ホープはパンクである
最近、コロナが深化した世界では、このような言葉が一部界隈を騒がせているらしい。
デジタルキャンプファイア、テックスピリチュアル、フィナンシャルウェルネス、コテージコア。
これは、すべてにおいて癒しにまつわる最近のトレンドらしく、一つ一つ軽く見ていくことにする。まずはデジタルキャンプファイアだ。
これはコロナになってから、DiscordやFortnite、ライブ配信などで「そこにいても否定されないという安心感」がもたらす新しいキャンプファイアの形という意味を持っている。確かにこれは非常に最近ではなじみ深い気もする。
テックスピリチュアルは、占星術のサービスであり、いわゆる自分の誕生日を入力することで時間とともに変化する運勢を眺められるというものだ。すでに米国や中国などでは非常に人気になっているらしい。CoStarやStruckなどがそれにあたる。
そして、最近では投資熱がものすごいことになっている。
付け加えて、暗号資産の登場により、プラットフォームが駆動する「web2」の世界から、プロトコルファーストな「web3」の世界への転換が、ますますフィナンシャルとの接点を密にする。
そんな背景もある中、米国で登場しているのが「フィナンシャル・ウェルネス・インフルエンサー」である。これは、自身の資産運用などの経験から様々なアプローチをとるものらしい。
そして、コテージコアというのはコロナによってうまれてきた新しい生活様式ともいえる。これは地方に移り住んだ人々が、ノスタルジックで穏やかで安心した暮らしを「よし」とすることをベースにした生活スタイルであり、最近のトレンドらしい。
そして、最後に「ホープパンク」という言葉を紹介したい。これは、いわゆる「希望」に対するパンク的な態度を示すものを指す。簡単に言えば、圧倒的な希望に対する反抗的な価値観のことを言う。
意外だと思ったのがこれで、現代の世界情勢や経済的問題、コロナなどの疫病など、先の見えない問題に対して「馬鹿げた希望」を立てることをホープパンクというらしい。
例えば世界平和や火星移住、地球温暖化の防止などだろうか?
どれも馬鹿げた希望であるが、それは一定の説得力がないわけでもない。ただそれが現代を語る物語のアンカーとして機能しかけているということは、イーロン・マスクやグレタ・トゥンベリなどをみれば、ある程度証明しているようにも思える。
不思議の国のアリスには「ラビットホール」なるものがあり、これはまるで異世界のような場所に転移できるポータルとして機能している一方で、一定の「偶然性」があるようにも思える。現代では癒しやホープパンク、そして、メタバースのようなものを通じて、その偶然性を求めているようにも思える節がある。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?