大学の学科の選び方?


離れて暮らす息子くんが、大学の学科によって就職も決まってしまうのか、を悩んでいるようだ。

結論から言うと、そんなん今から悩む必要ないから、まずは目の前の受験勉強をせよ、である。

もし君が医師になりたいとか、管理栄養士になりたいとか、1級建築士になりたいとかを考えているなら、そういう資格を取れる学科に行かなきゃならない。でも、そうではないなら、ぶっちゃけどこの学科に進んでもいいと思う。

例えば、父さんの知り合いの中には、ド文系の文学部から、理系の大学院を経て脳科学者になる、という人もいる。大学の4年間だけで分野が固定されるわけではないのだ。(この例外が適用できたのは、脳科学などのバイオ系分野は暗記科目だから、というのは念の為付け加えておく)

今、息子くんに勧めているのはとある資格のとれる学科だが、それは決してその資格を使う仕事に絶対就いて欲しい、と言う意味ではない。それは、大地震や戦争などのパニック時にも路頭に迷わないための保険程度の意味でしかない(それはそれで、すごく重要なことだとは思うが)。

ただ、資格を取れるような学科で学ぶというのは、高度に体系化されている学問を身につけることと、その水準が国家によって客観的に保証されていることを示す。それは他の分野にも応用できることであるし、全く知らない初対面の人に自分のスペックを理解してもらえる「名刺代わり」にもなる。何の資格も取れない理学部のバイオ系より多少はマシ。とはいえ、それだけのことだ。

さて話を戻すと、どんな学科を選んでも就職先が縛られることは少ない、ということ。ただし、より広範囲に進路の可能性を広げると言う意味では、数学、物理、情報学、といういわゆる理系の基礎科目に強くなっていると、より就職先は広げられるだろう。文学部から数学を使わないバイオ系の大学院に進学することはできるかもしれないが、数学を使う理系分野の大学院に進学するのは困難であろうと思う。なので、よほどの数学、物理アレルギーがない限りは理系基礎を学べる学科がおすすめだ。もし、どうしても物理が嫌だ、というなら経済学科でもいいが、その場合でも受験科目で数学は使って欲しい。

付け加えると、実は学科選びで見落とされがちな要素なのだが、学科で学ぶこと以上に重要なのが、受験科目である。個人的な意見だが、大学で何を学ぶかよりも、受験科目で数学を使ったかどうか、理系選択で物理を選んだかどうか、というのはその後の学力にかなり効いてくると個人的には感じている。なので、ほとんどの私立大文系は残念ながら勧められないし、推薦やAO入試は避けた方が良い。入学の時に楽をしても、将来苦労するのは目に見えている。とはいえ、数学と物理を避けたド文系人生を上手く渡る方法もあると思うので、それについてはまた別の機会に話そう。

まとめると、どんな学科でも就職先を縛る必要はないということ、理系基礎に強い学科の方が進路の可能性が広がる、ということである。そして、親としてアドバイスできるのは、ここまでだ。具体的にどんな仕事が自分に合うのかなんてことは、大学に入ってから友達や彼女と一緒に悩んで考えて欲しい。そういう考える時間を与えられているのも、大学に進学する魅力の一つである。

今日の親父の説教はここまで。


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