量子情報と物理学の新地平を考える【デジタル物理学】
ベッケンシュタイン境界やランダウアー原理はあまり知られていませんが、これは情報理論と現実世界との間に明確な関係があることを示唆しているものであり、非常に興味深いものです。
情報の正体
今日情報というものを扱わない日はないですが、そもそもこの情報というものが物理的にどういった概念なのかを考えたことは少ないと思います。
事象の地平面とブラックホールのエントロピー
物理学者のベッケンシュタインによると、時空上に詰め込める情報量の最大限界をベッケンシュタイン境界というらしいですが、このベッケンシュタイン境界とブラックホールの事象の地平面(イベントホライズン)には相関関係があるように思えます。
ベッケンシュタインによれば、事象の地平面はブラックホールのエントロピーに比例していると言い、これは、かのAdS/CFT対応が述べている内容にも総じて言えるところがあります。
量子コンピューターについて
量子コンピューターという言葉がたびたび世間をにぎわせているものの、確かにその言葉の意味不明さが際立つからではないかと思うことは結構あります。量子コンピューターがコンピューター以上に優れているところは、ただの従来型計算機ではないところです。
量子コンピューターのことはある程度シミュレーターという言葉で表現できることもできるように、それがある程度特異な存在であることは想像にむずかしくありません。
物理とは何だったのか?
ここで改めて確認しておきたいことは、物理学自体が「物の理(ことわり)」を意味する言葉なのに対し、その「物」自体も情報として考えることができる?という疑問が生まれてしまうことです。
いわゆる原子や電子は多くの人が知っている物質の最小レベルの構成単位ですが、それも素粒子で出来ているといわれていたり、その素粒子ですら弦によって記述できるのではないかとされ、理論拡張が行われている現在の物理学において、何が物なのかを再定義する必要があるのではないかというのは多くの人が思うところでしょう。
参考文献
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