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ブロックチェーンで実現するWEB3.0の近未来

 小田玄紀です

 本日開催された、第23回日本国際金融システムフォーラム2022に登壇し、「ブロックチェーンで実現するWEB3.0の近未来」というテーマについて講演をさせて頂きました。今回は昨年10月にビットポイントで上場をした暗号資産JASMYのプロジェクト母体であるジャスミー株式会社の代表取締役である佐藤一雅さんと共にパネルディスカッションの形式で参加させて頂きました。

 日本国際金融システムフォーラムは毎年開催をされている主に金融機関を対象にしたフォーラムですが、参加者が主に金融機関関係者ということもあり非常に専門的かつ質の高いセッションが執り行われています。

 2019年にもこのフォーラムに登壇をさせて頂いたのですが、その際には暗号資産関係の企業は非常にレアでしたが、今回はクラーケン・ジャパンの千野さんやセキュリティトークンに関するセッションなど暗号資産・ブロックチェーン関連のセッションも多くあり、確実に時代が変わりつつあるなという実感を受けました。

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 さて、そのような中で今回のセッションですが「ブロックチェーンで実現するWEB3.0の近未来」というテーマにて登壇をさせて頂きました。感染症対策ということもあり、オンライン形式でのイベントとなったため参加者の反応はリアルタイムで把握することは出来ませんでしたが、個別にフィードバックを頂いた中でも、今回のパネルディスカッションにて紹介をさせて頂いたジャスミーさんの取組みについて、非常に驚いたという声が多く寄せられたため、ここに簡単に本日の内容を共有させて頂きます。

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 まず、ジャスミーですが昨年10月26日にビットポイントにて取扱いを開始した暗号資産です。このプロジェクト母体となるのがジャスミー株式会社となります。

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 ジャスミーが実現しようとするのは一言で言うと『データの民主化』です。本来、個人情報はその人個人に権利が帰属するべきです。しかし、現在は企業や国家など個人でない人がその情報を管理し、また、その情報から得られる収益を得る関係になってしまっています。

 しかし、現在は欧米を中心として個人情報の帰属について非常に厳しく言われています。そのような中で情報の帰属はあくまでも個人に帰属し、その個人が承認した場合(=パーミッションを出した場合)に、必要な情報が必要な相手に対して開示されること、さらにこの情報開示によって得られる収益は個人に直接帰属するようなブロックチェーン、それがジャスミーです。

 そんなことが可能なのか?と多くの人が思うかもしれませんが、これを真剣に取り組んでいるメンバーがジャスミーにはいます。そして、その多くが元SONYのメンバーになります。

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 ジャスミー株式会社の代表取締役の安藤さんはソニー株式会社の代表取締役を務めた方であり、今回パネルディスカッションを一緒にさせて頂いた代表取締役社長の佐藤一雅さんもソニースタイルドットコムの代表取締役社長を務めた方です。ご両名以外にもソニー出身の方が多く在籍しており、Felicaのセキュリティの仕組み等を開発された方やPCのVAIOのソフトウェア責任者を務めた方等のチームが現在はジャスミー社に所属しています。

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 そして、このジャスミー社の取組みですが、既に多くの企業が導入を始めています。トランスコスモスや日本旅行、そしてVAIOが「データの民主化」という思想に共感し、ジャスミーのブロックチェーンを活用した個人情報を安全に利活用するサービスを展開し始めており、またブロックチェーンが組み込まれたPCを販売することが決定しています。今後もこうした流れは進んでいくことが想定されます。

 日本では2018年の半ばから最近までにかけて暗号資産の冬の時代が到来しました。海外では様々なプロジェクトが誕生し、欧米では機関投資家が暗号資産を投資することが当たり前になっていく中、日本では市場も低迷し、非常に厳しい相場が続いていました。

 しかし、そのような中でも信念を曲げずに、愚直にプロジェクトの実現のために動いたプロジェクトは存在します。ジャスミーさんもそのような企業の1つだと考えています。

 当社のような暗号資産交換業者が暗号資産を取り扱うことを決定する際には、1つ1つ審査が求められます。私もこの審査の過程でジャスミーさんのことを知りましたが、プロジェクトに関わっているメンバーの経歴や実際に取り組まれているプロジェクトの質の高さに驚いたことを記憶しています。

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 なお、本日のテーマはWEB3.0というところでしたが、この点についても今日のパネルでは触れさせて頂きました。

