映画 ◯月◯日、区長になる女。
2022年杉並区長選を追った映画を鑑賞。
時間つぶしのつもりで鑑賞したのだけれど、感動してしまって。
今年1番の映画になった。
※2024年は6月30日現在11本鑑賞している。
ペヤンヌマキ監督作。
私はこの方を存じ上げなかった。
プロフィール見ると
~ブス会*主宰/脚本・演出家/AV監督(ぺヤングマキ名義)~
なかなかの個性派だ。
都市計画で道路拡張のため、ペヤンヌマキ監督の住むアパートが知らぬ間に
立ち退き区域に指定されていたところから映画は始まる。
自分たちの生活を自分たちで守るのが市民活動。
この映画では住民が自分たちの生活を守るため、行動を起こしていき、その輪が広がるムーブメントを追っている。
市民活動、住民活動って、日本ではどうせ無理でしょ。無駄でしょ。な雰囲気がある。
日本財団が2020年に実施した18歳意識調査では、「自己の行動によって社会が変えられる」と感じた人口は2割で、対象国の9カ国で最下位の結果となった。
私自身も以前までどうせ無理でしょ派だったのだが、
最近は変えることができる。と意識が変わっている。
この映画では自分たちの行動で社会が変わる。ということだけでなく、自分も変わる。ということを教えてくれる。
住民の会がこの人を区長にしたいと候補に選んだのは公共政策研究者の岸本聡子さん。
ヨーロッパのNGO職員として世界の自治体における「公共の再生」を調査してきた方で、杉並区に縁もゆかりもないかもしれないが、日本の悪い慣習に染まっていない良い方と良いタイミングで出会えたのだなと思った。
しかし候補にと話をしたときはまだ海外にいて、区長選直前に帰国するバタバタスケジュールの中で、現職の区長に無所属で戦いを挑むことになった。
投票率3割の現状。組織票で勝ててしまう選挙。
そこに住民たちが行動し、投票しない層を巻き込み、187票差で区長選を勝ち取った。
もちろん岸本さんもすごいのだが、
岸本さんの区長選を応援していた地域住民の女性たちが、区長選の半年後に、岸本区長を支えるためには区議会のメンバーを一新する必要があると、区議会議員選挙に出馬していくのだ。
そしてその結果区議会議員の半数が女性議員となった。
自分たちの暮らしのことを話し合うのだから、女性が半分いて当然だよね。
と思う。
区長だけではどうにもならないこともある。
区議会議員まで変えられたことがすばらしい。
自分たちの行動で社会が変わり、その行動により自分自身も変わっていくことが描かれている良い映画。
映画はここでハッピーエンドだけど、
現実はここから。うまくいくこともあれば、うまくいかないこともある。
応援者も温度差があるだろう。
選挙は続くよどこまでも。