『ライナー定型』を使いこなし、悪魔…から世界を救う英雄になろう
※この記事は『進撃の巨人』本編のネタバレを含みます。「まだ進撃の巨人読んでいないけど、ネタバレするのはなんか嫌だなぁ」という半端な、クソ野郎(言い過ぎ)は進撃の巨人本編を読んでからご清覧ください。
皆さんは「インターネットレスバトル」を経験したことがあるでしょうか。ないという方は、しなくていいです。実はあまり知られていないのですが、インターネットでは争いをするより、みんな仲良くしたほうが楽しいんですよね。
しかし、兵士には、いくらか不利な状況でも、逃げては行けない時がある。相手がなんであろうと、大砲でも格闘術でもライナー定型でも使いこなして、それが力を持つ兵士としての責任だと思うからです。
なので、皆様がレスバで勝てるようにレスバトルに於ける基本戦術の一つ、「ライナー定型文」を伝授します。しっかり覚えて、名誉マーレ人として悪魔の末裔を根絶やしにしてやりましょう。
※ライナー定型、又はライナー構文とは、大人気マンガ『進撃の巨人』のキャラクターライナー・ブラウンが作中に使用したセリフを用いてレスバトルを有利に進めるための戦術の一つである。
基本形
「その通りだガリアード お前の言ってることは全て正しい」
解説:基本的にライナー定型はコンボ技であり、これはそのコンボを始動させる定型です。コンボ技は破壊力は抜群ですが、要求値が高いことがネックだというのが、今までのレスバ界の定説でした。
しかしこの定型は、相手は自分が正しいと思っている、というレスバが始まる根本的な動機を利用した最強の技です。つまりレスバトルが始まってしまったという既成事実ができたその瞬間、コンボは確定し、相手はガリアードになります。
コツは相手をどれだけ肯定できるかです。上辺だけではなく、自分がどうしようもない半端なクソ野郎だという事を自覚し、しっかり悪いのは自分だと戒めましょう。
「…すまない」「あぁ…そうだ…あぁ」
「あぁ それでいい わかっている…」
「もう嫌なんだ 自分が… 俺を殺してくれ もう消えたい」
解説:肯定しているように見えて相手の話を全く聞こうとしないのが腹立ちますね。自己完結で相手の意見を封殺し、苛立ちを増幅させましょう。
こうなるとコンボは確定しているので、俗にいう欲しがりループの始まりです。相手からの攻撃を誘発し、好きなだけ自戒し、快楽を得ましょう。
この時相手の意見を聞くのは駄目です。もし相手が自分の大切なものを壊そうとしてきたら、自責の念を抱きながら戦士として戦いましょう。戦士である自分と兵士である自分を都合よく入れ替える事がポイントです。
「違う!!違うんだエレン…!!」
「…あれは…時代や環境のせいじゃなくて俺が悪いんだよ。お前の母親が巨人に食われたのは俺のせいだ!!」
「許さないでくれ 俺は… 本当にどうしようもない」
解説:相手がこちらに理解を示し、なだめてきた時に使いましょう。なだめてきた相手の母親が巨人に食われます。
具体的には、「仕方がなかったってやつだ」「…もういいって」等を言われた時に使います。
基本定型の弱点である平和解決√をカウンターする定型ですね。ライナー定型を使う上で、あれはしょうがなかった、と開き直ることはありません。罪悪感をこれでもかと膨らませ続けましょう。そうする事で、非難される事が心の救いとなる状況を作り出し、こちらが一方的に気持ちよくなることができます。
変則形
「待っ———」
「んんんん んんんん」
解説:相手が暴力を振るってきた時の定型です。この場合、相手はジャンという事になります。
客観的にどう見ても勝っているようには見えませんね。しかし、ライナー定型はレスバで勝利する事ではなく、勝敗をうやむやにしてこちらが気持ちよくなるためにあります。それに対して、相手は拳と心を痛めた上に、かなり不快な気持ちになります。
さらに、客観的に相手を加害者のように仕立て上げ、周りから同情と共に我慢強いブラウンの称号をもらうこともできます。この定型は対複数戦にも応用が利き、攻守共に優れた定型と言えますね。
「ここは俺が!!」
「俺は務めを果たした もう…任せても…いいよな」
解説:自分が犠牲になれる状況があればすぐさま使いましょう。辛いことから目を背け、英雄として安眠することができます。
しかしこの定型には「ダメに決まってるだろ!!」という完全解があるので、多用は禁物です。大義名分を得て簡単に死のうとするなという事でしょうね。
「今…お前…何って言った?"九つの巨人"を継承する名誉を冒涜したのか?」
解説:相手が九つの巨人を継承する名誉を冒涜した時に使いましょう。普段から優しく相手に接し信用させ、(ブラウンさんならわかってくれるかも)と思わせた上で、唐突に声色を変えて言う事で凄みが増します。その後のさりげない助言も忘れずに行うと丁寧です。
「うる…さい 静かに…してくれ…頼む……静かに…」
解説:「ライナアアア」「ライナアアアアア!!」「ライナァアアア助けてええええええ」とうるさい相手に対して使いましょう。この後、戦士として戦うことでさらに罪悪感を膨らませることができます。
汎用性があり、コンボの邪魔もしないバランスのとれた定型です。
「アニは俺の命令にしたがっただけだ」
「俺たちがあの日…壁を破壊したからだ…」
解説:原因を追究された時や、誰が悪いか問いただされた時に使いましょう。なんの脈絡もなく壁というワードを出すだけで、相手の怒りをさらに助長する事ができます。
自分が悪いと相手に伝えることで、相手から怒りの言葉を引き出し、「その通りだガリアード」まで繋げることができます。
「謝ることすらおこがましく思える」
「…よく我慢できたな」
解説:自分で書いててライナーの人をイラつかせる才能に震えています。
全然関係ないですが、原作のこのシーン大好きです。あのシーン一つだけでも、みんながやってきた事が少しでも報われたような気がします。
「コニー!お前は今がどんな状況かわかってんのか?」
「違うってんなら今ここで証明してみせろよ!!」
「もう俺には…何が正しいことなのか分からん」
「俺達はガキで…何一つ知らなかったんだよ」
「ドベはお前だった、それだけだろ?」
「マルセルの記憶を見たのか」
「これで祖国マーレが救われるならありがたいことです」
「『この部屋にはいない』…か」
解説:基本的に使う必要はありませんが、知っておくと便利です。
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僕は『進撃の巨人』で1番ライナーが好きです。
原作が最終局面に差し掛かり、寂しい気持ちです。
この記事ではライナーを自分が自戒される事で快楽を得る欲しがりマゾゴリラのように扱いましたが、原作でのライナーはそんな事はなく、割とちゃんと反省していると思います。たぶん。きっと…
冒頭でも書きましたが、レスバトルなんてしない方が良いです。誰が勝っても負けても空しいだけです。そんな事しなくたって僕らはもう十分に自由なんですから。だからもう争いあわなくていいんです。悪魔なんていなかったんですね。島にも、そしてインターネットにも。
…少し話しすぎた。この話は忘れてくれ