中国古典 後漢時代 「張遷碑」 隷書
張遷碑は186年に作られ、明代に発見されました。
正式名は『蕩陰令(とういんのれい)張遷碑』とされています。
穀城県の官史達が、前任の県長であった張遷が蕩陰県令へ転任して去る際、
彼の功績と徳を称えるために作られた碑で、「去思碑」とも呼ばれます。
碑のサイズは縦約3m、横約1mで、篆額には「漢故穀城長蕩陰令張君表頌」とあり、本文はその下に16行・各行42字で構成されています。
裏面には、発起人四十一名の姓名と職名、寄付金額が刻されています。
張遷碑は、誤字や異字が多く、特徴的な碑ですが、河北省の丘陵地帯から出土した鮮于璜碑に非常に似ていることがわかりました。
この碑は後漢時代の堂々とした正式な隷書とされています。
また、見た目は下手に見えるかもしれませんが、古めかしく素朴で剛健、野趣に富む、力強い魅力があります。
伊秉綬・何紹基などから「雄厚樸茂(充実で重厚)」と高く評価され、漢碑の優品として重要な位置を占めています。
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