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リミックスポイント2021年3月期第3四半期決算について

 小田玄紀です

 本日、リミックスポイント2021年3月期第3四半期の決算開示を行いました。今回の決算に対する評価は人によって判断が分かれるところはあるかもしれませんが、個人的には1つターニングポイントになる内容だったと考えています。

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 まず、改めてですがリミックスポイントは規制緩和や法律改正など社会が変化するタイミングで生じる課題を事業を通して解決する企業です。

 現在、エネルギー関連事業、金融関連事業、自動車関連事業、感染症対策事業を4つの事業の柱として展開しています。

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 この第2四半期までは旅行関連事業を入れていましたが、現時点において新型コロナウイルス感染症の影響からインバウンド需要の早期回復は見込めないと判断し、一旦事業セグメントからは外し、代わりに一昨年より展開をしており現在強化をしている感染症対策関連事業を事業の柱の1つに加えました。

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 それぞれの事業のフェーズを整理するとこちらのようになります。詳細はこの後も説明しますが、感染症対策事業、ビットポイント、エネルギー関連事業はこれからより積極的にドライブをかけていきます。

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 こちらが第3四半期に主なトピックをまとめたものです。

 まず、電力小売事業ですが高圧・低圧共に新規受注が順調に取れています。特に低圧は前年対比394%と非常に順調です。なお、今年に入り何度かNoteでも書きましたが、電力市場価格が高騰したことにより一時的に原価が圧迫されました。この影響で追加費用が発生しましたが、これは当社の場合は第4四半期及び来期にて還元されるようになっています。

 次にビットポイントですが、この第3四半期にて黒字化を達成することが出来ました。暗号資産市場が好調というのもあります。ただ、最大の要因としては昨年7月31日にリニューアルした新システムが適切に稼働していることだと考えています。顧客預かり資産も200億円と増加しました。

 感染症対策事業も強化を行い、昨年は『STOP感染症トーキョーサミット2020』を開催しました。感染症対策に関する正しい知識の啓蒙活動も行っており、こうした取組を通じて全国から感染症対策に関するソリューション機器がどんどんリミックスポイントに集まるようになっています。まだ新型コロナウイルスの感染拡大は継続している中、まさにコロナを「正しく恐れる」ことが重要です。その上で適切な感染症対策を講じればクラスター発生リスクを抑制することは可能です。まさに今、強化するべき事業だと考えています。

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 さて、この第3四半期の3か月間の連結損益はこちらのようになります。最大の特徴としてはビットポイントの黒字化です。そして、前述の電力卸市場の高騰により3億円程度の追加原価負担が生じましたが、これは今後回収が可能になってくるものです。

 つまり、本来はこの3億円の原価負担が生じなければ3か月期間損益として黒字化が出来ていたことになります。

 もちろん、それを踏まえての会計なので、ここでそれを言っても仕方がないのですが、重要なこととしては企業のフェーズとして、これまでのように開発フェーズからマーケティングフェーズに移行したということだと考えています。

 短期的には電力卸市場への対応や感染症対策事業の初期立上げ、ビットポイントも引き続きのシステム改修などはありますが、確実に事業として収益フェーズへ移行しつつあるということです。

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 また、昨年発行決議をした第13回新株予約権については全て行使が完了しました。総額26億円強の資金調達を実現させることが出来ました。株主の皆様には諸々のご協力を頂くことになりましたが、この資金があったことでビットポイントの事業継続そして収益化のための開発を実現させることが出来ました。改めて、御協力頂いたことに感謝を申し上げます。


 さて、ここから各事業の詳細を見ていきます。

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 電力事業ですが、低圧市場については引き続き順調に契約を伸ばしています。契約数は前年同期比394%、使用電力量も292%と大幅に伸びています。また、リミックスでんきの低圧契約については全て相対電源で調達を実現しています。そのため、今回の電力卸市場価格高騰の影響は一切受けません。これからも引き続き低圧契約については積極的に獲得を進めていきます。

 また、先日このようなリリースも出しました。ただ安くなるだけでなく、環境にも配慮されたecoエネプランなども提供を開始していきます。まさにこれから新電力事業の存在意義が問われてくる中で、環境にも配慮した電力も従来と変わらないコストで提供できるようにしていきます!

