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生薬百選 95 珍珠(チンジュ)

真珠は、その特有の美しい光沢(テリ)が太古より多くの人々を魅了し続けてきました。宝石の真珠としてすぐに思い浮かぶのは、きれいな球状が見事な養殖真珠でしょう。真珠を作る貝を母貝といいますが、日本における海水養殖真珠の母貝はおもにアコヤガイです。海水産真珠の母貝はこのアコヤガイのほか、クロチョウガイ、シロチョウガイ、アワビ等、淡水産真珠ではイケチョウガイ、カラスガイ、ドブガイ等が知られています。写真1はアコヤガイの養殖真珠を用いたブローチと南洋パールの宝飾用ルースです。シロチョウガイに加え、クロチョウガイから採取されたものの一部が広義の南洋パールとして流通しているそうです。

また海辺のお土産屋では、貝の中にある真珠の採取体験ができる缶詰が売られています。かなり前に購入してからなかなか手が付けられずにいましたが、この原稿を書くのを機会に開けてみました(写真2)。

宝石として珍重される「真珠」は、「珍珠」とも呼ばれ生薬として利用されてきました。
生薬としての真珠には、主に宝石としての価値が劣るものが粉末化されて用いられます。
主成分は炭酸カルシウムで、他にタンパク質などが含まれます。効能は解熱、鎮痛、鎮静、滋養強壮などとされ、頭痛、目の病気、不眠症、口内炎など、体の様々な部位、症状に用いられるとのことです。
核となる貝殻片等を使った養殖品(有核真珠)では表面にある真珠層と呼ばれる部分を削って用いますが、天然品などの無核真珠では真珠全体を使うようです。粉末化された生薬としての真珠は100gあたり数万円で流通していますので、宝飾用途でなくともやはり真珠は高価なものと言えます。
当研究所で所有している生薬の真珠は未粉砕品で、母貝の種類はわかりませんが中国産の淡水真珠です。

淡水真珠の母貝の一つであるイケチョウガイは琵琶湖水系の固有種ですが、全国各地でこの貝を使って水質改善と真珠生産を目的とした養殖が図られています。弊社の健康生活提案型複合施設である「くらすわ」の眼前に広がる諏訪湖においても同様の試みが検討されているとのことです。もしかしたら将来、「くらすわ」にも諏訪湖産真珠関連商品が並ぶ日が来るかもしれません。

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