【テクノロジー最前線考察】量子とAI、そして宇宙
【居住可能惑星】プロキシマbに行く【StarChip】
プロキシマケンタウリbは、テラフォーミング先として有望な候補なのでしょうか。太陽系から4光年離れた場所に位置するこの星は、太陽よりもはるかに小さい「プロキシマa」という恒星系の惑星です。
プロキシマケンタウリbは潮汐ロック(自転せずに同じ面を向け続けて公転すること)のある星ではないかという論調もあり、まだそれに関して知られていることはあまり多くありません。実際、人間が今の技術でそこへ行こうとしても40兆キロメートル以上離れた場所であるため、普通にいけば10万年くらいかかります。
日本が開発したイカロスというソーラーセイルなどは光速の2割で進める可能性があり、20年で到達することができます。こういった意味ではイカロスはものすごい偉業を成し遂げたんじゃないかと思ったりします。
ちなみに、マークザッカーバーグやスティーブンホーキングが主体となって立ち上げた、ブレークスルースターショットでは、このイカロスシステムを用いたStarChipが考案されたりしています。この計画では、明確にプロキシマbを目標にしており、120年でそこに行こうとしています。
恒星間航行に関しては、いろいろと計画があり今後光速に近い(5割程度?)宇宙船が開発されることがあるかもしれません。
【巨大地球型惑星】グリーゼ581は本当に住めるのか?
プロキシマケンタウリbは確かに有望な居住可能惑星として認識されていますが、地球から20光年離れているグリーゼ581dもまた、非常に重要な惑星として知られています。これは、グリーゼ581系第4惑星であり、ハビタブルゾーン内に位置しているゴルディロックス惑星の可能性が示唆されています。
この惑星を最も特徴づけるものは、それがすべて深い海で覆われた海洋惑星である可能性が高いことでしょう。しかし、前述した通りグリーゼは光の速さでいっても20年かかり、現在の航行法では30万年もかかってしまう遠方の惑星です。
また、質量が地球の7倍ほどあり、シンプルに地球の二倍ほどの大きさであるため、重力も同様に2倍ほどになると考えられています。また、グリーゼ581dの周りには3ほどしか惑星がないと考えられており、恒星から受け取るエネルギーも地球に比べて7割程度と少なくなっています。
このようなデータに基づくと、グリーゼに住むというのは全く想像できない話であることがわかります。
実は、グリーゼは581dが先に見つかったようになっていますが、もう一つ581gというモデルも発見されており、こちらもハビタブルゾーン内の星として知られています。そして、全面海洋で覆われている581dとは異なり、581gは岩石惑星であることが予測されています。そして、このグリーゼ581gは潮汐ロック惑星として知られており、恒星に対して常に同じ面を向けて公転しているため、惑星の一面は昼、裏側は夜という状態が永遠に続きます。
この潮汐ロック惑星はプロキシマケンタウリbという地球から4光年先にあるゴルディロックス惑星でも同様なことが起きています。また、グリーゼ581dは公転周期が67日であり、581gは32日と、非常に短期間での周期となっています。
ちなみに、581gの方は重力が地球の1.1から1.7倍程度であり、581dよりも地球に近い重力環境であることがわかっています。しかし、潮汐力による時点の固定が惑星表面の温度を灼熱と極寒に隔ててしまってもいるので、季節というものがありません。生命が活動維持していくには、その境界線であるエリアで過ごしていくほかないとみられています。
ハビタブルゾーンの中に位置する惑星はトランジット法やドップラー法などの惑星探索法の進化によって一気に進みましたが、実際に住める可能性が高いところはあまりないのではないかとも思ってしまいます。海洋しかないグリーゼ581dや、潮汐固定の581gはどちらもハビタブルゾーンにあると言いますが、その他の要因によってあまり住むには適さない星である気がします。また、これはプロキシマケンタウリbにも同じことが言え、地球から近いハビタブル惑星とはいっても本当に住めるのかどうかは別問題なのかもしれません。
【宇宙ヤバイ】2025年の太陽フレア襲来は警戒すべきか?
まずもって、2025年に太陽フレアが来るかどうかは別として、「宇宙系のビジネス」の盛り上がりでそれが取り上げられまくる可能性は高いと考えています。
太陽フレアとは、太陽系で最大の爆発現象で、多数の波長域の電磁波の増加によって観測されるものです。特に大きいものは白色太陽フレアとも言います。
ウイルスのコロナの次は宇宙のコロナかよ、と突っ込みたくはなりますが、実際太陽フレアは高温のコロナプラズマによってもたらされるもので、それによる衝撃波やプラズマ波が磁気嵐となって地球に接近することで起こります。
このような現象を受けて、日本でも対策活動が活発となっています。例えば、太陽フレアもろもろを予測する宇宙天気予報士などの育成や、資格制度の創設が議論されています。
今後、様々な領域で宇宙へのアプローチは増えてくることが予想され、太陽フレアへの関心も同様に増加していくでしょう。太陽はあまりにも巨大すぎる惑星であり、その影響をコントロールするのは容易ではないため、多少の知識があってもいいかもしれません。しかし、それはあくまでも知識であり、実用性があるかどうかはわかりませんが。
【詳解】量子コンピューターについて
近年注目を浴びるテクノロジーであり、最もマカフシギであるといっても過言ではない「量子コンピュータ」ですが、今回はそれについて解説していきます。
量子コンピューターとは何なのか?
