Essays .Number | #06 今を生きるその瞬間に触れるということ。
日曜の朝、雪と山囲まれながら今日も1日がはじまる。
ふと見知らぬ土地を散歩したくなることがある。
見知っている土地でない場所を求めるのは、刺激を受けたいからなのかもしれないのだが、
かといって、壮大な景色や華びやかな街並みを探しているわけでもなく、なんのこともない路地裏をうろうろとしているのだ。
もちろん、良からぬ噂が立たないようなるべくその空間に馴染むようにしつつ。
日の光と建物の影、窓からこぼれる生活の音や声、鳥のさえずり。
目や耳やにおいを通して感じていく。
こうして「その瞬間に生きるものに触れていく」ことで、その場所その時にしか味わえない人びとの生活を追体験できるような気にさせる。
どんなに彩られた観光地を訪れることよりも、その場所に生きる人びとの暮らしを感じること。
私にとって、足を運ぶには充分な理由になる。
さて、今日は何をしようか。