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街中での声掛け、その背後に潜む「脱法マルチ」の実態

「社会人サークルに入りませんか?」 「おいしい居酒屋知りませんか?」

街を歩いていると、こんな声掛けをされた経験はありませんか?一見、無害そうに思えるこのような誘い。しかし、近年大阪や東京を中心に、こうした声掛けが多発しており、その背後には若者の人生を大きく狂わせる"脱法マルチ"組織の存在が浮かび上がっています。今回は、その実態に迫ります。


勧誘の舞台裏

金曜日の夜、大阪・京橋駅。仕事終わりの人々で賑わうこのエリアで、不自然な動きをする若い男女がいました。次々と女性に声を掛けて回るその様子は、ただの友人探しには見えません。

取材を進める中で、「社会人サークル」と称する集団が、夢や収入への不安を煽りながら巧妙に勧誘を進める手口が明らかになりました。

「地方から出てきたばかりで友達を探しているだけです。」

一見無害な説明ですが、その背後には組織的な目的が潜んでいます。


甘い言葉の裏側

「事業家集団」や「環境」と名乗るこの組織は、駅や街コンで声掛けをし、連絡先を取得。その後、理想を掲げて次のように誘導します。

  • 「やりたいことを見つけるチャンスを一緒に掴もう。」

  • 「信頼できる仲間と一緒に成功しよう。」

実態:"自己投資"の名の下に

この組織では、メンバーに定期的なセミナー参加を求め、次のような「自己投資」を強調します。

  • サプリメント購入:15万円相当の商品を購入させられる。

  • 勧誘活動:新しいメンバーを増やすことで「師匠」としての地位を得られる。

これらの負担は借金や生活苦に直結するケースが多いのです。


狙われる人々

組織がターゲットにするのは、以下の特徴を持つ人々です。

  • 新社会人:理想と現実のギャップに苦しむ。

  • 地方出身者:交友関係が狭く孤独感を抱きやすい。

  • 体育会系:上下関係に従順で誘導されやすい。

街中で以下のような声掛けがあれば注意が必要です。

  • 「社会人サークルやBBQに参加しませんか?」

  • 「おいしいカフェを知りませんか?」


抜け出した後の現実

脱退後も、多くの元メンバーが嫌がらせや個人情報流出などの問題に直面しています。

元メンバーAさん:「勤務先に嫌がらせの電話がありました。」

一方で、脱退によって精神的な自由を得られたと語る声もあります。


法律の壁

この組織は、連鎖販売取引の規制を巧みに回避し、取り締まりが難しい状況です。

弁護士の見解:「実態を曖昧にすることで、法の目を逃れています。」

規制を強化し、被害を防ぐための取り組みが求められています。


まとめ

一見無害な「社会人サークル」や「友達探し」の声掛け。その背後には人生を狂わせる"脱法マルチ"の罠が潜んでいます。自分自身を守るためには警戒心を持ち、家族や友人に相談することが大切です。

もし街中で声を掛けられたら、その誘いの意図を一度立ち止まって考えてみてください。それが未来を守る一歩になるかもしれません。

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