見出し画像

日本古典 鎌倉時代 「大燈国師(宗峰妙超)」

1283年ー1338年
臨済宗の僧。大徳寺の開山。諱は妙超、道号は宗峰。兵庫の播磨出身。
国師は「天然の気字、王の如し。人の近傍する無し」といわれるほど圧倒的な存在感をもった人物であった。幼い頃から才気抜きんでており、大人をやりこめるような気性の荒さもあったという。一〇歳の頃から天台宗で修行するが後に禅を志し、当時入唐僧の大応国師・南浦紹明に参禅し、その法灯を継ぐ。
京都の草庵にて、約二〇年もの過酷な乞食行(こつじきぎょう)に励んだ。その後、京都の大徳寺を開山すると、のちに妙心寺を開山する無相大師・関山慧玄など、多くの僧が参禅する。最後まで驕らず、容赦ない厳しさをもって弟子を育成し、経文に頼らず実践で自己の悟りの境地を掘り下げていくことを重視したという。
師の南浦紹明(大応国師)から宗峰妙超(大灯国師)を経て、関山慧玄へ続く法系を現在の臨済宗の祖として、【応・灯・関(おう・とう・かん)】と称される。遷化(入滅)後、花園天皇より興禅大灯、後醍醐天皇より高照正灯の国師号が下賜された。

能書家としても知られ、宋風の書を能くした。

大燈国師「看読真詮榜」玄妙臨

・看読真詮榜とは
正月の修正会等に読む経の名を列挙し、それぞれの僧侶が読む経の下に、
自分の名前を書くものである。これを記したのが大燈国師である。
〈読み下し文〉
看讀真詮榜伏して以るに、三陽肇めて啓くや、洪造之枢機を出ずる無く、四序循環す。即ち是れ大功の陶鋳にして天真の至理を悟る。⋯⋯
〈大意〉
正月の修正会のために書かれたもので、新年を慶賀し、国の安寧のために経を読むことの意義を説きはじめた頭の部分。

・玄妙個展2021「古典漫遊〜文字の変遷をたどる〜中国編」
・玄妙個展2022「古典漫遊 中国書法から日本の書まで文字の変遷をたどる」
・玄妙個展2023「古典漫遊 中国書法から日本の書まで文字の変遷をたどる」

墨玄会 主宰 玄妙 


いいなと思ったら応援しよう!