結論から言うと、「新しい物理特性を使った計算機」です。量子コンピュータで最も重要なワードは何かといわれれば、まさに「量子性」でしょう。
量子とは何なのか?という疑問はこの自然界の諸現象に対する問でもあり、物理学としてそれらを考える必要があります。
しかし、この量子コンピューターはそれらとは異なり、自然界における量子特性を内包したコンピューターになるため、仕組みという意味では、これまでのロジック回路とは異なる部分があります。
この量子特性というのが「波動性と粒子性」です。量子力学では、電子や光子などが二つの性質を持ちます。量子コンピューターでは、これらを切り替えながら計算するという仕組みを取っており、これはこれまでのコンピューターとは全く異なるものといえます。
従来式コンピューターでは、論理回路を組むことで演算を行っていましたが、量子コンピューターでは量子回路というものを利用します。この量子回路は、計算を量子状態の相互作用の結果として考えるため、入出力に対して可逆なシステムとなっています。
また、量子コンピュータに触れると、量子テレポーテーション、変分量子ソルバーや回路QEDなど、そのすそ野へのアプローチも見えてきます。
例えば、変分量子ソルバーといわれる、変分原理を用いた最適化手法などは、化学材料分野への応用が期待されており、「物質のプログラム」をAIのように最適化することができる可能性があります。このような技術が例えば、ここでは紹介していない「バイオインフォマティクス」と出会ったりした場合、オーミクスとの親和性をある程度発揮するかもしれません。
増え続ける量子ボリューム
コンピューターにおいて、その処理性能を示す指標として挙げられてきたのがムーアの法則です。これは、コンピューターを作る半導体の性能が一年おきに2倍になることを示しており、同様なことが量子コンピューターでも言われています。
実際、現在の量子コンピューターはおおむね100量子ビットから200量子ビット付近の性能が堅く実現できており、2025年までには1000量子ビットを超えるものが出てくると予測されています。
1000量子ビットが実現した場合、何らかのアプリケーションは作られるとみられており、量子コンピューターに関するブレイクスルーが実現すると考えられています。これまでのところ、量子ボリュームの水位はまさにムーアの法則のごとくであり、その地平線はどこまで広がるのか不明ですが、将来的には非常に大きな量子ボリュームが実現されていることが予測されます。
トポロジカル量子コンピューター
トポロジカルな量子コンピューターというのも現在では開発されているようで、特徴として「フォールトトレランス性」が挙げられます。このフォールトトレランスとは、システムが破壊されても補完的に動くことを示しているもので、破壊代替性のような意味合いを持ちます。
量子コンピューターは、量子回路という入出力が可逆である計算システムを利用し量子状態の時間発展による作用結果が計算結果となります。この量子回路をトポロジカルな物質を利用することにより、環境ノイズによる量子状態の不安定化を防ぐなどの取り組みが行われています。これは、現在使われているほとんどの量子コンピューターがNISQと呼ばれる「低規模で環境ノイズが内在するコンピューター」であり、そこから脱却することを目的としているために起因します。
そのため、NISQのことをNISQデバイスとも呼んだりします。
なぜトポロジカルな物質が量子状態を安定化させるのかについてですが、非常に難しいため無視しても構いません。
トポロジカル特性をあらわにしているのがマヨラナ粒子といわれる中性粒子で、電子や光子などのフェルミオンやボゾンの従うルールとは異なる振る舞いを見せることで知られています。
FTQC時代の主流方式は何になるのか?
