不妊症の周期療法(5) ―基礎体温の見方について(1)―
今回より基礎体温の見方についてお話します。周期療法は生理周期にあわせて漢方薬を使い分けますので、基礎体温の情報が大変重要になります。基礎体温を見る場合は少なくても最近の連続する3周期以上を観察する必要があります。また周期の日数だけでなく低温期と高温期の日数と温度差を比べることも大切です。 例えば28日周期の方でも、(1)排卵日が14日目で高温期が14日続く方と(2)排卵日が18日目で高温期が10日しか続かない方では基礎体温の状況は全く異なります。(1)の方は妊娠しやすく、(2)の方は妊娠しにくいといえます。 また低温期と高温期の温度差は0.3℃〜0.5℃の範囲が適正といわれています。よって高温期の体温が36.7℃のラインを越えていなくても低温期との温度差が0.3℃〜0.5℃あれば大きな問題はないといえます。もし低温期と高温期の温度差が0.3℃よりも少なかったり、0.5℃よりも大きい場合は問題があります。また全体的に体温が低すぎる場合も妊娠しにくい傾向があるようです。 このようなことをきちんと判断した上で4つの周期(生理期、低温期、排卵期、高温期)の基礎体温の状態を観察します。今回は生理期の見方を紹介します。 生理になると基礎体温は高温期の体温から0.3℃〜0.5℃の範囲で体温が下がります。きちんと体温が下がり安定すれば問題はありません。しかし生理になっても体温が下がらない方や生理中期〜後期に下がった体温が再び上昇して凹凸になる方は問題があります。漢方医学では生理が来ると血液、癸水(ホルモン)がきちんと排泄されることが大切であると考えていますが、排泄がうまくいかないと体温が下がらなかったり不安定になります。このような場合はaaa帰調血飲第一加減、折衝飲、桂枝茯苓丸、爽月宝などを体質に合わせて服用すると体温が下がり安定してきます。生理期の排泄がうまくいくと、低温期における子宮内膜の増殖と卵子の成長がスムーズになります。次回以降は低温期、排卵期、高温期の基礎体温の見方についてお話します。 病名別漢方治療法「不妊症周期療法」も参照してください
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