見出し画像

中国古典 清時代 「金農」 

1687年―1763年没
金農は、銭塘(浙江省杭州)出身の詩人であり、書家です。
彼の名前は司農であり、字は寿門とされています。彼は冬心という号でよく知られており、他にも多くの号を持っていました。
彼は揚州八怪・西冷五布衣の一人でもありました。彼は二十歳頃から地方の詩壇で名声を博していました。また、碩学の何悼に学問を学び、その影響で金石文に興味を持つようになったのです。
三十歳の時、彼は大病にかかりました。それ以降、彼は冬心という号を用いて詩文を創作しました。そして、彫刻士や楽士、さらに西洋犬までも引き連れて各地を漂遊するという壮大な旅を三十年間続けました。
その間、科挙の試験には失敗し、最終的には官史には就くことはありませんでした。その後、彼は文化の中心地である揚州に定住しました。そこで多くの文人や芸術家が集まり、金農は中心的な存在として活躍し、書画の楽しみを味わう生活を送りました。
彼は七十七歳でその生涯を終えました。

揚州八怪の時代になると、隷書体による表現が目立つようになりました。隷書は漢代の文字であり、漢字(中国文字)の別名でもあります。そこには征服された清に対する漢人の無自覚な抵抗が隠されており、密かな文化再興の意味が宿っていると考えられています。
金農の書は、図版のようなデザイン的な隷書と、ガリ版文字のような楷書によって、これまでの書史上にない新たな表現を生み出しました。

金農「西嶽華山廟碑」玄妙臨

〈西嶽華山廟碑〉
【釈文】
周禮職方氏 河南山鎭日崋 謂之西嶽 春秋傳日 山嶽則配天 乾坤定位 山澤通氣
雲行雨施 既成萬物 易之義也 祀典曰 日月星辰所昭印也 地理山川所生殖也

・玄妙個展2021「古典漫遊〜文字の変遷をたどる〜中国編」
・玄妙個展2022「古典漫遊 中国書法から日本の書まで文字の変遷をたどる」
・玄妙個展2023「古典漫遊 中国書法から日本の書まで文字の変遷をたどる」

墨玄会 主宰 玄妙 


いいなと思ったら応援しよう!