コブハクチョウ育成記録(2)
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2021年5月
4月下旬に孵化したコブハクチョウの雛たちは、ゴールデンウィークで賑わう公園の中へ。
コロナ禍だったこともあり、人混みを避けてこの公園内にテントを張ってキャンプする親子が目立った。
公園正面の沼からの入口あたりまではすでに、4月末には来てたびたび上陸していた。
しかし、公園奥まではまだ入ったことがなかった。
やはり8羽も雛がいると豪華である。
公園にいた人たちが珍しいものをみたとスマホで写真撮影していたが、全然怖がらずに親鳥が先導して公園奥の草地に向かっている。
前の日に雨がしっかり降ったのであちこちに水溜りが目立つけど構わず直進。
一列になった雛鳥がピーピー鳴きながら、おぼつかない足取りで歩く姿は本当に可愛い。
親鳥を先頭に草原を横切り、また沼へ戻る。
オス親はたくさんいた見物客を威嚇をして道を開けていった。
今思うとここまで両親鳥がしっかりしていた例はこの後も見たことがない。
コブハクチョウの親は気が立っているので、刺激してはいけない。
嘴を大きく開いてシャーと空気を吐きながら威嚇しているうちに離れよう。
コブハクチョウはまず嘴で突いて攻撃し、それでも効かない相手には翼を広げてぶつけてくる。かなりのダメージで人が怪我をした例もある。
天敵に襲われないように、親鳥は雛達を前後挟んで移動する。
このような入江では、入江の出口付近にオスが留まって敵の侵入に備えている。
親が一番気を使う時期でもある。
それでも雛の数が減ることが多い。意外なところに危険が潜んでいることもある。
係留中のボートなどが嵐のときに凶器となる場合もある。
孵化してから1ヶ月。首も伸びてかなり大きくなったことが実感できる。
この時期は1週間ごとにあうと、どんどん変化していく姿が見られる。
嘴はさらに長く尖り、首も伸びてだんだんハクチョウらしくなってきている。
ただ、鳴き声は相変わらず雛時代のピヨピヨのままなので、声だけでどこにいるかすぐわかる。
雛の毛は成鳥のように油で水を弾かないため、長時間水につかっているとずぶぬれになる。この8羽の雛たちは親が対岸までよく連れて行ったため、よくずぶ濡れになって戻ってきた。かなりのスパルタ教育な(?)親鳥であった。
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