鳥インフルエンザ禍の2023年
2022年冬から23年春にかけて、鳥インフルエンザが猛威を奮った。
ハクチョウが県全域に飛来する茨城県は、同時に全国一の養鶏業が盛んな県である。
その茨城県で令和4年冬から5年春までに鳥インフルエンザが相次いで発生し、大量の鶏が殺処分された。
鳥インフルエンザ禍では鶏だけでなく野鳥も犠牲となった。
「牛久沼コブハクチョウまとめ2022(その3)」の最後に鳥インフルエンザが発生したことを書いたが、牛久沼でもコブハクチョウが犠牲になったようである。
牛久沼がある龍ケ崎市からは、"コブハクチョウが感染"と発表はあったが場所は明らかにされていない。
龍ケ崎市には他にもコブハクチョウ生息地がある。
ただ犠牲は4羽に及び、そこまでまとまって生息しているのはこの公園しかない。
現に牛久沼水辺公園は12月終わりから2月初めまで立ち入りできなかった。
2月9日に解除後初めて水辺公園に行った時には、ハクチョウが公園内に入ってこれないようにされていた。
現在(2023年7月)はハクチョウも自由に公園内を闊歩している。
一方渡り鳥のハクチョウ飛来地でも、鳥インフルエンザ対策により餌を与えるのが禁止された。
こちらは土浦市の乙戸沼公園、1月中旬に餌やり禁止が徹底された(もともと禁止だが、半ば黙認されていた)
小美玉市は県内屈指の養鶏業が盛んなまちである。
その西部にある池花池は、ハクチョウ観察のための展望台が立ち入り禁止となった。
人から餌をもらえなくなったオオハクチョウは、池から北東側の田畑と池を移動していた。
かつては人から餌を与えられるため、日中は大半が池に待機していたが、餌やり禁止後は日中大半が池からいなくなってしまった。
「(鳥インフルエンザは)ハクチョウに罪はない」と言った地元の人の言葉が耳に残る。
本来インフルエンザウイルスは、ハクチョウを含むカモ科の鳥と共存関係にある。
何万年もかけてようやく無害化したのに、何が再び有害にしたのだろうか。
鳥インフルエンザの問題は1年で収まるわけがない。
今年の冬もまた問題になり、越冬地は立ち入りが制限されるだろう。
ハクチョウとかつてのように触れ合うことはもうなくなるのだろうか?