「ツーリズムEXPOジャパン2024」
9月26日(木)〜29(日)にかけて東京ビッグサイトで開催された「ツーリズムEXPOジャパン2024」は、2014年から始まった旅の総合イベントで、「この日のために、世界中の国と地域、日本全国の観光地が集結する、年に一度の世界最大級の旅の祭典。」とも言われている。
今回私は、この「ツーリズムEXPOジャパン」の2日目(27日)に参加。
この日は業界日(業界関係者のみが参加対象となる日)だったため、出展者を除くと観光・交通業界の方、商談に訪れた企業の方、メディアの方が多かったように感じた。
出展ブースは一般日ほどイベントがなく、商談や情報交換がメインで行われているようだった。
え?遊びに行ったの??
私がなぜこのイベントに参加したのかということだが、当然遊びに来たわけではない。
私が所属する立教大学ボランティアセンター主催の「立教チームでつなぐ被災地支援プロジェクト(令和6年能登半島地震)」の参加学生によるポスター発表があるため、そのサポートに来たというわけだ。
同プロジェクトについてもいずれ細かく書いていきたいが、関心のある方はまずは以下の記事を読んで見てほしい。私の力作である。
学生たちが頼もしいので、私の役割はない
会場内には、大学や短大、専門学校などが出展する「アカデミーエリア」があり、そこに「立教大学 観光学部」のブースも設置された。
今回は、そのブースの責任者である先生からお声がけいただき、ポスター発表の機会をいただいたのだ。
いただいた時間は、13時からの30分間。
同プロジェクトの第1弾の活動でボランティア受け入れを担当してくださった「株式会社加賀屋」のスタッフを進行役に、第1弾の活動についてをその活動に参加した学生メンバーの代表者1名が、第2弾の活動についてをその活動に参加した学生メンバーの代表者1名が発表した。
進行役を担っていただいた方は、立教大学の卒業生であり、責任者の先生のゼミ生なのだが、このプロジェクトの準備段階で先生がつなげてくださり、無事に第1弾の活動が実現したという経緯がある。
第2弾の学生にとっては、現地で一度お会いした程度の関係性であるが、第1弾の学生にとっては現地での時間のほとんどを共有し、ともに活動した方であるため、今回のポスター発表においても不安が軽減されたはずだ。
最初は聴者集めに苦労したが、発表中に少しずつ足を止めてくださる人が出てきて、どんどん聴者が増えていった。
結果的に、多くの方にプロジェクトの概要やそこで感じたこと、観光地ならではの支援の難しさなどについて伝えられ、学生たちの自信にもなったようだった。
私の活躍場面はポスター作成段階で、当日はカメラマンとしていただけである。サポートというサポートは何もしていないのだが、学生たちが優秀なので全く問題はないだろう。
イベント終了後、発表者には自分以外のプロジェクト参加メンバーに対して活動報告をしてもらった。発表を通して新たな課題が見えたようだった。
復興支援活動中、学生たちは現地の方々から「帰ったら多くの人に伝えてね」とよく言われていた。しかし、何を伝えれば良いのだろうか。現地の方々が伝えたい・広めたいことは多様だ。優先順位なんて、きっと人によって異なるだろう。
現地の被害状況、自分たちの生活環境、コミュニティ内の関係性の変化、自分の思い、学生たちが得た情報は大量で・多様で・複雑だが、今回の発表者は現地で受け取ったものを自分の中に落とし込み、自分の言葉で語ってくれたのが良かった。
ただ、伝えたいことがあっても伝えきれない部分もあったようだ。
彼が語った話の中に、「良さ」でまとめた内容があった。
ただ、何を基準に「良い」と判断するのか、何が「良いのか」、受け取る人によって解釈が異なるような表現になってしまい、後悔していた。
災害ならではの語りにくさも当然ある。
一言で表現できない事象、簡単な言葉で表現してしまうと何か大切なこと・大切にしたいことが抜け落ちてしまうような感覚を覚えることもしばしば。
それでも言語化し、語らなければ他者を巻き込めない。
自分の理想と現実に悩みながらも、自分の言葉で語ろうとすることが何よりも重要なことなのではないだろうか。