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IBUKI bottled tea | 茶の概念を覆す新しい日本茶の在り方

小松です。
全くの異業種から日本茶業界に飛び込んでみて、改めて今の日本茶業界が抱える課題が少しずつ見えてきました。業界にいなかった人間だからこそ感じることを書いていきます。(これはアップデートしていきます。)

01. 令和の茶のリアル | Actuality of Japanese tea

平安時代初期から歴史がつづき、文化・伝統的にも奥深い日本茶。 今となっては、日本でも身近な飲料のひとつとなっています。
日常生活において茶は様々なシーンで消費されているように感じますが、日本国内における茶の消費量が年々低下しているのが実情です。

緑線のグラフににもある通り、日本茶(緑茶)の消費量は激減している。
全国茶生産団体連合会・全国茶主産府県農協連連絡協議会,『茶ガイド』

特に日本茶(緑茶)の低下は著しく、全盛期に比べると3割も減少していています。 減少の理由として大きなものは以下なのではないかと考えています。

  1. 日本の生活食形態が多様化(様々な食文化を選択できる時代へ)

  2. ペットボトル形態の普及と、茶以外の清涼飲料の台頭

インターネット普及と物流の効率化により選択肢が増えていくことで、既存の需要が変化することは歴史の常ですが、もっと根深い問題なのは価格と流通構造にあると思っています。

ここで私が考える「日本茶は衰退産業だ」という認識が広まっていったフローをまとめたいと思います。


日本茶の業界衰退フロー(名前仮)

  1. 前提としての無料でお茶を飲むという文化の存在

  2. 日本茶(緑茶)を低価格で飲む生活が浸透する【1990年代〜】

  3. 一定品質が担保される低価格茶の需要が徐々に高まる【2000年代〜】

  4. 「低価格茶を大量に生産する」=「マーケットの勝ち筋」となる

  5. これまで茶業者所得の大半であった高価格帯の一番茶(新茶時期に採れる一番美味しいとされる茶)の生産量が低下する ※

  6. 価格競争の激化、効率化のコスト、現状下でのランニングコストの維持などで生産者と販売者の経営が疲弊

  7. 生産者、老舗茶問屋や専門店の倒産・廃業が激増【2010年代〜】

※ 一番茶の摘採面積、生葉収穫量及び荒茶生産量(主産県)、農林水産省


私の中で「衰退産業」の定義として、「生産人口の低下」・「消費量の低下」があります。このフローを見ると「茶自体の需要はあるのだから生産量は増えていくのでは」と考えがちですが、市場で求められていたのは「低価格茶」です。そこに生産者と販売者の根深いジレンマがあります。

02. 茶生産技術の崩壊 | Technology decline


茶生産技術の崩壊フロー簡易図解

そのような状況のなかで私が一番の問題なのが、日本茶生産技術の衰退だと思っています。「低価格茶を大量に生産する」=「マーケットの勝ち筋」となった現代では、高品質で単価の高い茶葉はあまり必要とされていません。生産者、老舗茶問屋や専門店の倒産・廃業が激増していくなかで、長年培われてきた高度な生産技術は失われていき、それは文化や伝統の消失とも同義だと私は思っています。

日本茶の生育と製造は、まさに一朝一夕で、昨今の異常気象にともなう天候や害虫と戦いながら、土地と品種に合う肥料づくりの研究を重ね、絶妙な技術で製造を行っていきます。技術を習得するのに数十年レベルでの年月が必要だと言われています。

03. 私たちの存在意義 | Our Purpose

03-1. 現状打破のためのアプローチ

先ほどフローでお話した負の連鎖を解消するためのアプローチとして、私たちがやるべきだと考えているのは「①高価格帯需要の開拓」と「②低価格構造依存からの脱却」だと思っています。

03-2. なぜ私たちがやるべきなのか

私が継承していく株式会社カネス製茶は、全国有数の茶処である静岡県で創業して65年になります。地域の生産者の方々と長年ともに過ごしてきたからこそ、何世紀にもわたって、培われたきた技術と品質を途切れさせたくないという想いがあります。そして失われつつある「本当に美味しい日本茶」を多くの方々へ広めていきたい。

そんな想いを胸に、2022年11月、新しい挑戦がはじまりました。

04. 現状打開のための施策 | Our Works

01-1. ボトリングティーの開発

私たちはそのような状況を受けて、「ボトリングティー」という商品の開発を行ってきました。 「ボトリングティー」とは特別な製法で茶葉のポテンシャルを最大限に引き出しボトルに詰めた リキッドタイプの高級茶です。

ただしボトリングティーを新しい日本茶の楽しみ方としてではなく、日本茶の新しいスタンダードとして確立する必要があります。

01-2. ボトリングティーブランド IBUKI bottled tea の立ち上げ

2022年11月25日(金)、これまで自社ECサイト内で展開していた「ボトリングティーシリーズ」を、最高級の日本茶体験を届けることに特化したボトリングティーブランド「IBUKI bottled tea」としてリニューアルを行いました。

ファスト思考と消費形態の多様化の世界のなかで、「本物の日本茶」を丁寧に味わうことを目的とし、その付加価値を高めていきます。ブランドや商品についてはまた別途記事を書いていこうと思います。


▼ IBUKI bottled tea ブランドページ

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