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イタリア近代音楽とギター・ピアノのデュオ

現在使用中のブログがサービスを中止してしまうとのことで、こちらに少しずつ記事を移行します。2年前のコンサートに関する記事ですが、イタリア近代のレパートリーはこのコンサートのピアノ・ギターだけでなくフルート・ギターやヴァイオリン・ギター、チェロ・ギターなど様々な編成のものをレパートリーに持っています。有名な曲は少ないですが、非常に奇麗な曲が多く、ホールでのコンサートだけでなくサロンコンサートにも合うものが多いです。コンサートの企画を考えてらっしゃる方など是非参考にしていただければと思います。

2016年7月24日(日曜日)15:30開演
piano : 筒井一貴 guitar : 西垣林太郎
Novecento 「もう一つの20世紀」
2500円 ♪モラヴィアワイン付き♪
ピアノプレップ

 以前からずっと興味があったピアノとギターのデュオは、コンサートの中で数曲というのはしばしば機会があったのですが、一つの公演丸々は初めてで楽しみにしています。ピアノとギターのデュオは主に19世紀以降多く作られましたが、さほどありふれた編成ではありません。音楽に比較的詳しい人でも、ギターもヴァイオリンなどのようにピアノ伴奏で弾くことが多いと思っている人もときどきいらっしゃるのですが、そういうことはなく、またピアノとギターが弾くときは多くの曲では両者がほぼ対等なデュオ形式の曲が多いです。もちろん、ギター協奏曲のオーケストラパートのリダクション(短縮)をピアノで弾くことがあるのですが、多くの場合はそれは練習用で本来は公演で用いるものでは無いですし、このピアノとギターのデュオの編成の魅力を伝えるものにならないどころか、逆に悪い印象を作ってしまうことさえあります。

 20世紀に入ってもピアノとギターの曲は少しずつ作られ続けました。作曲がそう簡単では無い編成ということもあり、安易な作りの曲を除いて、かなりの技量のある作曲家が取り組むことが多い編成のように感じています。この編成で最も人気がある曲はMario Castelnuovo-Tedesco(カステルヌオーヴォ=テデスコ)のFantasiaかもしれません。

 今回の、独特である意味マニアックなプログラムを説明するのは難しいのですが、20世紀イタリアの器楽音楽再興の第二世代と言えます。Casella(カゼッラ), Malipiero(マリピエロ), Frazzi(フラッツィ), Pizzetti(ピッツェッティ), Respighi(レスピーギ), Alfano(アルファノ), etc...の所謂1880年世代の次の世代です。実際はさらにその前の世代もありますが。先のCastelnuovo-Tedescoもこの第二世代と言って良いと思います。ただ、プログラムのバランスの関係でCastelnuovo-Tedescoは入れておらず、その代わりにMargola(マルゴラ)、Mosso(モッソ)、Borlenghi(ボルレンギ)、Lincetto(リンチェット)による4曲の魅力的なデュオをプログラムに入れています。ピアノソロでSangiacomo(サンジャコーモ)とMortari(モルタリ)、ギターソロでデュオ曲と同じMargolaとMossoによるソロ曲を弾く予定です。

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