コブハクチョウ成長記録（４）
2021年8月から初飛行まで
コブハクチョウはヨーロッパから中央アジアに住んでいるが、冬はユーラシア大陸を横断して中国や朝鮮半島にまで渡りをするグループもある。
渡り鳥でもあるため、早く飛べなくてはいけないという点は、他のハクチョウと変わらない。
灰羽は孵化したときより濃くなり、灰色というより茶色っぽくみえる。一方白羽は一見成鳥と区別がつかない。
8月になると目に見えて翼が大きくなる。そして注目してほしいのは灰羽のほう。
翼が大きくなるにつれ白い部分が目立ち始める。特に翼は内側が真っ白である。
8月3日に比べても8月29日のほうが、灰羽は全体に白っぽくなっている。
白羽の幼鳥と成鳥の違いは嘴の色が薄いことである。
成鳥はほぼオレンジ色だが幼鳥は薄ピンクに近い。
9月8日、公園についたばかりでまだカメラも用意ができていなかった。
何か飛んでいる。
慌てて撮ってみると
残念ながらピンボケであるが1羽は灰羽の幼鳥とわかる。
雨が降っていた日で暗く、ISOを晴れた日基準にしていたため、シャッタースピードが遅くなり、ハクチョウの飛ぶスピードに追いついていない。
だが、それだけ驚いたということ。
あの雛から追ってきた幼鳥が空を舞っている。
ついにこの日が来た。
4ヶ月半に満たなかったけど長く感じた夏だった。
空を舞うようにはなったけど、まだ時々ピヨピヨと鳴く。そして相変わらず親のあとをくっついて歩く。
このシーンはまだ小さな雛だった頃から変わっていない。
親が以前より他のハクチョウを追い払うことが減り、群れと一緒にいることも増えたが、まだ基本は家族で過ごしている。
幼鳥は散発的に空を舞うが、まだ飛行時間は短くて飛べないまま中断するときもある。
孵化してから5ヶ月ほど、ようやく"醜いアヒルの子"達はハクチョウとして羽ばたこうとしている。