生きているのか、死んでいるのか、気付いたら今日が来てた

 生きているのか……死んでいるのか。
 良くわからないけれど、気が付いたら今日が来ていた。そんな感覚。
 こんな事を考えているという自体で、私は生きているのだけれど、毎日なんだかふわふわとしていて、あまり " 現実 " というものに実感がわかない……という感覚だ。
 何でだろう? なんて考えたけれど、ふわふわとした中では何もわからず、ただ今の状況を理解しようとしている人間が、縦や横に揺れながら、 " 私は一体なんなんだろう? " と答えの出ない宇宙の中で時間の経過を忘れて漂っているだけだ。

 いつまで生きている実感があったのか……どれだけ戻っても、過去の記憶は曖昧になっていくし、覚えているものといえば苦しくて辛いものばかり。
 小学生の頃、学校が好きで毎日楽しみにしていたのに、突然学校の教室へ行くとクラスの皆が私を避けていた。
 誰に話しかけても無視されて、私は突然 " 居ない人 " になってしまっていた。
 なんで? って思ったけれど、 " そういうものなのかも " なんて思った事も覚えてる。

 居ない人のまま、小学校中学年、親の都合で転校をする事になったのだけれど、クラスの皆からもらったお別れの手紙みたいなのを読んで吐き気がした。

「またあそぼうね」

「わすれないからね!」

「さみしいよ」

 全部嘘だ。先生に言われて程の良い言葉が並べられた子供の手紙。
 これが世の中なんだって、今思えばあの時気付いたのかもしれない。

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