日本古典 幕末・明治時代 「多田親愛(ただしんあい)」
1840年―1905年
歌人、書家。本名は親愛「ちかよし」と読む。号は翠雲、雲亭。
明治時代を代表する和様書家で、漢字・仮名共によくし、「前期の親愛、後期の鵞堂」といわれ、明治時代のかな書道界で活躍した。
江戸芝の生まれ。はじめ芝神明宮の禰宜であったが、のちに神祇官となる。維新後に博物局(現在の東京国立博物館)に出仕し、二〇年間勤めた。この在勤中、古筆を借りる事ができたので模写を行い、徹底的に上代様の仮名を研究した。皇后の命により、色紙二四枚を奉献し一躍名を上げる。
書風は、尊円流から高野切第二種の流を汲む書風に転じ、艶麗なうちに張りのある力強いものとなる。
代表する作品は『月映鏡』『山家風』など。出版物は『立春帖』『古今集序』。
・古今和歌集
見天能三 (てのみ)や
ひと爾( に)
か多(た)らむ
佐(さ)くら者那
天(ばなて)ごとにをり天(て)
家徒(づ)と爾(に)せ舞(む)
・玄妙個展2021「古典漫遊〜文字の変遷をたどる〜中国編」
・玄妙個展2022「古典漫遊 中国書法から日本の書まで文字の変遷をたどる」
・玄妙個展2023「古典漫遊 中国書法から日本の書まで文字の変遷をたどる」