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理想郷で脱サラ(ブレッド)と暮らす日々
はじめまして^^ 北海道で訳あり馬17名愛猫3名と旦那(馬の装蹄師)と暮らす絵描きの氷野と言います 子供は2名 2人とも就職と進学で今は家を出て 人間は旦那と自分だけの暮らしです 出身は北九州 幼いころから絵を描くのが大好きで犬と馬の絵ばかり描いていました 《馬と暮らすことが夢》で いつか北海道で馬と暮らす❣と決めて1990年 愛犬3名と愛猫5名と北海道の競走馬の牧場に大移動しました あれから30数年が過ぎ今が在ります 馬が17名も一緒に暮らしている?優雅な暮らしだと思う方が居るかもしれませんが 実は訳ありばかり…引き取った子が16名…もはや駆け込み寺状態です^^ そんな非日常的暮らしをご紹介してまいります よろしくお願いいたします♪
「そうだ! 北海道に行こう(^^♪」
昔から馬と暮らす事が夢だった自分 何故か今じゃないとダメな気がして 弾かれたように近くの書店に駆け込んで【アルバイトニュース】を購入 馬の仕事 馬の仕事 と探すと 熊本の乗馬施設と北海道の競走馬の牧場で求人が出ていました 迷わず電話 「北九州の氷野と言います 馬の仕事がしたいのでそちらで働かせて頂けますか?」『いいよ』「それから 愛犬3名と愛猫5名居りますが一緒でも構いませんか?」『いいよ~』と快諾頂いたのが1990年12月 バタバタ引っ越しの仕度を開始 翌年1月10日には愛犬3名と北海道に移動して翌日から牧場のスタッフとして仕事開始していました 何事も後回しの自分の奇跡の行動 23歳の時でした
仕事を教えてくれたのは牧場の社長の息子 当時14歳の旦那でした そう北海道に到着して夢叶った日に未来の旦那にも会っていた訳です 意気投合して結婚するまで… の話は長くなるのでまたどこかで^^
就職したのは競走馬の牧場 競馬場に行く前の育成のお仕事でした 2歳で生産牧場から移動してきてここでは人との関り 背に人を乗せて走れるようになるまでの訓練をする場所です 蹴るし噛むし青あざだらけの毎日でした 目の前で人が怪我をする場面も沢山見ました 自分も落馬で脳震盪を2回経験 でも馬と暮らす事が夢だった自分にとっては毎日が馬まみれで幸せで幸せで 初めての極寒の北海道の暮らしも全然平気でした 愛犬達も憧れの北海道に連れてくる夢が叶って天国に来た気分でした が 皆さんお察しのように何事にも理想と現実の違いは沢山起きてきます 憧れでは済まされない競走馬達の現実も見てきました
寿命が30年もあるサラブレッドが 僅か2~3年で生涯を終える競馬社会 自分には彼らとの暮らしは合わないな…居場所は此処じゃない…
その後30数年経ち 神様の采配で他所ではなかなか味わえない経験を沢山させて頂き このグータラの自分の人生が豊かさで溢れかえりました きっと毎日書いても書ききれない物語が人生に残りました ブログやFBも毎日書き続けて20数年 誰かに発信する事 夢に向かってまっしぐら この暮らしもそうですが好きなことだけの継続力は半端ない人種です
昔から「地球に迷惑をかけない暮らし」を目指してきました シートン動物記は勿論 ピーター・シンガーの【動物の解放】ヘンリー・デイビット・ソローの【森の生活】にも刺激されて 自分に出来ることから…と 20歳の時いきなりベジタリアンになり家族を驚かせました 当時【ベジタリアン】の認識は日本にも少数派過ぎて変人扱い 自分が何かを始めるのは理屈じゃないので何かから解放された気がして心地よかったです 他人がどう思おうと関係ない
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兎に角馬を描くのが大好きでした 身近に馬が居なかったので 競馬場に通ったり映画を見たり…
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馬を描くなら 馬と暮らそう! これで北海道行きが決まりました^^
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「何かをする」より「何をしないか」で人生は願った方向へ流れていく事を実感しました ずっとこんな人間だったので友達は少なくいつも犬たちと過ごしていました 学校が大嫌いで行っても虚しいだけ 授業は聞かずにノートに絵ばかり描いて… ズル休みが続きほぼ不登校生になっていました 「いってきまーす!」と玄関から出て窓から戻り バレないように隠れて部屋で絵を描いたり本を読んだり 夕方には愛犬と何事もなかったように散歩に出かけてたり^^
土日は近くの野山や公園で愛犬と何時間も過ごしていました 生活態度も成績も悪い生徒だったので中学の時担任に呼び出されたり… 世間では間違いなく劣等生 でも自分の理想を形にする力は既に持っていた気がします
あの頃 親には悪いことをしたかも知れませんが 今は自分の暮らしや生き方を見て「あんたは好きなことを貫いて幸せに生きてくれて親孝行だ」と86歳の母が言ってくれています 遅ればせながら恩返しが出来たと思います
今となっては突然変異?のような自分に好きなことを自由にさせてくれた両親に感謝しています
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さて 少し脱線した気がしますが 馬との暮らしを綴ります
