メキシコの年忌法要、Levanto a cruzに参加した話。
どうも!
早速ですが先週の月曜日、同僚の祖母の年忌法要があるというので、参加してみました。
※ 年忌法要とは、決められた年の命日に行う、追善供養のこと。
※ 日本でいう一回忌、三回忌・・・の法事。
メキシコのカトリック教徒は、年忌法要(以下、法事)を亡くなった年の翌年と、亡くなってから7年後、それ以降7年後・・・と、7年おきに開催するとのこと。
今回の法事は、同僚の祖母が亡くなってから7年後のもの。
週初めの月曜日、同僚の家で夜8時30分から開始(終了、夜11時30分)。
日本のように親族だけで執り行われるものではなく、
近所の人や職場の人たちに声をかけるので、多くの人がく参加する。
大体50人くらい集まっていたような。
月曜の夜から元気だなァ。。
この町は田舎だからか、都市部よりもより敬虔なカトリック教徒が多く、
法事もカトリックの教えに基づき、厳格に行われているみたい。
それではさっそく、メキシコ版法事「Levanto la cruz」について説明するよ。
Levanto la cruzとは
スペイン語で「十字架を起こす」という意味。
その言葉どおり、寝ている十字架を(物理的に)起こすのだ。
起こした十字架は、翌日にお墓に建てるらしいんだけど、
大丈夫です、ちゃんと説明します!
※写真・動画はすべて許可を取ってます。
その1:十字架を持って、歌いながら当該宅へ練り歩く。
この十字架は、近所の花屋で調達したんだって。
この十字架を先頭に、他の参列者は火を灯したロウソクと花を持って、
「ペニペカドーレス」という歌を歌いながら会場へ練り歩く(約200mほど)。
動画撮ったのでこちら。50秒くらい、暗闇の中をメキシコ人がただ練り歩く動画です。
その2:十字架、当該宅へ到着。
法事を執り行う家では、その家の親族たちが、ロウソクを持って十字架の到着を待っている。
ちなみに、ここまでの登場人物は
・十字架を持って練り歩く人たち(参列者)
・ロウソクを持ってそれを待つ親族
なんだけど、他の参列者たち20~30人は、この時点で既にこの家で待機していた。
親族が十字架と対面したのち、順々に十字架に焼香して、十字架を清める。
『焼香をする』という表現が正しいか分からないけど、要するに焼香台を持って、十字架に煙を振りかけて清めるということです。
日本と同じようなことをやるんだなぁと、少々驚き。
ちなみに香りは日本のものよりもう少しアロマティックでした。
その3:お清め後、十字架が室内に飾られる。
故人の写真が飾られた派手目の祭壇に、十字架を寝かせた状態で置く。
このロウソク、専用の台を使わず、立てて直置きしてたんだけど、いつ倒れるかソワソワした(結局倒れなかったけど、こういうところ本当にメキシコ!)
故人の写真は、同僚祖母が雲の上にいるような感じに加工されてて、祭壇の写真めちゃくちゃポップやん!とツッコミをいれたわ。
その4:司会に従って、みんなで祈祷文を唱える。
家の中には司会、ギター演奏者、コーラス部隊がスタンバイしてて、
皆でカトリックの歌を歌ったり祈祷文を読み上げる。
聖母マリア、#-£+*!9!',¥π×°=…(※聞き取れず…)
決まった祈祷文があるらしい。
決まり分らしく、みんなスラスラと言えていた。
ここまでで開始1時間30分ほど。
その5:待ちに待ったお食事タイム
メキシコの法事では、参列者すべての人に軽食と飲み物が振る舞われる。
これ、リアルな話主催側は本当に大変だと思った。
50人分の食事を作って、お酒や飲み物も注いで回って。。
今回振る舞われたのは、
・コンソメスープ
・パン何種類も
・パスタ
・辛いウインナー
・クッキー
・テキーラ、お茶、コーヒーなど
そして、メキシコの催事では欠かせないお酒「トリート」。
結婚式でも飲まれるし、法事でも飲まれる、庶民的なお酒。
各家庭でも作ってるんだって!作り方聞きたいな〜
ココナツ、コーヒー、ピーナッツ、卵味があったんだけど、それぞれの素材の味が濃くて、とても美味しい。
ピーナッツ味は、粒々とした食感も残ってて一番美味しかった!!
アルコール度数はそこそこ強い気がするので注意!
こんな感じで、みんな飲んで食って。
タダ飯だからって、パンをポケットに詰めてるおばちゃんもいた。
半分ご飯食べに来てるという感覚でもあるのかもしれない。
この国は、そのあたり寛容だと思う。
その6:ようやく十字架が起きる!?
親族の方が2人、十字架の側に立って十字架を起こす準備!
ギターの生演奏とコーラスの歌に合わせて、2分ほど掛けゆっくり十字架が立てられていく!(もう待ち切れない!早く!早く!!)
十字架が起こされる様子も動画に撮って見ました。
かなりもどかしい動画になってしまった(こちら)。
じゃーん。無事、十字架起きました!
これで法事は終わり…か?と思いきや、
こっからが長い長い。
その7:起きた十字架を清める。
まず親族が、起床した十字架と親族が対面した時のように、焼香台を十字架にかざして清める。
さっきは親族だけの儀式だったけど、十字架起床後は参列者もこの儀式をやるとのこと。
この間もずーっと演奏とコーラスは続いている。
その儀式長さと、諸々(景色、匂い、煙などすべて)に圧倒される私。ご飯が終わってからがメインイベントだったか…やられたぜ!
その8:祭壇を片付けて、参列者は解散!
全員の作法が終わったら、パパっと祭壇を片付けて、一通り飾ったあとに終了!
この、参列者がいるのにパッと祭壇を撤去しちゃう辺りがオモロイのよね〜
効率的でよろしい!
翌日に、十字架をお墓に立てて完了!
メキシコ人から話を聞いたり、実際に参加してみたところ、
Levanto la cruz(十字架を起こす)というのは
墓石に立てるために起こす、もしくは起こした十字架を墓に立てるという意味だと、
個人的に解釈しました。
ちなみに翌日も多少参列者がいるみたいで、
またご飯が振る舞われるらしいよ。
そりゃ行きますよねえ
なーんて、それも文化。
ご飯食べにでも、たくさんの人が来てくれるなら、故人も偲ばれるのかしら?
ちなみに、今回は同僚の祖母にとって初の7年目法要だったわけだけど、このあとは「覚えていれば7年後もやる」って言ってた。
そのへんも厳格な決まりはない。
うーん、ゆるい!
次もやるかどうか分かんないなら、
一回を盛大にやってもいいのかもね。
おわり!