先ほど紹介したトポロジカル量子コンピューターは、まさにFT(フォールトトレランス)なものですが、来るFTQC(フォールトトレランス量子コンピューター)時代はどのような方式が主流になっていくのでしょうか。
これまで、量子コンピューターの方式としては、超伝導回路を利用するか、光回路を利用するか、デジタル回路を利用するかなどが主流でした。最初に登場したのは量子ゲート方式といわれる超伝導回路利用のものですが、その後は光量子コンピューターやイオントラップ、またはシリコン量子ビットなど、いろいろな種類が誕生してきました。
このFTQC時代になると何が重要なのかといえば、端的に既存のスパコンよりも量子コンピューターのほうが優勢になることです。これまで、量子スプレマシーはグーグルや中国企業がしのぎを削ってけん制しあっているものでしたが、それは飽くまでもスパコンでも代替できる程度のものでした。しかし、それはNISQデバイスだから言えることであり、ポストNISQであるFTQCでは話は異なるようです。
ネット上のソースでは、FTQCとNISQが混同したものが最新であると記載してあるものもあります。
SBTについて少し調べてみた【譲渡不可能】
譲渡不可能なSoul
非代替性トークンであるNFTは、2021年に非常にブームを巻き起こしましたが、2022年はSBTがその代役を務めるかもしれません。これまでNFTはアートや音楽などを一点もののようにミントすることができ、コピーという言葉を排除することに成功しました。
しかし、一方でそれはただのJpegであり何の価値もないなどの指摘もあり、これは前々から想定できましたが、NFTのアップデートは迫られている状況でした。
SBTは、譲渡不可能性を示すトークンらしく学歴証明や医療記録、パスポートやチケットなどに利用することができ、誰にも渡すことができない特性からWeb3のアイデンティティ作成要素になると考えられています。
SBTを用いると、DAOも対象になってきます。現在のDAOガバナンスはガバナンストークンの発行によって行われますがイーサリアムのトークンは譲渡可能な市場でも行われます。
SBTは譲渡ができないためDAOメンバーの投票権のような機能も付与することができ、条件次第で様々なすみわけができることが予測できます。似たような仕組みとしてPOAPというものがありますが、SBTはそれらをいろいろな形で補完していくことが予想されます。
SBTが実社会に実装されたとき、DeFiを超える分散型社会が誕生すると言われており、ブロックチェーンが見据える次の地平になるかもしれません。
個人的な見解
しかし、このSBTは一瞬非常に輝かしいものに思えますが、もしも永続的にこのトークンがウォレットに堆積していく場合、自分の門地というものが良くも悪くも出来上がってしまいます。その門地の格差が新しい問題にもなるのではないかと考えており、時限式のSBTなどが今後主流になっていくことを少し望んでもいます。
ガラスとは、タイムマシンである【技術の世界史】
この何の変哲もない文章は、人類がこれまで発明してきたテクノロジーの結晶が詰まっているといっても過言ではない、そういうことを解説した本がありました。
今回は、アマゾンで発見した2016年出版の本、「世界作った6つの革命の物語」から、面白き視点を得たので感想を述べたいと思います。この本ではいくつかの革命的なポイントをpickしており、以下のものが挙げられます。
この本で最も目からうろこなポイントは、「因果関係」でしょうか。何かを0から生み出すことは、ほとんどその前に何らかの影響があったことを忘れてはならず、逆に何かがあるという視点です。これは非常に面白く、今まで私が興味を持ってきたそのほとんどが、その前に何かがあったからだという前提があります。
この指摘は、例えばいい人生を送りたいなら、この仕事に就きさえすればいいとか、多くの仕事が舞い込んでくるためには、このポイントを押さえさえすればいい、といった思考に対する問題提起のようにもとらえることができ、考えることの間隙を垣間見ることができます。
AI Vtuberから眺める"完全自動化世界"
AI Vtuberの出現
Vtuberは、身体をバーチャルにしても声だけで活動できることを証明していますが、声すらも人工的に生成したAI Vtuberが足元でくすぶっていることをご存じでしょうか。
AI Vtuber(育成系Vtuber)は、夕映や紡ネンといったプロジェクトが代表的であり、そのほかにもNENなどジェネラティブNFTによるデジタルアイデンティティ群の所有といったサービスも出てきています。これまでVtuberはファンが所有することはできませんでしたが、NFTというツールを介してAIとしてコレクションできるようになったことは大きいのではないかと思われます。
将来的には、ほとんどのデジタルキャラクターは、AI Vtuberのような存在に代替えされるかもしれません。
AIとWeb3の出会い
AIとNFTの相性は無いようで、非常に親密であり良いかもしれません。DAOに挙げられる投票のシステムが適用されれば、AI VtuberのNFTコレクションは「動的な所有権」として認知されることになり、時間と場所によって姿や性質を変えられることになります。
SBT(Soulbounf token)というトークンがイーサリアム創業者によって提唱され脚光を浴びていますが、これは上記に挙げた「動的な所有権」のコアとして利用することもできそうです。例えば、不変なステータスとしてSBTを入れ、ERC-721を装飾品のように入れたり出したりすることで、それはイメージできるかもしれません。
また、同氏はDAOを「労働者がいる、経営者無しの企業」と表現しており、対する「労働者がいない、経営者無しの企業」として完全自動化企業を挙げています。
ここでいう完全自動化企業は、まさにオーナーのみが存在するだけのAI Vtuberと構造が非常に似ている気がします。例えば、自分が所有するAI Vtuberがメタバースで動き始めたら、それは完全自動化企業と等しいのではないかと思われます。
気づいた方もいるかもしれませんが、AI Vtuberをメタバースで展開する場合、AI Vtuberだけが「AI」を組み込んでいては自動化は完全ではありません。NFTマーケットプレイスやオラクル、データプラットフォームなどにもAIを搭載することでその全貌が出来上がってきます。