計画実施期間:1年以内)
専門家との契約、発注、納品、制度施行、(労基署へ届出、
人間ドック受診)
計画期間内に実施とは?
専門家との契約、発注、納品、制度の施行等を計画実施期間内
に行うことをいいます。
※高年齢者雇用管理整備措置に関する契約に関しては、契約日
が雇用管理整備計画の認定日以降である場合であって、雇用
管理整備計画の開始日より前に発注や制度導入に関する検討
会を行っていない場合に限り、雇用管理整備計画実施期間前
の契約日であっても雇用管理整備実施期間内に行ったものと
みなされます。
⇒ 🔵計画終了日
⇒ 🔵実施確認期間(6カ月)
・就業規則施行 ✖
・労基署への届出 〇
・人間ドック受診 〇
⇒ 🔵実施確認期間終了日
⇒ 🔵支給申請期間(2カ月以内)
・就業規則施行 ✖
・労基署への届出 ✖
・人間ドッグ受診 ✖
⇒ 🔵支払完了
⇒ 🔵支給申請日
③ 高年齢者無期雇用転換コース
このコースは、50歳以上かつ定年年齢未満(63歳以下 支給申請の手引き
P9 参照)の有期契約労働者を無期転換労働者に転換させ雇用の推進を図る
ことが目的です。
▼ 計画申請
無期雇用計画開始日の6カ月前の日から3カ月前の日まで
▼ 計画申請の留意事項
・ 雇用保険適用事業所ごとに作成
・ 計画の実施期間は2年から3年までのものに限る
😊計画書を窓口に提出したら、差し替えや訂正はできない!
申請書類を提出する前に、窓口で相談するといいね!
(窓口の方は優しいよ)
▼ 支給申請
転換日以後6カ月分(勤務した日が11日未満の月は除く)の
賃金を支給した日の翌日から起算して2カ月以内。
▼ 支給申請の留意事項
各計画年度(無期雇用転換計画開始日を基準日とし、 して
1年を経過するまでの期間を1年度とする。2年度目以降も同様とする)に、
事業主都合により50歳以上かつ定年年齢未満(63歳以下 支給申請の手引きP9 参照)の有期契約労働者に対して一度も転換制度を実施していなかった場合、計画書は失効となり、その申請に係る支給はできない。
😊65歳超雇用推進助成金のお話は、ここまで。
参考になれば幸いです。
詳しいことは、「支給申請の手引き」や各都道府県の申請窓口へお問い合わせください。
次回(#7)では、人材開発支援助成金の話しをする予定だよ。