この新天地は馬との暮らしを実現するために探して奇跡的に出会いました
2006年6月 旦那と当時7歳の長男 0歳の次男 愛馬5名(引き取った子達)と愛犬8名 愛猫10名(犬と猫は保護した子達ばかり)の大所帯で引っ越してきました それまでは旦那の実家の社宅住まいで馬たちは敷地内の土地を借りて養っていました 周囲は競走馬達が居て気を遣う毎日 新天地への大移動はものすごい労力でしたが【自分たちの家と土地が持てる❣】これがどれほどの活力になったことか… 旦那共々悦びに満ち溢れていました
誰に遠慮することもない 犬たち馬たちと伸び伸び暮らせる場所 家も敷地の建物もボロボロ その辺には廃車やごみが山になっていました 地面にも有刺鉄線や破片が埋まっていたりで 少しづつ片づけて安全な場所を確保していきました 土地を愛する 木々に感謝する 景色を自分たちで創っていく事が人生を築いていく事 この気持ちが大きかったです 馬もそうですが命たちが棲む場所として 小さな聖域として絵のような美しい景色を創りたい❣ 移住して18年経った今やっと形になってきた気がしています 此処はどの季節も美しいですが 周囲の唐松が黄金色になる秋は最高に素晴らしいです そこに佇む馬たちの美しさ 何もかもが芸術作品です
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秋色の中の馬 もう天国を絵に描いたようです
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生きている事がこんなにも嬉しそう!
【生きている時に棲める天国】
自分の中にはいつもこのコンセプトが在ります 誰も束縛されない自由な命たちが暮らす場所 そうなんです 馬たちもですが 我が家の命たちはここで活きてここで天寿を全うするのが仕事なのです
【生きる】事を【活きる】と書く方が自分にはしっくりきています^^
18年の間 子供たちは沢山の命たちと関わり成長してきました 此処に来てから山羊や羊 鶏も仲間入りしてきました あの頃の家族たちは皆天寿を全うして星になりました それぞれに精一杯活きて空へ帰っていきました 勿論家族で看取ってきました
【教育】とかいう観念は無いのですが 沢山の命と共に暮らして 彼等が老いたり病気で死に向かう姿を傍で見守り天国へ送り出す きっとこれだけで人として得ることは大きいと思っています 子供たちが生きて行く上で大切な学びになると信じています
勿論 子供たちには色んな意味で我慢を強いることもあったり 他の子供たちと違う体験を沢山させてきたことを認めますが 我が家なりの一生懸命な子育てだったと今は理解してくれていると思っています
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人間4名と生き者40数名の田舎暮らし 目まぐるしく過ぎていく日々や季節の中に沢山の喜びも感動も大変さも混ぜこぜで 大変だったけど楽しい日々でした
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冒頭にも書きましたが 2人の息子たちは就職と進学で家を出て 今は旦那と愛馬17名 愛猫3名の暮らしになりました
旦那は馬の装蹄師が本業で道内を忙しく走りまわる日々 自分は馬たちのお世話と我が家の広大な森や敷地の環境整備をやりつつ 絵や作品作りに取り組む日々です
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58年間の人生で積み重ねてきた事が確実に実現しています 一番の理解者であり協力者でもある旦那は勿論 自分を取り巻く方々の理解と協力 物事の必然が起きていることも実感しています 感謝しかありません
30数年(中にはそれ以上)の寿命が在る馬たちと共に活きて共に年を重ねています 全員を天国へ見送ろうと思うと自分は80歳過ぎてしまう計算です^^
毎日毎日が気力と体力勝負です 幸運にも人を乗せたりイベントで馬車を曳いたりお仕事が出来る馬も数名いますので 今は馬たち自身で飼い葉(ご飯)代を稼いで働けない子達も養ってくれますが 家は問題を抱えた馬や高齢馬が殆どなので収入の見込みは有りません 彼らの維持費は膨大です これから何年先までも計算すると眩暈がしそうです でも今までも何とか乗り越えて来ました 真夏の猛暑でもマイナス26度の冬でも 365日1日の休みもなく繰り返される毎日ですが それ以上にご褒美を貰えることが沢山在ります 沢山の気付きや感動を貰っています 馬たちが素晴らしい出来事や人との出会いを繋げてくれます 間違いなく【馬は人生の師匠】 自分達は試されている気がします これからも旦那と力と知恵と出し合って 馬たちと自然の中で出来る色んな枝を見つけて みんなで活きて生き抜いて行きます
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『今、いる場所で、今、自分が持っている力で、
今、自分にできることをしろ』
第26代アメリカ合衆国大統領 セオドア ルーズベルト
最後まで読んで頂きありがとうございました
物語はまだまだ続きます^^
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