 まず、簡単におさらいですがWEB3.0というキーワードは昨年頃から頻繁に言われるようになったキーワードです。WEB1.0というのは企業などが一方的に情報を発信するWEBサイトなどを指しています。そしてWEB2.0はいわゆるSNSサービスであり、双方向のコミュニケーションが可能となりました。しかし、WEB2.0でも特定のサーバーが認証をしており、特定企業が情報を管理し、また、その権利は企業に帰属しています。

 WEB3.0は『分散化』です。それぞれのユーザーが情報を分散して管理しており、その認証については特定のサーバーや企業が行うのではなく、相互認証をしあいます。

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 このWEB3.0にどのような特徴があるかをまとめたのが、こちらのスライドです。いくつかポイントがありますが、その中でも特記すべきなのは、『データの改竄性が低いこと』『情報の所有権が個々人に帰属すること』、プログラムにより自動執行されるために『Digital Orientedなサービスが創出されること』ではないかと考えています。

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 こうしたWEB3.0の特徴を活かして、様々なサービスが生まれてきています。その1つがNFTです。NFTはNon Fungible Tokenつまり非代替性トークンのことですが、デジタルデータが改竄されない特徴を活用し、デジタルデータが価値を持つようになりました。

 現在はアートやブランドなどにおいてNFTが非常に注目を集めており、2021年の世界全体のNFT総取引額は4兆7000億円にまで達したと言われています。

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 また、DeFiも今後市場が大きく成長することが期待される市場です。これまでのローンは金融機関による与信審査がされていましたが、今ではAIによる審査など多く取り入れられてきています。取引履歴などを基にした金融サービスの自動執行などもさらに普及していく可能性があります。

 従来の金融機関の与信審査においてはBS(貸借対照表)やPL(損益計算書)による与信審査が中心でしたが、今後はCF(キャッシュフロー)をベースにした与信審査も実現してくる可能性があります。

 たとえば、顧客から入金がデジタル資産でされた場合、プログラムで自動的に出資者に対してその一部が還付されるスキームが構築されれば、完全にCFに基づく金融サービスも実現できます。

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 そしてメタバースです。今、多くの企業がメタバースにおけるサービスを展開しようとしています。この流れは止めることが出来ません。ただコミュニケーションの場を現実世界から仮想世界に変えるというだけでなく、メタバース空間だからこそ出来ることを実現する取組みがこれから5~10年以内に具体化していくことは間違いありません。

 こうした中で、今後人のコミュニケーションのあり方も大きく変わってくる可能性があります。メタバース社会では同時通訳機能なども実装されれば言語の壁も無くなりますし、アバターによりたとえば障害を持った人でも健常者と同じ行動が可能になります。

 このようなメタバース社会において決済に活用される通貨は何になるでしょうか?

 残念ながら日本円がメタバースにおける主要通貨になることはないでしょうし、米ドルでもないと思います。ここにグローバルで活用できる決済手段として暗号資産が活用される可能性は極めて高いと考えています。

 そして、こうしたメタバースにおいて、より重要になってくるのが『情報の管理』と『情報の帰属』です。

 この点をブロックチェーン技術を活用して実現できるのがジャスミーの特徴だということを今回のパネルディスカッションを通じて、改めて認識をさせて頂きました。

 そして、実際に今日のセッションを実施させて頂き、多くの方から連絡を頂いたのが、日本にこれだけのメンバーでこれだけの取組みをしている企業があったのか!ということに驚きと喜びを感じたというメッセージです。

 どうしても、暗号資産というと投資・投機というイメージが先行しがちでした。しかし、ジャスミーさんのように非常に質の高いプロジェクトを遂行しようという動きが事実としてあります。

 私自身も以前からよく言っているのですが、暗号資産において『価格』も大事ですが『価値』がもっと大事です。プロジェクトが『価値』ある取組みをすることが結果として『価格』に繋がっていくと思っています。

 日本にジャスミーさんのようなプロジェクトがあることを誇りに思いますし、また、こうしたプロジェクトを日本初で上場出来たことを非常に嬉しく思います。

 あしたを、もっと、あたらしく。

 これがビットポイントの理念ですが、まさに、これからも新しい明日を創っていけるようなプロジェクトがその活動をより高めていけるために、私たちに出来ることを1つ1つ形にしていきたいと考えています。

 2022年3月17日 小田玄紀

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