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 高圧市場についても順調に契約数を増やしています。前年同期比139%と順調に成長をしています。

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 さて、電力事業については現在多くの事業者の頭を悩ませているのは昨年12月中旬からの電力卸市場の価格高騰です。詳細は以下のNoteなどもご覧ください。

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 なお、こうしたJEPX価格高騰に対し、リミックスポイントでは比較的早期に一定の対応をとってきました。それが相対電源の調達と従来より設計していた独燃料調整費制度です。

 これらの対応により、12月度についても追加3億円の費用負担という一時的な損失が出てしまいましたが、その範囲で抑制することが出来、また、独自燃料調整費制度によりこの負担については将来的に回収することが出来るような設計になっていました。

 他の事業者では小売電気事業を撤退するところや新規申込を停止する企業もありますが、リミックスポイントとしては何よりも需要家保護を最優先にした上で、これからも積極的に電力事業を強化していくこととしています。

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 なお、この燃料調整費制度ですが、過去のIR資料を見て頂ければ分かるのですが、実はいつも記載がありました。たまに機関投資家の方や株主の方から、「このページは何でいれているのか?」という問合せがありました。個人的にはこのページはすごく大きな意味があり、電力事業の事業継続のために当社として講じている重要な施策であるために必ず毎回のIR資料に掲載をしていました。まさに、今回も独自燃料調整費制度を設計していたために小売電気事業の継続が出来ると考えています。

 また、ここにも記載がありますが旧一般電気事業者は燃料調整費が原油・石炭・LNGの価格によって決まります。一部の報道では新電力しか電気料金が上がらないという報道がされていますが、これは完全にミスリードです。今回、LNG価格の高騰がされています。そのため、今年の4~5月以降の電力会社の燃料調整費は上がってくることが想定されます。

 新電力の場合は基本料金が下がるので、その意味では新電力に切り替えることで引き続き経済的にもお得な電気料金を利用することが出来ます。この点は非常に重要な点なので、マスコミの方も誤った情報を拡散しないようにご留意頂きたいと考えています。

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 また、一部の新電力では市場価格連動プランにしているために2月以降の電気料金が極端に上がってしまうと言われています。確かに、こうしたプランをしている場合には、電気料金が跳ね上がることも想定されます。

 ただ、リミックスでんきの場合はこうした事態が生じないように、予め配慮した設計となっており、6か月平均でJEPX価格を算定することにしています。JEPX価格は夏や冬に一時的に高騰することがあります。そのため、単月のJEPX価格のみを参照にすると異常値が出た際にお客様の電気料金に大きく影響を与えることがあります。これは問題なので、期間を按分してJEPX価格が安くなる季節と高くなる可能性がある季節を按分することで、お客様のリスクと事業者リスクを平準化することが可能となります。

 なお、今回、仮にこうした燃料調整費制度を導入していない場合は逆に事業者リスクのみが高まります。市場価格高騰の影響について吸収することが出来ないと、大幅な赤字を抱えてしまう可能性があります。その場合は事業継続が出来ないレベルにまでなってしまうリスクがあります。そのため、独自燃料調整費制度の意味は非常に高いと考えています。

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 なお、こうしたように既にリミックスでんきとしては顧客保護の観点から一定以上配慮された設計になっていましたが、それでも今回のJEPX価格高騰は異常なものでした。

 そのため、一部の需要家においては一定程度、電気料金が上がってしまう可能性があります。そこで、さらに需要家に対して還元する施策として契約期間を長期にして頂ける需要家の方は、今回のJEPX価格高騰の影響をさらに抑制するプランを打ち出しました。

 詳細はこちらに記載させて頂きましたが、まず高圧需要家の方に対しては相対電源で抑制できたJEPX価格高騰分については還元をします。このことで平均して1.5~3円/kWh程度の価格上昇を抑制することが可能となります(施策①)。そして、さらなる還元策として契約期間を2か年追加して頂ける需要家に対しては、今回の市場価格高騰分については無かったものとみなし、調整金として1.1円/kWh(税込1.21円/kWh)のみでこれまで通りの安い電気料金で利用することが出来ます。

 当社としても契約期間が延びることで収益を得ることが出来、お客様としても電気料金の高騰を防ぐことが出来るので、双方にとってWin-Winな料金プランになります。

 正直なところJEPX価格高騰が継続した際には色々と悩みました。ただ、電力事業部のメンバーが中心となり、需要家保護と事業継続を両立させる案としてこうした料金プランを構築出来たことは非常に安心しました。

 こうした新料金プランを基にしてこれからも積極的に小売電気事業を展開していきたいと考えています。

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 さて、次に感染症対策事業です。感染症対策事業では総合的な感染症対策が提案出来る点が強みになります。昨年11月には『STOP感染症トーキョーサミット2020』を開催させて頂きました。

 イベントの詳細はこちらに記載しているので、ご確認ください。

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 当日は小池都知事にも登壇頂き、全国から集められた感染症対策機器について触れて頂きました。当社が提唱する『総合的な感染症対策』の必要性も実感頂くことが出来ました。

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 リミックスポイントの感染症対策は『空気感染』『飛沫感染』『接触感染』の総合的感染症対策が実現出来る点が強みになります。

 また、全ての商材は新型コロナを含めたウイルスに対して効果があることが科学的に実証されたものに限定しています。また、現在は様々な省庁や地方自治体が感染症対策機器の導入に補助金を出しています。リミックスは補助金に関する様々なノウハウがあるので、補助金を活用した感染症対策機器の提案が出来るのも強みになります。

