生薬百選44 沙参(シャジン)
花が釣鐘に、根が朝鮮人参に似ているのが、名の由来。
山菜としても重宝される「シャジン」についてご紹介。
秋に高原へと足を運びますと、様々な花を目にします。今回は、このような植物の1つ「ツリガネニンジン(別名:トトキ)」を紹介します。
北海道から九州の各地の日当たりのよい山野、丘陵に生える多年草で、8〜9月に写真のようなキキョウに似た可愛い花を付けます。花は釣鐘、根は朝鮮人参に似ていることからこの名が付いたとされています。
薬用部位は根で、夏の終わりから秋にかけて掘り採って乾燥させます。生薬名は沙参(しゃじん)で、鎮咳(ちんがい)去痰(きょたん)の目的で用いられます。またこの植物は山菜としても有名で、春先の若苗は、ゆでて水にさらし、あえもの、おひたし等に、太い根茎は、刻んで茹でて水にさらし、あえものや油いため等にします。
古くから「山でうまいのはオケラにトトキ、嫁にやるのもおしござる」という歌があり、これは春先のツリガネニンジンの若芽は非常に美味しく、人に食べさせるのも惜しいという意味だそうです。
このように有用な植物ですので、中国、四国地方の一部では栽培化を検討しているところもあるそうです。ちなみに、私共の薬草園では容易に栽培できますが、9月後半になりますとウドンコ病にかかる株もみられます。
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