Ⅵ　恋人達

ただいま、
タロットの魅力を知ってほしいという気持ちから、
タロットの意味をブログで書いています。

【登場人物の行動】

一糸まとわぬ姿で
男性と女性が楽園に立っています。
二人を両手を広げ、裸の自分を隠すことなく
男性は女性を見つめ、女性は天使を見ています。

【絵の描写】

一組の裸の男女が、
太陽の下、
翼を持った天使に
祝福されています。
両手を広げている裸の姿は、
二人が純粋無垢である
ことを表しています。
男性は女性を見つめ、
女性は天使を見ています。
男性の背後には
何かを欲する炎の象徴である
生命の樹があり、
女性の背後には
選択できるという「自由」の象徴である
知識の樹があります。
知識の樹には、
絡みついた蛇が
この実を食べるように、
イヴを誘っています。
絵の中央には一つの山が描かれ、
この山は二元性
（男性性と女性性、
理性と情動、
顕在意識と潜在意識など）
を統合させていくことの象徴
として描かれています。

【解説】

このカードは、
自立心による選択のカードです。
「Ⅲ女帝」「Ⅳ皇帝」「Ⅴ司祭」は
自然、両親、集団の
大きな力によって形づくられたものとして、
私たちを表していました。
一方「Ⅵ恋人達」は、
親や集団の命令に基づくものではなく、
自分自身の欲望や責任を知った上で、
重要な選択ができる、
自分自身の考えや目的を持った
真の人格が浮かび上がってくることを
表しています。
両親や慣れ親しんだ集団は
安心・安全で心地のよい環境です。
しかし、
自立心が芽生えてくると、
自分自身の理想像が生まれてきます。
その理想を追い求めようとすると、
時には慣れ親しんだ環境から離れて、
別の場所へ行かなければならない時もあります。
その選択をするかどうか
狭間に立たされていることを、
このカードは表しています。
選択をする時は、
情動だけでなく、
理性も必要とします。
理性が自由になるためには
情熱を必要とするのと同じように、
情熱は理性によって
導かれなければなりません。
選択には、
この二元性を
統合していくことが必要になり、
これが自立心を促すのです。
また、
このカードは内的な統合だけでなく、
外的世界における
人との結び付きも表しています。
カードに描かれた2人の男女は、
一人では見ることができない天使の姿を、
二人であればみることができるということから、
人は誰か他の人とつながることで、
人生の大きな意味や
深い意義を垣間見る機会に
恵まれることを示しています。
このカードをより理解するには、
発達段階的に
思春期、反抗期の頃に当てはめると、
わかりやすくなるかもしれません。
今まで親の言うことを素直に聞いていた子が、
親の言うことを聞かなくなり、
自分で物事決めるようになる。
また、
恋愛に興味を持ちだすこの時期は、
まさに恋人達のカードと重なる時期
なのかもしれません。

【意味】

【正位置】

調和　協調　
結びつき　親密になる
正しい選択　直観が冴える
自分に正直になる　自分有の哲学を確立する

【逆位置】

誘惑に弱くなる
周囲に流される
優柔不断
感情に振り回される　
快楽にふける