生薬百選39 何首烏(カシュウ)
何首烏(カシュウ)は、ツルドクダミPleuropterus multiflorus (Thunb.) Turcz.の根が肥大した塊根部分を乾燥した物です。昔から不老長寿の妙薬といわれ、強壮・強精剤として珍重されてきました。また、脱毛や若白髪に対する効果があり、市販の育毛剤にも配合さています。その他にも緩下、健胃、整腸などの作用や最近では血液中のコレステロールを低下させる効果が見つかるなど、多くの効果が期待されている生薬の一つです。
スーパーマンのようなツルドクダミですが、実は人里の路傍のやぶにからむ蔓性の多年草で、本州から九州に広く分布しています。もともとは中国原産ですが、江戸時代に薬用植物として入ってきたものが野生化した帰化植物です。また、「ドクダミ」の名が付いていますがドクダミ科ではなく、タデ科の植物です。この名前は、葉がドクダミに似ており、蔓になるところから付けられた名前だそうです。
最近、抜け毛と白髪が気になり始めてきた私にとっても、何首烏の効能・効果は魅力的です。研究所の見本園で毎年ツルドクダミが元気に繁茂している姿を目にすると、何度も試してみたい衝動にかられました。しかし、医薬品安全性情報(国立医薬品食品衛生研究所)によると「何首烏には肝炎や黄疸(おうだん)等の肝臓に対する副作用がある疑いがある」との注意情報が出されており、安易な使用は避けた方が良いようです。
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何首烏(カシュウ)
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