コブハクチョウ育成記録(1)
受難続きのコブハクチョウ
ここのところ、外来種への風当たりの強さと鳥インフルエンザの問題もあり、コブハクチョウは各地でいわゆる「邪魔者扱い」されている。
2022年は鳥インフルエンザ禍、2023年はその余波で雛が追い出されるなどで、雛の成長記録がつくれない状況である。
ここでは2021年に生まれた雛たちの成鳥記録を掲載する。
2021年4月
2021年4月、場所は龍ケ崎市の牛久沼にある"牛久沼水辺公園"。
その公園の西側水路内に巣を作ったコブハクチョウは
4月24日か25日に8羽の雛を孵化させた。
内訳は白羽2羽、灰羽が6羽である。
4月25日はほぼ1日巣で過ごしたが、翌26日には早くも沼に出ている。
ハクチョウの雛は孵化してからすぐに泳げ、自分で餌を摂ることができる。
この辺りがツバメなどと違うところである。
ハクチョウの雛は小さくみえるが、それでもスズメよりは大きい。
雛らしくピヨピヨと盛んに鳴く。
孵化したばかりの雛は首が短く、嘴も小さくてハクチョウのイメージからは離れている。
まだ水に慣れないので、水に浮いて泳ぐのがやっとで、餌を少し食べたあとはすぐに巣に戻る。
雛が孵化したばかりはカメラマンがたくさん集まるが、背中に雛を乗せるシーンが撮影するのが目的である。
なかなか見られないので1日つきっきりである。
コブハクチョウの動きに一喜一憂するのがこの時期である。
背中に5羽とか乗せている写真は非常にレアである。
背中に乗られるのを嫌う親鳥もいて、背中に乗っているシーンはなかなか見られない。
この親は積極的で、3日後には沼の対岸まで雛を連れて行ったが、親によってはなかなか巣の近くから離れられないのもいる。
雛が背中に乗る期間は、非常に短い。
そしてもう雛が乗らなくなるとカメラマンがあからさまに減ってしまう。
そのぶん撮影はしやすくなるけども。
子供が無事育つかどうかは親鳥、とくにオスの力がものをいう。
ここまで親子以外のハクチョウが写っていないのは、オスが周辺のハクチョウを全て追い払っているからである。
それができないオスはやがてどこかに消えてしまい、メス片親となって途中で消える雛が増えてしまう。
雛が可愛いからと迂闊に近づくと、少し離れた場所にいるオス親に不意打ちをくらい怪我をすることがある。コブハクチョウ親子見学時には気をつけてほしい。
生まれてから1週間、生まれた時よりは嘴が伸びてきた。餌として食べる草を食いちぎるために、雛はまず嘴から発達する。
この親鳥はオスだけでなく、メスもしっかりしていた。
両親がしっかりしている雛は幸せである。
次の記事
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?