Ⅲ 女帝
ただいま、
タロットの魅力を知ってほしいという気持ちから、
タロットの意味をブログで書いています。
【登場人物の行動】
椅子にもたれて身をゆだねる
機が熟し、時が来るのを待つ
【絵の描写】
女性が、
クッションが置かれた柔らかそうな椅子に
ゆったりと腰かけています。
締め付けのないザクロ柄のドレスを身にまとい、
頭には12個の星が付いた冠、
首元には9個の真珠のネックレス、
手に、
この世の支配者である証の笏を掲げています。
足元には、
小麦の稲穂がたくさん実り、
周りには雄大な自然が描かれ、
近くには川が流れています。
そして、椅子の下には、
金星を表すマークが書かれた
ハート型の盾が置かれています。
【解説】
女帝と一つ前の女司祭は、
大アルカナにおいて、
女性性の元型(アーキタイプ)を持つカードです。
女司祭が、女性性の精神的側面、
つまり
直観的理解を深く象徴しているのに対して、
女帝は純粋な、情動を表します。
女帝の女性性は、
女司祭のような近寄りがたさは感じさせず、
近づきやすく、
恵み深い側面を表しています。
彼女のゆったりとしたドレスは、
彼女が妊娠していることを示唆しており、
彼女は母親であり、
愛であり、
優しさを持っているのです。
同時に、
笏を持ったふくよかな女性である彼女は、
セクシャリティ、情動、支配者としての
女性性を表しています。
母性も
セックスも、
知性ではなく、
生命の根底をなす感覚から来るものです。
女帝の情動は、
魔術師の生命エネルギーと
女司祭の潜在的可能性を一つにして、
調和させ、
現実世界へ結びつける役割を持っています。
そして、
それは、
現実世界におけるあらゆる種類の豊かさ、
例えば
食べ物、快楽、美という感覚的な喜びとして、
与えてくれます。
このことは、
人生の豊かさを享受することの
素晴らしさを伝えています
笏を持ち、
12星座を示唆させる冠と、
天体を思わせる9つの真珠を持つこの女帝は、
世俗世界における支配者を表しています。
大自然の恵みと大地のリズムを支配し、
豊穣と生命を司る母なるものを表しています。
自然とともに生きていくことの大切さ、
そして、
生命を生み出し、
愛に満ちた保護や世話を通して、
養い育てることの大切さを教えてくれています。
また、育てるということから、
物事を時間をかけて
温めるということも教えてくれます。
私事になりますが、
パートナーと出会って20年経ちます。
私も中年になり、
白髪が生え、
体つきも丸くなりました。
そして、
パートナーも同じく中年になり、
白髪が生え、丸くなりました。
そんな私たちの姿をみて、ふと思ったのです。
もし付き合う前に、
今の姿になることを知っていたら、
付き合っていたのだろうかと。
私はパートナーに尋ねてみました。
すると、
「付き合ってなかったかも・・・・・・。」
と正直すぎる答えが返ってきました。
私も「me too」と答えましたが(笑)。
では、
今、この関係を解消したいのかというと
そんなことは微塵も思っておりません。
たとえ、
お互いに体型が樽のように丸くなり、
白髪が増え、
しわが増えても、
今のありのままの姿であり、
長年かけて育んできた愛のようなものが、
そのありのままを
受け入れられるようにしてくれています。
そう、
育むとは時間がかかるものなのです。
女帝の自然をありのままに受け入れ、
育むということは、
すぐに解決できるものではなく、
時間をかけて、
あたためて、
気が熟すのを待つ
ということが大切であることを
教えてくれています。
恋愛占いでこのカードが出たら、
「単純にうまくいく」ではなく、
「自分の相手に対する好きという
気持ちをありのままに感じて、
そして、
お互いのありのままを受け入れられるように、
2人の関係を温めて時間をかけること。」
これが、
女帝の言いたいことなのかも知れません。
【意味】
【正位置】
育てる、豊かさ、感覚、自然、
命を育む、養育する
豊かさを享受する、報酬を受け取る
感覚を重んじる、喜びを与え受け取る
自然のリズムと調和する
【逆位置】
今の状況に胡坐をかいている
怠惰 わがまま 浪費
傲慢さ 虚栄心
快楽に溺れる