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 紫外線照射による空気感染対策のエアロシールドにより『空気感染対策』を実現し、光触媒空気清浄機であるCure Airによる『飛沫感染対策』を実現し、抗菌コーティングである錯体ナノコロイドで『接触感染対策』を実現します。こうした総合的な感染症対策が何よりも重要です。

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 実際に浮遊菌検査をしてもこれらの効果は一目です。逆に言うと、適切な感染症対策を実現することで新型コロナを含めたウイルスの感染拡大リスクは大幅に抑制することが可能です。

 正しい知識を得て、正しい感染症対策をすることが重要になります。これからも当社として正しい感染症対策の普及をしていきます。

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 また、AIと顔認証、体温検知を行う機器やCO2濃度測定をするHazaview、そしてPCR検査なども既に実施をしています。官公庁入札も参画しており、これからも民間企業そして地方自治体を含む官公庁への感染症対策を強化していきます。

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 さて、いよいよビットポイントです。今回の第3四半期において最も注目すべき点はビットポイントの収益化だと考えています。第3四半期として利益化をすることが出来ました。

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 利益化出来た要因として、もちろん市場が活況になってきたというのもあります。ただ、最大の要因としては新システムが稼働し、適切に機能しているためだと考えています。

 2019年7月に発生した不正流出を受け、様々な対応をしてきました。同年12月には一定のリスク対応を含めたサービス全面再開は出来ましたが、それでも従来のシステムを活用することはリスクがあると判断し、全面的なシステムリニューアルを決めました。

 これが2020年7月31日にリニューアル出来たのですが、それまでの期間は一切の積極的なマーケティングは控えてきました。その間はまさに生みの苦しみで、毎月の収益がほぼ上がらない状態を続けてきました。私自身も現場に対しては開発に特化していいという指示をしてきました。これは中途半端に目先の収益を追ってしまうと本当に作りたいシステムに特化出来ないという考えから、こうした判断をさせて頂きました。

 その間、株主の皆様には多くの負担を生じてしまいましたが、増資による資金で事業継続が出来るよう支えて頂きました。

 つまり、今回ビットポイントが収益化できたのは、現場の努力があったこと、そして、株主の皆様の支えがあったことが大きな要因だと思っています。

 多くの人の支えにより実現出来たこの機会を本当に感謝の気持ちと共に受け入れ、これから再び、成長軌道へともっていきます。

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 なお、今回の新システムによりリニューアルされた主な機能はこちらの通りです。UI/UXだけでなく裏側の機能を含めて全面的に強化してあります。従来はポジション収益などがあって会社としての収益が左右されていましたが、現状ではほぼ全てシステム収益により成立するようになっています。

 すなわち、ビットコインなどの価格が上がっても下がっても、一定のボラタリティがあれば収益機会がしっかりと成立するようになっています(もちろん、お客様もちゃんとトレードできるようになっています)。これが実現できたことが何よりも大きかったと思っています。

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 とはいっても、これはまだまだスタートのスタートだと思っています。いくつか実現出来た機能はありますが、まだまだやれていないことの方がたくさんあります。

 システム面においてはこれから実現していきたいことをこちらの右に記載しました。

 出来高についても、全然まだまだ足りていないことを理解しています。ただ、個人的にはこうした課題はむしろ可能性だと思っています。『課題=悪いこと』ではなく『課題=解決すべきもの』です。これからも1つ1つ課題を解決していくことで、今よりもさらに大きな目標に向けて挑戦をしていきます。

 幸いにも他社も大きく収益を出しています。まずベースの基盤としてはビットポイントも出来上がったので、これからアクセスを踏むべきところは踏んでいきます!

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 そしてシステム面だけでなくサービスとしてもこれからより新しいチャレンジをしていきます。

 『ビットポイントでも出来ること』ではなく、『ビットポイントだから出来ること』を1つ1つ増やしていきます。

 まさに、『あしたを、もっと、あたらしく。』していくことに存在価値があると思っていますので、これからのビットポイントの挑戦にご期待ください。

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 さて、このように第3四半期はある意味ターニングポイントのような四半期だったと考えています。様々なチャレンジの成果が徐々にではありますが、見えてきました。

 目下のところ、電力事業については課題を解決していくべき点もありますが、これらについても適切に解決をしていくことで、さらに大きな可能性を得られるのではと考えています。

 取り組んでいる事業領域について市場変動要因が高く、また、新型コロナウイルスの影響で市場自体の見通しが不透明なことから、業績予測は非開示としていますが、確実に組織としては改善されつつあります。

 また、これまでは開発フェーズということもあり、機関投資家面談も限定してしまっていましたが、これからは再度以前のように積極的に機関投資家面談も入れていきます。当面の間は全ての機関投資家面談に私自身が対応をしていきます。

 リミックスポイントの可能性を感じられてもっと話を聞きたいという機関投資家の方はぜひ、ご連絡ください!

 これからのリミックスポイントグループの挑戦にご期待ください!

 2021年2月12日 小田玄紀

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