青物用パックロッドの空白地帯を考えてみる

自分のタックルで世界中のサカナを釣り歩いてみたい、ロッドケースに囚われず身軽に移動したい、と考えた結果パックロッドという回答に辿り着いたわけですが、シーバス用やライトゲーム用はかなりラインナップが増えてきた2024年現在でも、青物用となるといまだに選択肢が乏しい現実があります。ちょっとそれを考えてみたい、というか、誰かここを埋める竿を作ってくれ〜と言うためにまとめてみました。まず青物用パックロッドをむりやりですが下記の3用途に大別します。

  • ショアキャスティング

  • ボートキャスティング

  • ボートジギング

そののち、各用途のロッドを、対象魚のサイズ別にざっくりGT・マグロ、ヒラマサ・ブリ、イナダ・スマの3クラスに切ってみます(シーバス級以下はまだ選択肢の余地があるので別の機会に)。同時に機動性を仕舞寸法別に、収納できるスーツケースの容量でざっくり3クラスに切ってみます。雑な分類ですが、雑じゃないと場合わけして考えるなんてできないんで!

ショアキャスティング

全長9ft以上、キャスティング重量50g以上で抽出

オレンジは「選択肢が増えてほしい現実的ゾーン」、緑は「技術的に無理めだけど欲しいゾーン」です。まずPE8号、10号タックルのパックロッドというのは現状、BigFishGoの2機種しか選択肢がないので、ここにライバルが出現したら楽しそう。でも需要があんまりないであろうことも容易に予想がつくね…。

PE4号〜6号のヒラマサ・ブリクラスは、オレンジのゾーンにGRIII以外の選択肢が切望されるところ。コルスナXR MBが6ピース化されたら最高。あと緑のゾーンには、8'6"とやや短いので除外しましたがモンキスMX-9Sがあるっちゃあります。

2号、3号タックルでイナダ・ショゴ・スマ・シイラなんかを狙うなら、このランクはFreegame XT S100MHのコストパフォーマンスがもう、飛び抜けて優れています。ひとつだけ難癖をつけるなら、仕舞がちょっと長いのが玉に瑕。なのでオレンジのゾーンに新製品が出たら飛びついてしまうでしょう。

ボートキャスティング

全長6'11"以上、キャスティング重量55g以上で抽出

このカテゴリは飛び道具ばかりというかクセが強すぎというか、パワーと仕舞寸のバランスがよいオレンジのゾーンにほとんど製品がありません。まじで陥没地帯だらけのブルーオーシャンだと思います。

まず8〜10号、GTクラス。トランセンデンスのLaulau83GTSは仕舞53cmのコンパクトなグリップだと全体重量が550gとクソ重く、全体重量が390gに収まるグリップだと仕舞が77.6cmと長い、というズル仕様で買う気が湧かない。モンキスMGX-♾️S(8'3"、ルアー最大300g)はよさそうだけど自重435gで1日振れるかやや心配。たとえばRipple FisherのGTXpedition 81MHとか、GlapplerタイプCのS82XH-3みたいな高度なバランスを有したロッドのパックロッド版が待望されます。アンダー400gで出てくれないものだろうか。

PE4〜6号のヒラマサ・ブリゾーンも帯に短しというか、不作です。3oz投げられて213gと軽いナマゾンモバイルは良さそうだけど、仕舞寸67cmがどうにも…。ワーシャ2754はレングスがもうちょい欲しいし、なによりグリップが短すぎ。MX-9Sは対応力があっていい竿ですが、1日投げ続けるにはダルい。たとえばオシアプラッガーフルスロットルとか、ブルースナイパーとか、ああいうど真ん中のオフショアキャスティングロッドにパックロッド版が出てほしいですね。

PE2〜3号のショゴ・イナダ・スマ・シイラゾーンですが、ここも人材不足で、ど真ん中がいない。カモメトレイルKT-70H、ナマゾンモバイルS704H、フエルコのXT611はどれもややレングスが足りないし、ジェットセッター750Sは仕舞寸が67cmと長すぎ。パームスのクアトロ77が割と理想的に見えるんだけど、グリップセクションのみテレスコの変則4ピースという変則的な構成に一抹の不安がある。

ボートジギング

仕舞寸70cm以下でジギング用を標榜しているロッドを抽出

オフショアジギングのパックロッドもまた人材不足はなはだしいところで、なぜかというと、このグラフに載せたなかで現行機種はGrappler Type Jだけなんですよね。あとはオフショアスティックもテイルウォークも廃盤です。すいません。なので、せめてオレンジのゾーンで現行商品がリリースされたらいいなーといつも星に願っています。つうか4ピース化されたGrappler Type Jが出れば万事解決。

私自身はボートに乗るときはいつもオフショアスティックの55Lかテイルウォーク S59/150-P3のどちらかをサブに持っていきます。扱いが楽なのはテイルウォークだけど、掛けてから楽なのはスミスのほう。スミスの55Mが中古で見つかったら買っておきたい。番外編ですが、モンキス製品(私の場合MX-7S)にロンググリップMX-RG32を付けると、モンキスのダルさがむしろ疲れないジギングロッドに変身します。けっこう好きです。


というわけで、ないものねだりばかりになってしまいました。どの領域でも決定版と呼べるものが存在しない青物パックロッドの世界、今後さらに開拓されていくのが楽しみです。ここのところ自作や半自作にも手を出してるので、私は私で納得のいくスペックを持ったロッドをなんとか具現化させていきたいです。あとベイトロッドについては知識も経験も乏しすぎるので触れませんでした。すいません。


雑に数字を放り込んだだけですがパックロッドデータベース作ってみました。


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